5月21日(水) AFCチャンピオンズリーグ
ナムディン 0 - 4 鹿島 (19:00/ハノイ/1,200人)
得点者:28' 田代有三(鹿島)、48' 興梠慎三(鹿島)、75' 本山雅志(鹿島)、88' ダニーロ(鹿島)
-ACL特集コーナー-
★鹿島、浦和、G大阪のACL決勝トーナメント出場を受けてWEBサイトJ's GOALでは、5月24日にACL決勝トーナメント組み合わせ速報を実施いたします。
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「目標を達成できた安堵感が大きい」
試合後に岩政が語った言葉が、鹿島の選手の率直な気持ちなのではないだろうか。クラブ史上初のACL決勝トーナメント進出を決めたにも関わらず、多くの選手に、はじける笑顔はなかった。ひとつには、ナムディンに勝利しさえすれば、決勝トーナメント進出が確実だったこともある。試合自体、点差をつけることが出来たため厳しい試合ではなかった。だが、それにも増してチーム全体が満身創痍の状態だったことが、安堵感につながったのだろう。
試合前からスタジアムは微妙な雰囲気だった。およそACL決勝トーナメント進出がかかった試合とは思えない雰囲気。それというのもナムディンのホームスタジアム「Thien Truong Stadium」がACLの規定により遠すぎるということで、ハノイ市内のミー・ディン・スタジアムに会場が変更されたことが大きく影響した。ナムディンの地元ではないこともあり、スタジアムに訪れた観衆は500人あまり。FIFAのアンセムが会場に流れても、高揚感や緊迫感が張りつめることはなかった。
ミャンマーの被災者に黙祷が捧げられてからキックオフした試合は硬直状態から始まった。ナムディンの布陣は5-1-3-1。攻撃となっても5バックはほぼ自陣に残ったまま。鹿島はサイドから攻撃を仕掛けるが、田代・興梠の両FWがサイドに開いてボールを受けるため、ゴール前に人がいない状態が続く。本来であるならMFの選手たちがゴール前に顔を出す場面なのだが、この日はチームがハノイに入ってからいちばんの暑さとなった。なかなか運動量が上がらずチームの動きは重かった。
そんなチームを鼓舞したのが最年長の大岩。最後尾から積極的に相手選手にプレッシャーをかけ、声でも前の選手たちの奮起を促す。また、キャプテンの小笠原が動きの乏しい前線の選手たちに大きな身振りで、ディフェンスラインの裏側に抜け出るよう動きを続けることを求めた。するとその直後の28分、ラインの裏に抜け出た田代に小笠原から浮き球のスルーパスが出る。田代がこのチャンスを落ち着いてゴールに流し込み鹿島が先制点を奪った。この得点でチームはペースを握り、ゲームをコントロールすることが出来るようになった。
後半開始から、5バックだったナムディンは外側の2人のDFの選手を積極的に攻撃参加させる。しかし、それは同時に鹿島にとってもスペースができ、チャンスが増えることを意味した。48分、すぐさまそのチャンスを結果に結びつける。新井場が左サイドからディフェンスを抜ききらずにセンタリング。キーパーとディフェンスの間に落ちる絶妙のセンタリングに興梠が頭で合わせる。一度はセーブされてしまったものの、跳ね返りをすばやく左足でゴールへ流し込み追加点を奪った。
75分には右サイドを青木が突破、グラウンダーのセンタリングが走り込んだ本山の前にこぼれ、3点目。試合終了間際には、ダニーロが個人技で相手ディフェンスラインを突破し4点目。順調に得点を重ね、危なげなく試合に勝利した。
同グループでライバルと目されていた北京国安が、同時刻に行われていた試合(@タイ)でクルン・タイバンクに対して前半で3失点。北京国安以外の2チームに対し、鹿島は大量得点で勝利することが出来たが、それが簡単ではないことがこの結果からもよくわかる。チームが傷だらけになりながらも予選突破を成し遂げたことは、大きく評価されて然るべき。
ただ、この日も興梠が相手選手の手が顔面に当たり鼻骨が陥没する骨折を負ってしまった。今回、帯同できなかったマルキーニョスをはじめ、内田や小笠原など、怪我を抱える選手は多い。特に、主将の小笠原は、本来なら試合に出られる体調ではなかっただろう。前日練習で、とりあえずボールを蹴ってはいたが、全力ダッシュすることは出来ていなかった。試合前、監督が関ドクターに「小笠原は本当に大丈夫なのか?」と確認するくらいのコンディションだった。
だが、試合になればさすがの存在感。セットプレーを蹴ることは回避していたものの、先制点をアシストするなどチームの柱としてゲームをコントロールした。戦術的にも精神的にもチームにとっては不可欠な選手。リーグ中断期間のオフと合宿でもう一度コンディションを整え、シーズン前半のような鹿島が理想とするサッカーを取り戻してほしい。
ベスト8が出揃ったACL。Jリーグから3チームが残るというすばらしい結果となった。準々決勝は9月に行われる予定で同一国同士の対戦はない。対戦相手が決まる抽選会は5月24日に予定されている。
以上
2008.05.22 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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