3月23日(日)J2 第4節 横浜FC vs 鳥栖(13:00KICK OFF/ニッパ球)
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2006年に横浜FCがJ2優勝を決めた試合の対戦相手は、サガン鳥栖。その翌年から岸野体制となり熟成されてきたチームは、今年のJ2の台風の目となりつつある。そのサガン鳥栖を、聖地ニッパツ三ツ沢球技場に迎える。
横浜FCは、開幕戦、第3節のアウェイのゲームは、立ち上がりから相手の出足の良さに主導権を奪われている。開幕戦は、山田とアンデルソンのファインゴールで勝利を収めたものの、前節はピッチコンディションが悪い中、引き分けという最低限の結果に留まった。
草津戦の前半は、ピッチコンディションを考え、まずは失点をしないサッカーに徹した。草津にボールを支配されるものの、ゴール前とバイタルエリアではしっかりとブロックを作り決定機を作らせないサッカーは、典型的なアウェイの戦い方。その戦い方をしっかり遂行しながら、相手に疲れが出てくる前半終了に掛けて、何度か自ら仕掛けるなど、そつの無い戦い方を見せた。
そして、後半に入ると、アンデルソンを使いながらサイドに起点を作る本来のサッカーで攻撃を仕掛け始めるが、前半である程度自信をつかんだ草津の出足は衰えず、1節、2節とめざましい活躍をしていたアンデルソンが厳しいマークにあったため、狙いの形が出せなかった。結果としてドローに終わる。「アウェイでの勝点1ということは評価している。終始リズムを握られた中でも、粘り強く戦ってくれたことを感謝したい」と都並監督が述べているように。厳しいJ2の戦いを考えた時、評価すべき結果ではある。しかし、内容についてはまだまだ課題が多い。
都並監督は「J2の戦いは試合をする毎に相手を研究して、弱いところを突いてくるので、そこに対してしっかりとレベルアップする必要がある」と述べている。草津戦では、アンデルソンに対する厳しいマークと、サイドの起点に対するプレッシングに苦しんだ。アンデルソンがマークされていても中盤で起点を作ることの重要性も述べており、今後の横浜FCの躍進の鍵になってくる。ここで、鍵となるプレーヤーのはボランチのエリゼウ。すでに守備での貢献が目覚ましいが、「まだ攻めに関してミスが多い。ただ、まだ6割ぐらいの出来。慣れればもっとできる」と、都並監督の期待は高い。今節のサガン鳥栖戦はホームだけに、エリゼウを中心に第2節湘南戦で見せた積極性を取り戻し、本来のサッカーを見せつけて勝利したい。
対戦相手のサガン鳥栖は、第2節が休みだったため、消化した試合はまだ2試合だが、2連勝を果たしており好調だ。しかも前節は昇格候補のセレッソ大阪を積極的な試合運びで破っている。「主導権を握る展開でゲームをしないと勝ちは続かない」と岸野監督は課題を述べるが、結果を残していることは事実で、自信をもって横浜に乗り込んでくることは間違いない。鳥栖の持ち味である積極的なプレッシングは大きな脅威であり、横浜FCは草津戦の二の舞いを演じることになるかもしれない。横浜FCに比べて日程が詰まっていないことも、選手の疲労の面では有利に働くだろう。
都並監督が述べるように、お互いに相手チームへの研究が進み、持ち味を封じる試合展開になることが予想される。鳥栖の運動量とプレッシング、横浜FCのサイドを中心としたビルドアップのどちらがうまく表現されるのかに注目したい。
まだ3節終了段階だが、順位表をながめると、波に乗れているチームとそうでないチームの明暗がはっきりしているように感じられ、またJ2というリーグはチーム間に実力差がほとんどないことを再認識させられる。課題を抱えながらも結果を残しているチーム同士の対戦だけに、波に乗り続ける資格を得るのは、どちらのチームか。激しいゲームになることは必至だ。
以上
2008.03.21 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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