今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【AFCチャンピオンズリーグ 鹿島 vs ナムディン】レポート:前半は苦戦も、本山の個人技を皮切りに、6得点勝利。ACL序盤2連勝で、1次リーグ突破は北京国安との一騎打ちに!(08.03.20)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月19日(水) AFCチャンピオンズリーグ
鹿島 6 - 0 ナムディン (19:00/カシマ/7,087人)
得点者:26' 本山 雅志(鹿島)、49' 本山 雅志(鹿島)、58' マルキーニョス(鹿島)、68' マルキーニョス(鹿島)、74' 田代 有三(鹿島)、93' ダニーロ(鹿島)

----------

 「前半は普段しないようなミスをしていた。集中力を欠いたと取られてもおかしくない多さだった。もう少し厳しくやるべきだった」と岩政大樹が反省の弁を口にするように、前半の鹿島アントラーズは明らかに動きが重かった。3月8日のJ1開幕・コンサドーレ札幌戦から11日の間にタイ遠征を含む4試合という過密日程は、やはり選手たちにとって大きな負担になったのだろう。自陣に引いて守るナムディン相手に流れをつかめず、序盤からイライラする状況が続いた。

 これを打開したのが、エースナンバー10・本山雅志だ。「後ろに1人走っていたんで、トラップしたら打ちやすいボールになった。そのまま蹴ったら入った」という浮き球のシュートが枠を捉え、前半26分に待望の先制点が生まれる。後半立ち上がりにも彼の切れ味鋭いドリブル突破から2点目が入り、相手の守備も崩れた。その後はマルキーニョスが2点、田代有三が1点を追加。途中出場のダニーロもダメ押し点を奪い、最終的には6−0。鹿島が力の差を示す形になった。
 この結果、2008年アジアチャンピオンズリーグ(ACL)F組は鹿島と北京国安が2勝で並んだ。両者の一騎打ちの展開になったわけだ。4月にはその相手とのホーム&アウェー2連戦がある。ここで一気に相手を突き放し、準々決勝進出を現実にしたい。

 札幌戦以降、公式戦3連勝と好調なシーズンの滑り出しを見せていた鹿島。だが16日のJ1第2節・東京ヴェルディ戦(2−0で勝利)から19日のACL1次リーグ第2戦・ナムディン戦までは中2日しかない。オズワルドオリヴェイラ監督は「ホームだし、気候にも芝生にも慣れている。この試合が終われば次のリーグ戦まで10日前後空く。ここで力を出し切ることが大事」と話していたが、果たして選手たちの気力・体力が最後まで持つのか。それが1つのポイントだった。

 鹿島のスタメンは12日のクルンタイバンク戦、東京V戦と全く同じ。「できるだけ同じメンバーで連携向上やイメージの共通化を図り、チームを熟成させたかった」という狙いを持って、指揮官はベストイレブンを送り出した。対するナムディンは5−4−1。1トップを残して10人は自陣で引いて守るという超守備的布陣で挑んできた。

 立ち上がりの鹿島はそんな相手を攻略しきれず苦しんだ。「相手がしっかり守ってきたのに中を崩しすぎてうまくいかなかった」と本山も話したが、確かに「中へ中へ」と意識が偏る嫌いがあった。これに気づいた小笠原満男がサイドを使って攻めようと指示。少しずつ修正されていったが、それ以前に選手たちの動きが散漫で、イージーミスがあまりに多かった。日本代表に名を連ねる右サイドの内田篤人もトラップミスからボールを外に出すなどいつものキレが見られない。「今日のようなプレーだと恥ずかしい」と本人も自戒を込めて話していたほどだ。

 このまま点が入らなければ悪循環に陥っていたところだったが、それを断ち切ったのが本山の際立った個人能力である。前半26分の先制点もマルキーニョスからパスを受けた瞬間、相手DFの位置を瞬時に察知して反転し、そのままループシュートを放つという高度な技術から生まれたものだ。膠着していた時間帯だっただけに、彼の先制点がどれだけチームを救ったか分からなかった。「もっともっと外から崩そう」と意思統一し、迎えた後半開始早々の4分にも本山が2点目を奪う。これも左サイドをドリブルで突進し、寄ってきた相手DFを抜き去ってシュートした形。ドリブルという「伝家の宝刀」を持つ彼ならでは見事なゴールだった。

 ナムディンといえども、2点を失ったらベタ引きの守備をしているわけにはいかない。選手交代をしつつ反撃に打って出たが、逆に守りが崩壊してしまう。そのスキを鹿島は見逃さない。後半13分にはワンツーから右をえぐった野沢拓也からの折り返しをマルキーニョスが完全フリーでヘッド。3点目を決める。さらに後半23分には、ボールを奪った小笠原からパスを受けた内田が精度の高いクロスをゴール前へ送る。これを再びマルキーニョスが頭で合わせて4点目をゲットした。

 ブラジル人FWは札幌戦から4試合通算8得点と怒涛のゴールラッシュを見せている。「今日は真ん中に沢山人がいたので、後半はサイドに流れる動きを増やした。それで中央にスペースが生まれ、他の選手が飛び込む回数も多くなった。周りのサポートがあるから毎試合ゴールにつながっている」と絶好調のエースストライカーは笑顔を見せた。
 こうなると2トップのもう1人、田代にゴールの期待がかかる。ヒザの負傷や疲れで前半から動きが今ひとつだった彼だが、後半29分に野沢の右CKをニアサイドで合わせ、ようやく1点を決めた。「サポーターがずっと僕のコールをしていたんで、決めた時はほっとしました」と本人も安堵感を露にした。

 終盤には負傷して長期離脱していた興梠慎三が今季初出場を果たし、東京V戦で試合の流れを大きく変えたダニーロがダメ押し点を奪うなど、交替選手もまずまずの活躍をした。誰が出ても同じクオリティをキープできるのが今の鹿島の強味だ。「我々の選手たちは個々の能力が高く、規律を守り、高いモチベーションを維持している」とオズワルドオリヴェイラ監督も選手たちを絶賛していた。

 これでJ1・ACL序盤戦4連勝。4試合通算21点を挙げている攻撃陣も絶好調だ。「でもまだACL2試合だし、J1も昇格組に勝っただけ。これからもっと強い相手が出てくる。そこで僕らの真価が問われる」と岩政も気を引き締めていた。4月には北京国安との決戦に加え、J1では浦和レッズやガンバ大阪との直接対決がある。今月30日までのインターバルを最大限有効に生かし、まずはチーム状態をベストに整えることが肝要だ。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着