2月24日(日) 2008Jリーグプレシーズンマッチ
岐阜 0 - 1 名古屋 (13:35/長良川/10,427人)
得点者:20' ヨンセン(名古屋)
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ついに歴史の1ページが開かれた。岐阜初のプロチームが、岐阜の地でJ公式戦を行った。初の『木曽川ダービー』を見届けようと、会場には開門前から長蛇の列が出来、最終的には10,427人もの観衆が詰め掛けた。
名古屋の注目はストイコビッチ監督が掲げる、全体が流動的に動いてボールを運んでいくサッカーが実践できるかにあった。立ち上がりから、風上に陣取った名古屋は鋭い出足からパスを小刻みに繋いで、岐阜を圧倒。山口、小川のダブルボランチが軸となり、ワンタッチ、ツータッチの少ないタッチ数でパスを繋ぐことで、相手守備陣のマークの歪を生み出して、次々とチャンスメークしていく。5分には左からのクロスに、DF吉田が抜け出し、決定的なシュートを放つが、これはバー直撃。6分には左MF深井のチャンスメークからヨンセンと玉田が続けて狙うが、これもゴールならず。10分には右サイドのヨンセンのパスを、ゴール前に飛び込んだ小川が狙うが、これはDFのブロックに合う。
名古屋の猛攻が実ったのは20分のことだった。右サイドを突破した右MF片山がそのまま中に切れ込むと、寄せてきたDF奈須に倒されPKを獲得。このPKをヨンセンが冷静に決めて、押し込んでいた名古屋が先制に成功する。これで流れは一気に名古屋に傾くかと思われたが、あれほど流動的だった攻撃がぴたりと止まってしまう。ダブルボランチにボールが入らなくなり、攻守のバランスが崩れ始める。反対に岐阜にとっては、中盤にスペースが出来たことで、徐々に小島、北村のダブルボランチが自由にボールを持てるようになり、彼らが中継点となってようやく攻守が噛み合うようになってきた。
名古屋がやりたかったことを岐阜がやり始めたことにより、試合展開は徐々に変化していく。23分には右サイドから切れ込んだMF嶋田のドリブルシュートで名古屋を脅かすと、31分には右CKからDF川島がヘッドで狙うが、これも僅かゴールの外。32分には小島のドリブルから左の高木へ展開し、高木のクロスからチャンスを生み出すが、これはシュートに結びつかなかった。攻勢に出る岐阜に対し、名古屋は徐々にDFラインが下がり始め、ボールの奪いどころが低くなり、深井や玉田、ヨンセンの2トップが孤立し、劣勢を強いられた。
1-0で迎えた後半も、ダブルボランチと高木、嶋田の両サイドを起点に攻める岐阜は、53分に左サイドをえぐった片桐のマイナスの折り返しを中央で受けた嶋田が、PA内で倒されて、PKを獲得する。同点に追いつく最大のチャンスだったが、これを小島宏が痛恨の失敗。その後試合は落ち着きをみせ、その後は両チームともチャンスこそ作るが、フィニッシュの精度を欠き、スコアを動かすことは出来ず。試合は1-0のまま終了し、名古屋がJ1の面目を保った。
しかし、名古屋は勝利したものの、得点はPKによる1点のみで、反対に相手にPKを献上したり、チャンスを作られるなど、いつ点を入れられてもおかしくない展開だった。中盤は藤田、中村、マギヌン、吉村を怪我で欠いていたとはいえ、小川、山口、片山、深井と駒は揃っていた。だが、時間が経過するごとに機能しなくなり、全体的に連動性の乏しいサッカーとなってしまった。
試合後、ストイコビッチ監督は「岐阜とのプレマッチで我々にとってもテストだった。ハードな試合となったけど、結果が付いてきたので、いい形で終われたと思う」と一定の評価を与えたが、不安要素が残ったのは否めず、開幕までの2週間で不安要素をどこまで修正できるかがポイントとなってくるだろう。
一方の岐阜は負けはしたものの、失点してからの建て直しは明るい材料となるだろう。同点にするチャンスを作ることは出来たし、新加入の嶋田、片山は積極的にチャンスに絡み、途中出場の大卒ルーキーの菅も即戦力となりうる働きを見せた。「キャンプで実践を重ねてきたことで、共通理解が深まってきた」と松永監督も語ったように、J2を戦っていく上で、収穫ある一戦となった。
こうして幕を閉じた『木曽川ダービー』。次、この対決が実現するのはいつの日になるのか。近い将来なのか、遠い将来となるのか。願わくば、J1のステージでの実現を夢見て、両チームはそれぞれの戦いに挑んでいく。
以上
2008.02.25 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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