5月17日（土）J1 第13節 鹿島 vs 柏（16:00KICK OFF/カシマ）
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鹿島アントラーズにとって苦かった時期がようやく終わろうとしている。今節を最後にJリーグは一時中断。来週のアジアチャンピオンズリーグ予選が終わると、チームはしばらく休養に入る。どこかしら痛めている選手ばかりのチームは、「鹿島らしい試合」が出来ずに苦しんでいる。

特に、苦しい状況でもなんとか結果に繋げてきた「らしさ」が、このところ影を潜めている。試合終盤の体力的にキツイ時間帯を守りきる堅実さ。厳しい試合展開でも勝点を奪うことのできるセットプレーの正確さ、などなど。今季、ホームで負けていないものの、神戸戦のように内容的には完全な負け試合もあった。6試合連続で勝点3を奪えていないことで、首位浦和との勝点差は6（ただし鹿島は一試合少ない）。まだまだ序盤戦とはいえ、堅実な試合運びができている浦和との勝点差をこれ以上離したくない。

中断前の最後の試合をすっきり勝ちたい鹿島だが、問題をいくつか抱えている。まず、翌週の水曜日には、ACL決勝トーナメント進出をかけナムディンとのアウェイ戦が控えていること。現在、マルキーニョスが水曜の試合に向け調整中だが、前節に復帰した内田篤人も腰の状態が完調からは程遠い。ACLに向けて温存される可能性もある。
また、ここ数試合、攻撃に迫力を欠いている２トップと、前の２枚のミッドフィルダーについては、誰が先発するのかわからない状態だ。紅白戦では、本山・野沢に代わり増田・ダニーロが先発組で起用された。ここ数試合、途中交代が多い本山のパフォーマンスには、監督も満足していないのかもしれない。チームを牽引すべき選手なだけに奮起がのぞまれる。

対する柏は、目下3戦連続完封勝利中。試合内容が伴わなくとも勝利に結びつけられる好調さを維持している。F東京戦で頭を強打し、別メニューで調整していた古賀も出場できる状態まで回復。正ゴールキーパーのポジションを南から奪った菅野とともに、柏守備陣をまとめる選手なだけに先発での出場が期待される。さらに好調なチームに、出場停止明けの李忠成が戻ってくる。出場できない間にチームが連勝していたこともあり、メンバーをいじらずに行くのか、それとも李を起用するのか、石崎監督のプランが注目されるところだ。

現在の状況が対照的な両チーム。ただし、ここ数年の結果では鹿島が圧倒している。2003年の1stステージから8戦連続勝利中。ホームゲームでの対戦に限ると、2000年の2ndステージから7試合負けていない。昨シーズンも、チームの大黒柱である小笠原が累積警告で欠場するという苦しい状況のなか、代役として出場した船山がゴールを決め鹿島が7連勝を飾った。

鹿島はカシマスタジアムにおける公式戦で現在18勝2分け。今節で21戦負け無しの新記録樹立がかかっている。対戦成績でも圧倒しているが、オリヴェイラ監督は「選手が替わっても戦い方が変わらない。タフな試合となるだろう」と気を引き締めた。
柏にとっても、上位チームに入って、リーグ中断を迎えることは大きな自信となる。負傷でブラジルに帰国していたフランサもチームに合流し、中断明けには万全のコンディションに整えてくるだろう。両チームにとって、良い雰囲気でリーグ中断を迎えるためにも負けられない試合だ。

試合当日は、「鹿島アントラーズファミリーJoinデイズ」としてイベントが開催。予報も晴天であるため、ぜひスタジアムへ。

以上


2008.05.16 Reported by 田中滋