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【東アジアサッカー選手権2008 決勝大会 日本代表 vs 中国代表】プレビュー:満身創痍の岡田ジャパン。DFに今野、FWに矢野が先発へ。頭抜けた身体能力を誇る相手を打ち破るカギは細かいパス回しと決定力(08.02.19)

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2月20日(水)東アジアサッカー選手権2008 決勝大会 日本代表 vs 中国代表(19:15KICK OFF/中国・重慶)
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 17日の東アジア選手権初戦・北朝鮮戦を1−1で引き分けている日本代表。明日20日の第2戦・中国戦(18時15分キックオフ、重慶五輪競技場)で勝利を挙げなければ、岡田武史監督率いる新チームの初タイトルが絶望的になってしまう。「中国戦は勝たなきゃいけない試合」と加地亮(G大阪)が言うように、選手たちも危機感を募らせている。

 そんなチームにショッキングな出来事が起きた。北朝鮮戦で同点弾を挙げた前田遼一(磐田)が右ひざを痛め、19日朝に緊急帰国を余儀なくされたのだ。古傷の半月板を痛めた可能性が高く、長期離脱は避けられそうもない。18日の練習で左足首を痛めた岩政大樹(鹿島)も中国戦出場が不可能となった。この試合でのA代表デビューが濃厚と見られていただけに、本人も悔しさを露にしていた。

 一方、発熱で北朝鮮戦を欠場した中村憲剛(川崎F)と右太もも肉離れで完調でない山瀬功治(横浜FM)は19日の中国戦前日練習を全て消化した。が、彼らも90分フルで戦えるかどうかは未知数。岡田ジャパンは今、満身創痍の状態に陥っているのだ。

 それでも中国戦は「結果」にこだわるしかない。スタジアムの反日ムードもより一層強まると見られるが、それを跳ね除けるだけの闘争心が必要なのだ。岡田監督も初戦の後「気持ちが入っていない」と選手たちを鼓舞したという。ベテラン守護神の川口能活(磐田)も「試合をこなして雰囲気に慣れていくしかない。勝てば観衆を黙らせることができる。それを楽しみと思える余裕が大事」と話していた。彼の言うように、代表経験の少ない選手たちも相手を黙らせるくらいの気概を持って試合に入ってもらいたい。

 中国は17日の韓国戦を2−3で落としたものの、身体能力の高さは頭抜けていた。球際や寄せの激しさには警戒が必要だろう。基本布陣は4−4−2で、攻撃陣の核となるのは、ボランチの周海濱(16番)と左MFの杜震宇(8番)、セカンドストライカーの曲波(7番)とFWの朱挺(11番)。周海浜はワイドな視野と展開力を持ったゲームメーカーで、韓国戦では見事なミドルシュートも決めている。左サイドの杜震宇は昨年の中国リーグMVPで、スピードと鋭いクロスはずば抜けている。曲波は中国屈指のファンタジスタで、創造性豊かなプレーを得意としている。そして朱挺は高さと強さを武器とする泥臭いストライカーだ。中国の攻撃陣はいずれも一芸に秀でているため、長所を出させてしまうと危険である。日本としては、まず相手のよさをキッチリと消すところから入りたい。

 18〜19日の日本代表は戦術的な練習をほとんどしなかったため、誰がスタメンで出るのか予想がつかない。とはいえ、中国の特徴を考えると、右サイドには守備力の高い選手を起き、左サイドに攻撃的な人材を使いたいと岡田監督も考えるはず。となれば、最終ラインの右には加地、左は安田理大(G大阪)か駒野友一(磐田)が入ると見るのが自然ではないか。センターバックは高さのある中澤佑二(横浜FM)と、今大会初登場となる今野泰幸(F東京)の組み合わせが有力だろう。彼ら4バックと国際経験豊富なGK楢崎正剛(名古屋)がパワーとスピードを備える中国攻撃陣をどう止めるか。そのあたりが勝敗を左右する大きなポイントになりそうだ。

 北朝鮮戦では迫力不足だった攻撃陣も奮起が求められる。中国守備陣は高さと強さがあるため、単純なサイドからのクロスやセットプレーで得点するのは難しくなる。が、逆に彼らには柔軟性はないだけに、岡田監督が提唱する「接近・展開・連続」の理論が有効になる。中盤での細かいパス回しで相手を引き寄せ、大きなスペースを生かして攻めれば、中国守備陣はついてこれないだろう。

 中盤の構成も不透明ではあるが、軸となる鈴木啓太(浦和)と遠藤保仁(G大阪)は不動。彼らにボールを動かせる中村憲剛や山瀬を組み合わせる可能性が高いが、状況によっては安田を中盤に上げたり、今大会はまだ出場機会がない橋本英郎(G大阪)を起用してくることも考えられる。岡田監督の采配に注目したいものだ。

 そしてFW陣だが、前日練習で大木武コーチらとクロスからのシュート練習を個別に行っていた矢野貴章(新潟)の先発出場が確実だ。彼と播戸竜二(G大阪)を組ませて、前線から高い位置でプレスをかけるサッカーを狙うか、もしくは矢野を1トップで置いて中盤からの飛び出しを多くするスタイルを取るか。このあたりも指揮官の選択による。中国守備陣はベテランの李偉峰が統率するが、韓国戦では一瞬集中力を欠く場面が何度か見られた。そのあたりを矢野を中心とした前線の選手がしつこく突けば、ゴールは奪える。彼らにはとにかく得点に強いこだわりを見せてほしい。

 2004年アジアカップ決勝(北京)での対戦では凄まじい罵声とブーイングが飛び交う中、福西崇史(東京V)と中田浩二(バーゼル)、玉田圭司(名古屋)の3点で日本が3−1で勝利している。敵意むき出しの大観衆を黙らせた選手たちは痛快だったに違いない。そのピッチに立っていた中澤や加地はもちろん快感を覚えているはず。我々もあの歴史的勝利の再現を待ち望んでいる。

以上
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