5月3日（土）J2 第11節 鳥栖 vs 水戸（13:00KICK OFF/ベアスタ）
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戦うもの同士、求め合う結果は勝利。勝点３を得るために、死力を尽くす。
得点を奪うためにシュートを放てば、入れられまいとブロックする。
相手より、得点が上回れば勝点３を得るし、失点が上回ると勝点の上積みはできない。
得点が上回るためには、失点はそれより少なくしなければならない。

第１１節ベストアメニティスタジアムで行われる鳥栖対水戸。
共に前節まで６試合連続失点中である。
共に前節では３失点を喫し、完敗の内容だった。
その敗戦を今節まで引きずるわけには行かない。
共に持ち味を出し切って、勝利を目指す。

鳥栖は、前節仙台に５７分にＣＫから得点を許してしまうと、７３分にもＣＫから追加点を奪われた。失点するまでは、仙台のペースで試合を進められても、要所でシュートをブロックして耐え続けていた。しかし、失点後は流れを取り返す間もなく、終わってみれば無得点で３失点と失点が大幅に上回った。
水戸も先制された中で４０分に追いついたが、７６分、８９分と追加点を奪われ、こちらも３失点と岐阜に苦汁をなめさせられた。両チームとも先制点を奪われ、勝つためにより大きな力を出さないといけない状態に陥ってしまった。両チーム共にいえるのは、後半の失点が多いこと（時間帯別得失点）。前半に失点を抑えても後半に先制を許す、もしくは追いつかれてしまうことである。裏を返せば、失点さえなくせば勝てるという、当たり前の事だけが言える。

「無失点で耐えて、先制点を奪う」（岸野監督/鳥栖）サッカーは、鳥栖が標榜しているサッカーである。しかし、狙いとは裏腹に失点が続いている。前節からの修正点は、「攻撃的な守備」の復活と「セットプレーの対応」の２点に尽きる。「攻撃的な守備」では、ＦＷから最終ＤＦラインまでの連動性を再確認する必要がある。センターバックに入る飯尾は、「後ろからの指示を徹底していく」と意気込みを語ってくれた。コンビを組むのは、柴小屋。「出場停止などでチームに迷惑をかけた分、水戸戦では必ず還元する」とこちらも意識は高い。センターバックの守備の意識が高ければ、ボランチに入る衛藤と高橋も、攻撃的（高い位置から）に守備をかけることが出来る。最終ＤＦにこの２人が吸収されるような事態を招かなければ、攻撃力は大幅にアップする。リーグ１４位の得点だが、最少得点差で勝ちきれる可能性も大幅にアップする。

対する水戸は、昨年までのサッカーから大きく変化している。その変貌ぶりは、シーズン開始から前節までは変わっていないように見える。最大の変貌は、西野と荒田を擁する攻撃陣にある。この２人での９得点は、チーム総得点の７５%に当たる。高さとスピードのある西野をターゲットに、強さの荒田が前線をかき乱し始めると、水戸の強さが際立ってくる。椎原からのクロスで、前節は唯一の得点を荒田が決めている。サイドを絡めたポゼッションが、水戸の攻撃のポイントと言えよう。

前節は共に自分たちの形を作ることができなかった。前節からの修正時間は短いが、課題は明確だったために対応は出来ていると思われる。その中で、問われるのは勝利への執念。攻撃と守備の状況が頻繁に切り替わるサッカーでは、集中力を持続させることが肝要である。その集中力を瞬時にでも切らしてしまうと失点の可能性が大きくなる。今節のベストアメニティスタジアムほど、先制点が大きな意味を持つ対戦は見られない。

勝点３を得るためには、相手より得点が上回るか、失点が少なければよい。
試合は、得点も失点もゼロから始まる。
先制点が入ると、相手チームは２得点を取り返さなければならない。
得点機会が少ないサッカーの試合では、その１点の重みを楽しむことが出来る。
サッカーに、一発逆転という勝利はない。
サッカー観戦には、忍耐も必要だ。

以上


2008.05.02 Reported by サカクラゲン