5月18日（日） 2008 J2リーグ戦 第14節
仙台 3 - 2 山形　（13:04／ユアスタ／16,931人）
得点者：18' 秋葉勝（山形）、39' 長谷川悠（山形）、51' 平瀬智行（仙台）、80' 梁勇基（仙台）、84' 佐藤由紀彦（仙台）
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーＪ -
----------
●手倉森誠監督（仙台）：

「最後の最後に勝てて良かった、というのが本音。90分を通して、だめなサッカーといいサッカーの2つをやってしまったという感想だ。ハーフタイムで喝を入れたが、喝を入れて初めて目を覚ましたチームを見れば、まだまだ成長過程にあるチームだと実感したゲームである。
　ただ、今本当に良い流れできているところに黒星がつかなくて良かった」

Q:ハーフタイムに出した指示はどういうものか？
「仕掛けていない、と言った。スペースにも仕掛けてないし、ドリブルでも仕掛けていないし、ポジショニングでも仕掛けポジションを取っていなかった。
　今回は仙台らしく前半から翻弄して戦いたいとみんなで言い合っていたが、動いていない選手へのパスが多くて、逆に（山形の）シンプルな背後へのパスで、こちらが堅くなってしまった。
『自分らしさを出そう』と言ったし、ダービーでこのような負け方はしていられないということもある。あとは、昨日のJリーグで、２−０からひっくり返した大宮の話もした。『昇格するチームなら、2点差くらいひっくり返して帰ってくるように』ということも言った」

Q:その喝が入ったことで動けるようになった選手達を見ての印象は？
「喝を入れ続けないといけないと思った（笑）。仕掛けの部分が随分変わった。ドリブルで仕掛けるようになったし、そうなったときに相手が多くファウルをするようになったということは、仕掛けがあるからこそ相手にレッドカードが出るようになったということだ。
　立ち上がりからそれをできるようにならないといけないし、昇格が決まるゲームのような雰囲気でのプレッシャーの中で、今日のような入り方をしては勝点は取れないと思うから、いい経験をした」

Q:成長過程のチームという印象を持ったとのことだが、今日のゲームで成長を感じた部分にはどういうものがあったか？
「０−２のビハインドをひっくり返したということは、彼らの力だ。でも勝ち続けるチームというものは、水戸戦もそうだが、90分のうち半分で仕事ができないチームではいけないと思った。ひっくり返したことが彼らの力となって、自信にしてくれて、次の試合へといいように進んでいければと思う」

Q:山形の小林監督との対戦を実際にしてみての感想は？
「昨日の夜までは本当にリラックスしていたが、今日の朝になってミーティングが終わってから非常に緊張してきて、それは小林監督のためかと思うようになった。実際にピッチに出て、いよいよ始まるという時に、いろいろ小林監督と過ごしてきたことも変に思い出してしまって、一瞬だけ集中できなくなりかけたところもあった。
　実際に戦って０−２にされたときは、さすが堅いチームを作ってくるなと感じていたが、このままでは自分としても『師弟対決はやっぱり師匠が勝つ』ということのままではいけないので、後半は反撃しないといけないと思った。
　ひっくり返した時には、小林監督と戦ったのだと感じたところで、大分時代に経験してきたことが頭を巡って、少しうるっときた」

Q:小林監督が「やられた、という感じでした」とコメントしていたが？
「対戦相手の監督に、またヘッドコーチ時代のように、試合で教えられた。ゲームの入り方のところで、本当に手堅いチームを作ってきたと、ゲームで教えられた。また感謝しないといけない」

Q:試合後、勝利を確信した時の涙はどのような気持ちから出たものか？
「やはり、前半が終わって泣いていた選手が一人いたし、自分のミスだと感じていたその選手をみんなでカバーして取り返しに行こうと話をしていた。個人のミスを全員で取り返したということを考えると、このチームはまとまることのできるチームだと感じた。そして、小林監督と対戦していろいろ思い出したことで涙が出た。
　勝ち方としても劇的だったが、あまりこういう試合はしない方がいい」

Q:ハーフタイムに、守備のやり方について具体的な修正の指示は出したか？
「守備面でやられたことについては、相手が（何がいけなかったのかを、失点という形で）教えてくれた。2点取られたことにおいて、自分達でやられたことを知っているわけだ。だから今日、ハーフタイムで（あえて守備の問題を）掘り下げることはしなかった。2点を取られた守備のことを言うよりも、点を取りにいくことの方を言わなければいけなかったので、とにかく自分達らしくよく動くように言った。取られ方についてはみんな、自分自身でわかっていたわけだから、選手達は自ら修正できる」

以上