7月5日（土）J2 第24節 福岡 vs 甲府（19:00KICK OFF/レベスタ）
-ゲームサマリーはこちら-
-福岡へ行こう！ スタジアムガイドはこちら-
携帯でこの試合のダイジェスト動画を見るなら - ライブサッカーＪ -
★J2勝敗予想ゲーム-5日19時投票締切!-
----------

　強いチームを作ってＪ１復帰を目指すとしながら７勝５分１０敗で１０位に低迷する福岡。１年でのＪ１復帰を目標に掲げながら５勝７分９敗で１１位に沈む甲府。両チームともに、シーズン前には考えもしなかった厳しい状況に追い込まれている。数字の上ではＪ１復帰の可能性は残されているとはいえ、それを実現するためには目の前の一戦で勝点を取り続けるしかない。そんな両チームがぶつかり合う第24節は、ともに生き残りをかけた重要な一戦。敗戦はもちろん、引き分けも許されない戦いが始まる。

　第１クール終盤からシステムと戦い方を変えて臨む福岡の第２クールは４勝２分２敗の成績。内容よりも、とにかく勝利することだけにこだわる現実的な戦い方にシフトしたことで、チームは立ち直りの兆しを見せ始めている。「勝点をもう少し上積みしたかったが、第１クールと比較すればよくなってきている」とリトバルスキー監督は手応えを口にする。しかし、第１クールで失った勝点は大きく、それを取り戻すまでには至っていない。今の傾向を一気に加速させるのか、それとも足踏み状態が続くのか、甲府との戦いはその分かれ目の試合になる。

　対する甲府は勝ちきれない第１クールを過ごしたあと、「ハードワークと切り替え」をテーマに「原点回帰」を図った。しかし、試合内容には改善が見られたかに思えたが、結果は第２クールに入ってから１勝２分４敗。勝てない試合が続いたことでチームは再び下降線をたどっている。特に前節の湘南戦では、攻撃面ではゴールに向かう姿勢を示せず、守備においては的を絞れないままに４失点。置かれている状況は深刻と言える。中５日で迎える試合に心身ともにリフレッシュした状態で臨めるかが鍵だろう。

　そんな両チームの戦い方に目をやれば、巧みなパスワークを武器に攻撃を仕掛けることで活路を見出そうとする甲府と、ハードなマンマークで失点を抑え、サイドのスピードを生かしたカウンター攻撃を仕掛ける福岡と、対照的な姿が見えてくる。

　おそらく、ボールキープ率で上回るのは甲府。福岡は相手にボールを持たせておいて、いかに効率よく攻めるかが求められることになる。甲府の特長は、ボールサイドに人数をかけてスモールエリアでのパス交換からの突破にこだわりを見せること。決して不用意に飛び込まず、ハードなマンマークで相手の動きを制限し、そして奪ったボールを反対サイドに広がるスペース、あるいは高いラインを敷く裏側へ素早く展開すること、それが福岡にとってのポイントになるだろう。

　甲府に求められるのはゴールに向かう姿勢だ。スモールエリアを抜け出すパス能力の高さは誰もが認めるところ。１１位に低迷しているとは言え、その攻撃能力は高い。ただし、ややもすると鮮やかなパス交換が目的であるかのような状態に陥ることも否めず、いいリズムがゴールに結びつかない原因になっている。その傾向が顕著だったのが前節の湘南戦。ボールを奪っても守から攻への切り替えが遅く、パスを回すシーンでも横や後ろへのものが目立った。いかにシンプルにゴールへ向かえるか。それが問われる試合になる。

　キーマンは、福岡では最後尾でチーム全体をコントロールする布部陽功、ゲームを読む能力に長け、いぶし銀のようなプレーでチームをけん引する久藤清一、そして、あふれるスピードでサイドを疾走する田中佑昌の３人。甲府なら、中盤の底でゲームにアクセントを加える林健太郎、積極的なオーバーラップが武器の杉山新、中盤でゲームを作る藤田健。いずれの選手も両チームにとっては欠かせない戦力。彼らをどう生かし、どう制限するかも、ゲームの流れに大きな影響を与えることになるだろう。

　そして、福岡はホームの利を最大限に生かしたいところだ。思うようにならないシーズンが続くが、その中で、スタッフも、選手も、勝利することだけに集中し、目の前の試合にすべてを投げ出して戦っている。そんな選手たちとスタンドが一緒に戦う雰囲気を作り出せるのはホームならでは。その一体感が大きな力を生む。苦しい今だからそ、全員の力を合わせて戦いたい。その先には必ず勝利が待っている。


以上

2008.07.04 Reported by 中倉一志