5月17日（土）J1 第13節 磐田 vs Ｆ東京（14:00KICK OFF/ヤマハ）
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　お互いに2連敗中の磐田とF東京。これ以上の連敗は何としても避けなければいけない状況で、相手の手の内がよくわかっている同士が戦うゲームは、やりやすさと難しさの両方が絡み合う戦いになるだろう。

　磐田とF東京は、今年に入ってすでにナビスコカップ予選で2回対戦している。結果は、磐田ホームでF東京が2-0で完勝、F東京ホームでは磐田が土壇場で追いついて1-1の引き分けだが、内容的にはどちらもF東京が優位なゲームだった。システム的にも、4-5-1の形をとり、後方からの飛び出しが活発なF東京に対して、3-5-2の磐田は少しやりにくそうにしている面もある。
　ただ、この2試合でお互いに相手のやり方はよくわかっているはずなので、磐田がどうF東京のサッカーに対応するかというのは、まず最初の注目点となるだろう。F東京がカボレの1トップできた場合、それによって磐田の3バックのうち2枚が余るような状況が多くなると、逆に中盤で数的不利になり、F東京の両サイドバックに攻撃参加されて押し込まれるような状況も出てきてしまう。
　とくに今回は、DFラインで欠かせない存在となっている加賀が出場停止（警告累積）で、ベテランの茶野と鈴木も足に痛みを抱えて出場が微妙な状況にある。もし、3人とも出られないという状況になると、大井と森下が田中の両脇に入る形になり、とくに出場経験が少ない森下（出場すれば公式戦今季初）が臨機応変に対応できるかどうかが、大きなポイントになりそうだ。また、その場合はリベロの田中やGK川口の統率力も問われることになる。

　ただ、磐田の攻撃面に関しては、良い材料も出始めている。新潟戦は無得点に終わったが、後半15分に前田が入ってからは、攻撃のリズムはかなり良くなり、加賀が退場するまでは試合の主導権を奪い返すことができていた。今節では、その前田が先発出場する可能性もあり、肩を痛めて離脱していたジウシーニョも戦列復帰の可能性が高まっている。
　前田自身のプレーぶりも、川崎F戦に比べて新潟戦はかなり良くなっており、やはり彼が本領を発揮してくれば、磐田のサッカーは変わってくる。その意味では、いかに前田に対して良い形で縦パスが入るかどうか、そして前田がそれをしっかりとキープして、味方の攻め上がりを引き出せるかどうかが、大きな注目点となる。
　前田のポストプレーに好調な西やジウシーニョが精力的に絡んでいく場面が、この試合で何度か見られるようになれば、新しい磐田の形というのも垣間見えてくるだろう。

　対するF東京のほうも、名古屋と柏に連敗したが現時点でまだ4位（6勝2分4敗）におり、これ以上失速することはできない。ここ2戦で1点も取れていないが、チームとしての組み立てがとくに悪くなっているというわけではない。城福監督が「（最後のところでの）質を上げないといけない」と言うように、崩しの部分やフィニッシュの部分でのアイデアや精度という面を意識しながらの戦いとなるだろう。
　もちろん、アウェイではあるが負けられないゲームだし、チームの合い言葉である「ムービングフットボール」で攻撃的な戦いを仕掛けてくるはずだ。こちらも相手の手の内はわかっているだけに、どのような形で磐田の守備を攻略しようとしてくるのかという点にも注目したい。

　前回のホームゲーム・川崎F戦で1-4の大敗を喫した磐田としては、サポーターのためにも何としても勝ちたい一戦。むずかしい状況での戦いになることは間違いないだろうが、それでもしっかりと勝ちきる底力を見せたいゲームでもある。

以上