2月24日(日) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
徳島 1 - 3 神戸 (14:01/鳴門大塚/2,308人)
得点者:11' レアンドロ(神戸)、60' 玉乃淳(徳島)、75' 古賀誠史(神戸)、84' レアンドロ(神戸)
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日差しにはやわらかい春の気配が漂うものの、スタジアムに掲げられた両チームのフラッグを激しく揺らす強風は真冬の風そのもの。そして気温も上がらず、今日の徳島はいつ雪が舞い降りてきてもおかしくない寒さであった。しかし、ホーム徳島はもちろん神戸からも開幕を待ち切れない熱心なサポーターたちが大勢来場。我らがチームの本格的な新シーズン初お披露目を熱い声援を送りながら見守った。これも、徳島、神戸、今季の両チームにかかる期待の表れであろう。
そして、開幕を2週間後に控えるその両者が相対したプレシーズンマッチ。ここからの仕上げに向けてそれぞれどのような確認ができ、また収穫があったのだろうか。ゲームを追いながらそれを見ていきたい。
まず注目の序盤はどちらもリズムを作れない時間が続く。やはり強風が影響し、中長距離のパスは狙ったコースから大きくアウト。なかなか効果的な組み立てまでには至らなかった。それには徳島・美濃部監督も「風が大変強く、神戸もうちも狙っていることができる環境ではなかった」と語ったが、確かに両チームの選手たちには非常に難しいコンディションであったことだろう。きっと確認したかった大きな展開などを思うように試せなかったに違いない。
ただ、そんな中でも神戸の戦いには明らかな意図が見えた。それは左サイドの活用だ。奪ったボールをシンプルに左サイドへ持ち出し、そこに位置するMF古賀、DF鈴木が起点を形成。それにFWレアンドロも絡んでのチャンスメークを立ち上がりから再三試みていた。すると11分にはそれが先制点へと結び付く。徳島・柴村の不用意な横パスを中央で引っ掛けた神戸は左サイドへ素早く展開。深い位置から折り返すとペナルティエリア内で松橋がファールを誘ってPKを得、それをレアンドロがきっちりと沈めたのだ。
またこのシーン以外でも、古賀と鈴木の左サイドが神戸の大きな武器であることは見て取れた。互いのサポートの距離や追い越すタイミングなどはまさに絶妙。開幕に向けて連携が完成されつつあることを十分披露していたと言えよう。さすがに松田監督は「今日は2人(古賀・鈴木)ともよくやってくれたが、もう1人を加えて3人くらいが絡み、中へも行くし外もあるという感じにならないとちょっと難しい」と手厳しかったものの、それでもこの左サイドが今季のポイントとなるのは間違いない。
対して徳島だが、こちらは前半から選手間の連携にややチグハグさが目立った。もちろん前記のような悪コンディションに加えてJ1神戸相手というのもあっただろうが…。とは言え、守備ではどの方向に追うのか、どこで狙って潰すのかが伝わってこず、また攻撃では繋ぐのか、スペースを突くのかがハッキリできていなかったように思われる。一言で表わすならば『共有イメージに欠如』というところだろうか。ひとりひとりがその場その場で迷いながらプレーしていたと言わざるを得ない。そしてそれによって、多くのシーンで徳島は神戸の後手に。美濃部監督がピッチに向かって叫んでいた「相手より早く反応しろ!」という言葉もそれを裏付けていると言えるだろう。
しかしながら、後半早々にMF玉乃が投入されてからの時間帯ではいいゲーム運びを見せたのも事実。彼を中心にボールを動かし、同点に追い付いた60分の展開などは見事であったと言える。左サイドでボールを受けた米田から中央の大島を経由して右サイドのドゥンビアへ繋ぎ、それをさらにドゥンビアがもう一度左サイドへ折り返して飛び込んだ玉乃が決めたものだが、あの場面では選手たちが間違いなく同じイメージを描いていた。さらに最後の玉乃の飛び込みはドゥンビアの折り返しをしっかり予測したスタートダッシュであった。
その後試合は同点に追い付かれた神戸が古賀のスーパーボレーと2度目のPKで徳島を突き放し勝利を収めたが、結果以上に勝った神戸にとっても敗れた徳島にとってもこのプレシーズンマッチは大きな意味のあるものとなったに違いない。
負傷者続出で開幕が不安視されていた神戸としては、前記の古賀や鈴木、また新加入の松橋らのコンディションがいいことを確認ができた上、何より出場した全ての選手から勝利を目指す姿勢が強く感じられたのは収穫だっただろう。ここに、リハビリ中ながらチームに帯同しこの一戦をスタジアムで観戦した大久保、さらにはボッティらも戻ってくれば今季J1で台風の目となれるだけの力をチームは大いに感じさせてくれた。
逆に徳島としては開幕までまだ2週間あるこの時点で修正すべき課題が明確に出たのはよかったと言えよう。美濃部新体制となり、また新戦力も多い状況で一枚岩の組織となるのは容易ではないだろうが、チームには最善を尽くした準備をして開幕を迎えてもらいたい。新鮮な力が多いからこそ可能性も無限に広がるのだから。
開幕まではカウントダウンは始まっている。両チームの今季の健闘と成功を期待してやまない。
以上
2008.02.25 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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