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【J2:第21節 甲府 vs 山形】レポート:雨が降っても甲府の夜空は輝く。山形の連勝を止めた第21節は、甲府の08シーズンの本当のスタートになった。(08.06.22)

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6月21日(土) 2008 J2リーグ戦 第21節
甲府 1 - 0 山形 (18:33/小瀬/8,360人)
得点者:21' 林健太郎(甲府)
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーJ -
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山形戦は最後のチャンスだった。
「前(第1クール)は内容がいいときに勝てなかったけど、今は内容がいいときに一つ勝てたことが良かった」
 会見後のぶら下がり取材で安間監督が言った。引き分けを挟んで4連敗し、そこからハードワークと切り替えを前面に出して再び立ち上がった甲府。しかし、最初の2試合(広島戦、C大阪戦)は、内容は良くなったが勝てなかった。安間監督は広島戦、C大阪戦、山形戦の3試合に「全て」を賭けていた。それだけに、8試合ぶりの「勝利」がチームに与える効果は、補強でイブラヒモビッチ(インテル)が加入するよりも大きいかもしれない。誰かに頼ったのではなく、自分たちの力で勝ち取った勝利だからだ。

山形は6連勝が幸運から始まった勢いだけではないことを甲府サポーターの前で証明した。自分たちのサッカーを信じて、やり続けることの凄さを感じさせた。「これしかないサッカー」と言えば選手は気分を悪くするかもしれないが、DFの石川からFWの長谷川へのホットラインは必殺の形。その形があるからみんなが信じて反応できる。だから、そこから派生する他の形のゴールも生まれる。少し前までの甲府はゴールの形が見えないまま、ポゼッションするだけで迷走していたが、信じて90分間戦い続ける山形のサッカーが再び立ち上がろうとする甲府の力を引き出してくれた一戦だった。

甲府のゲームプランの柱は山形の石川に対するプレッシャーだった。立ち上がりから大西を中心に石川に圧力を掛け続けた。攻守の切り替えの速さ、粘り強い守備など甲府らしさも発揮したが、守備面では「石川を抑える」という「これしかない」守備をやり続けた。これが出来なければ他でいくら頑張っても、穴の開いた傘を差すのと同じ。このことが山形のストロングポイントを消すことに繋がった。6連勝中は1試合平均15本近いシュートを打っていた山形のシュートを8本に抑えることに成功した。石川を抑えるから、他の場面での粘り強い守備に意味が出る。藤田が防いだ2本のシュートもその粘り強さだった。あれが無ければ山形のシュートは10本になって、得点が2点になっていたかもしれない。

お互いにFWにいい形でボールが入らない立ち上がりだったが、お互いに信じるサッカーをハードワークで表現しており、退屈を感じる暇はなかった。甲府は前線のエンジン・大西の動きが冴えていたから山形の守備のバランスを崩し、甲府の攻撃にはタメも出来た。雨でスリッピーなピッチだったからボールが流れすぎて決定的な形で裏を取る場面は少なかったが、C大阪戦同様にクローズとオープンを使い分けて攻撃の形は様になっていた。大木前監督(現・日本代表コーチ)の「クローズ」に、安間監督が加えた「オープン」が融合していた。前半21分の林のゴールも大西→前田と繋いだ攻撃で手にしたコーナーキックだった。ただ、1−0のまま試合が進んでいく中で、危ない場面もあった。後半4分のFKで宮沢がレオナルドに合わせたボールは決定的だった。オフサイドだったが、こういうシュートが決まるか決まらないかは非常に大きな要素。決まっていれば甲府がもう一度立ち上がることは難しい得点になっていたかもしれない。しかし、信じてハードワークし続けることで引き寄せたものがある。今までは「ちょっとの神様」に見放され続けていたが、今節はようやく振り向かせることに成功した。「ちょっとの神様」は気まぐれだけど、基本的には強いチームが好きだから、暫くはこっちを向いていて欲しい。

82分にピッチに立ち、89分に去った久野。相手との交錯で脳震盪を起こしたからだが、タイトルが懸かった試合のボクサーのように立ち上がって戦おうとする姿は印象に残った(大事を取って一晩入院したが翌朝、無事退院)。痛々しいまでの闘争心。パスの技術に溺れればプレーに隙ができるが、彼のような戦い方が出来ればパスの技術は活きる。まだ、おっかなびっくりでフルアタック出来ない選手がいるのは課題だが、山形戦の勝利は甲府にとって08年の本当の意味でのスタートになった。昇格云々を言えるような順位でも勝点でもない。ここからどこまで行けるか、行けるところまで行くだけのスタート。今、甲府がやることは3つ。90分間ハードワークして、更にハードワークして、終了間際もハードワークすること。試合中だけでなく、ハーフタイムも歌い続けるサポーターのように。この3つが出来ればこれまで積み上げてきたものが発揮できる。そうなれば、雨が降っていても甲府の夜空には星が輝く。6月21日の夜のように。

以上

2008.06.22 Reported by 松尾潤
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