6月29日（日）J1 第14節 Ｇ大阪 vs 札幌（19:00KICK OFF/万博）
-ゲームサマリーはこちら-
-大阪へ行こう！ スタジアムガイドはこちら-
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーＪ -
----------
　G大阪の札幌とのJ1リーグにおける対戦は、札幌がJ１リーグで戦っていた02年以来、実に6年ぶり。しかも過去を遡ってもJリーグでは過去6度しか対戦したことがないだけに、互いの印象はさほど強くはなさそう。

　実際、G大阪の選手たちはスカウティングビデオをまだ見ていない27日の段階では「この中断期間を挟んで新しい選手も入っているみたいだし、正直、あまりどういうチームなのかイメージしにくい（MF橋本英郎）」と話すことが殆ど。但し、「そういった相手だからこそ、探りを入れながら試合に入ってしまうと悪い方向に転ぶ可能性もある」とDF加地亮。「相手のペースにあわすのではなく、あくまでも自分たちのリズムで、自分たちのサッカーを出し切ることを考えたい。京都戦と同じように、難しい試合になるかもしれないけど、守備の意思統一という部分をチームとして徹底できれば勝機はある。内容よりも勝ちに拘った強い姿勢を示す中で勝ち点３を手にしたい」と言葉を続ける。

　そのDF加地の言葉にもあるように、先の京都戦は前半から主導権を握る戦いを展開したものの、決定力不足に泣いたこともあり、なかなか『先制点』を奪えず。苦しい展開の中でMF遠藤が決めて辛勝したが、そうした状況の中でも集中力を切らさず、全員が「まずは守備から」の意識を徹底する中でボールを奪い、攻撃に繋げるという戦いを徹底できたことが、MF遠藤保仁の挙げた『決勝点』に繋がったとも言える。今節の札幌戦も同様に『失点０』ということに対する集中力を全員が保つ中で、得意の人もボールも動くサッカーで札幌ゴールを陥れたい。

　注目はFWバレー。第11節（6/25）では前後半あわせて7本ものシュートを放ちながら枠をとらえることが出来なかったが、この男の爆発がなければ、G大阪のサッカーは完成しない、との考えから、敢えて彼に注目したい。そのFWバレーについて、西野監督は「どうしても前半のチャンスで獲り切れないと、後半、全体の動きの中にあわなくなっていく感じはある。焦りもあるんだろうし、自分の世界に入っていくというか。ただ、身体の向き、裏へ飛び出していく積極性など前半戦に見られなかった変化もある。個人的にもっと追求してもらわないといけない部分はあるが、もう少し力を抜いてやることも必要」と評価。その言葉通り、チャンスで決め切れない焦りからか、後半になるとどうしても動きに堅さが見られたり、消極的になったり、ということも見られるが、彼が前線にいることで、相手DFを惹き付けたり、他のチームメイトのゴールチャンスに繋がるといったプラス材料もある。また決して我が侭な独りよがりなプレ−ではなく、『組織』の中で駒の１つとして、チームとしての戦い方に徹して戦えるところも彼の良さだろう。ただ、FWゆえ、彼自身もゴールを欲しているのは事実。と同時に、それが伺い知れるからこそ、敢えて、この再開直後の早い段階での『ゴール』を期待しているのだが。

　対する札幌はこの中断期間を挟んで新外国籍選手FWアンデルソンやDF箕輪義信ら即戦力となる選手を獲得。これにより、前線にあげていたFWクライトンを本職のボランチに戻すことも考えられる。となれば運動量、技術のある彼の存在は攻守における安定感アップに繋がるだろう。また、序盤戦は守備ではJ1ワーストタイの25失点、攻撃ではリーグワースト３位の12得点と攻守に安定感を欠いた札幌だが、攻守に新加入選手を据えたのは、当然、その改善を図るため。特に守備については三浦俊也監督も「ここが一番の改善点だ」と強調しているように、この中断期間中に強化に取り組んできた様子。その守備力が、G大阪の攻撃力にどう対峙するのかも、この一戦の見所の１つになるだろう。

以上

2008.06.28 Reported by 高村美砂