3月20日（木）J2 第3節 徳島 vs 愛媛（16:00KICK OFF/鳴門大塚）
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開幕戦では、Jファーストマッチとなった熊本をホームで破り『先輩』の面目を保った愛媛。しかし前節は、初対戦となった広島との「瀬戸内ダービー」で0対3の完敗。長年コーチや選手の交流が続き、愛媛にとっては『大先輩』に当たる広島とようやく同じ舞台で戦うことはできたが、「スコア通りの実力差だった」と望月監督に言わしめる結果となってしまった。

それでも、ボランチ青野が「クロス、シュートの質では確かに差があったが、チームとしてやっていけると感じた」と振り返ったように試合後、愛媛の選手達が口々に語ったのは確かな手ごたえ。前半は精度の高い広島のロングボールに対してマークがズレてしまう場面もあったが、後半にはしっかり修正。熊本戦でもハーフタイムにポジションを修正し、後半には攻撃を機能させたように、ピッチ上での戦術理解度は昨季のこの時期と比べても間違いなく今季の方が高い。昨季も第2節で東京Vに3失点(1-3)、第6節の仙台戦で4失点(0-4)と失点を重ねてしまったが、前節の広島戦はゲームを壊すような内容ではなかった。それはシュートやコーナーキック、フリーキックの数では全て広島を上回っていたという数字も証明している。

「プロとして結果にこだわることはもちろん、内容をもっと高めていきたい」と既に望月監督は次の戦いを見据えているが、開幕から２戦を終えた今、さらに重要な意味を持ってきたのがこのライバル徳島、草津との連戦。まず徳島戦ではしっかりと結果と自信を掴みたいところだが、そのためにはこれまでに出た課題の修正が必須となる。

まず、攻撃面では「FWとの距離が遠く、サポートが遅れた」(キムテヨン)、「若さん(FW若林)頼みのロングボールにもうひと工夫が必要」(井上秀人)という課題を整理して、攻撃に厚みを増すことができなければ「守備の粘り強さがベースであることは昨季と変わらない」(望月監督) 徳島のゴールを割ることは難しいだろう。
また、守備に関してはFWドゥンビアやMF玉乃、甲府戦で途中出場のMF片岡らの縦への突破には広島戦以上に高い集中力が求められるし、ラフに放り込まれた時のセカンドボールへの対応は今度こそ高い意識を持って競り勝ちたい。「もっと気持ちを出さないと、こぼれ球も自分達の方に転がってこない」とDF星野が気を引き締めるように、この徳島戦こそ今季チームが掲げる『STRONG WILL　揺るぎない意志』が試される試合になってくる。

その点では、「徳島、草津との対戦になればモチベーションは上がってくる」という井上ら、何度もダービーを戦ってきた選手はもちろん「栃木SC時代に歯が立たなかったイメージがあるので借りを返したい」と語る若林や、「徳島はライバルで、勝たなければならない試合だということはチームメートから聞いている」キムテヨンらのように、今回初めてダービーに臨む選手達もこの一戦に対する士気は高まっている。

Jでの1シーズン目は愛媛が、そして昨シーズンは徳島が初戦をモノにし、シーズンの勝ち越しも手にした四国ダービー。今回の対戦が今季のダービーの行方を左右することはもちろん、愛媛にとっては内容を高め、結果を手にして自信を深めることができるのか、このダービーが今季序盤戦をも占う大一番になりそうだ。

以上

2008.03.18 Reported by 近藤義博