7月9日(水) 2008 J2リーグ戦 第25節
横浜FC 0 - 0 甲府 (19:03/ニッパ球/3,634人)
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サッカーは言うまでもなく、相手より1つでも多くゴールを挙げる事ができたチームが勝つスポーツ。勝利のための作業の中身はシンプルだ。相手の長所を消しながら、自分のチームの長所を出すこと。このゲームでは、横浜FC、甲府の両チームとも、相手の長所を消す作業には一定の成果を挙げたものの、自分の長所を出し切ることはできずに、スコアレスドローという結果にたどり着いた。
横浜FCは、中2日という厳しい日程の中、草津戦同様、中盤でプレスを掛けるスタイルを選択。これが甲府に対してうまくはまり主導権を握る。4分には右サイドでのプレッシングから展開し、アンデルソンが最後にシュートの場面を作る理想的な展開を見せる。その後も、中盤でのこぼれ球を、山田卓也と根占真伍のダブルボランチを中心に拾い続け、カウンターからチャンスを作り続ける。桜井繁の好セーブに阻まれるものの、9分に難波宏明が決定的なヘディングシュートを打つなど、横浜FCの展開が続く。一方、甲府はサッカーをさせてもらえない状態。アンデルソンに対して、必ず2、3人でマークし、その良さを消すことには成功していたが、肝心の攻撃では前節大活躍だった藤田健にもほとんどボールが渡らなかった。疲労の影響からか、35分ぐらいから横浜FCのプレスがわずかながら遅れ始めると、甲府もボールを何度かペナルティエリア付近まで運べるようになる。それでも、横浜FCはディフェンス陣が安定感を見せて、前半を0-0で終える。横浜FCにとっては、圧倒的していただけにゴールを取っておかなければいけない前半だった。
後半は、前半ほどプレスが効かない中、相手の攻撃のミスをいかに効果的なカウンターに繋げられるかの勝負となる。甲府は、「4-4-2のブロックをはがしていく」(安間貴義監督)ことを目的に前半に比べ藤田のポジションを前に上げて、攻撃の際のスペースを作る事を狙う。しかし、プレスが効かなくなったとはいえ、藤田がボールを持つと、山田が自由にさせまいと強烈にプレッシャーを掛ける。その影響からか、甲府にとってのビッグチャンスになり得るシーンはあったが、こぼれ球を拾った後の波状攻撃が少なった。横浜FCも、難波宏明、アンデルソンを中心にカウンターを仕掛けるが、甲府もアンデルソンへのマークを切らせることがなかった。終了間際の三浦淳宏のフリーキックも惜しくも左に外れるなど、わずかなところでゴールを逃してしまった。ゲームを通したシュートの数は、横浜FCが12本に対して甲府が5本。横浜FCが常に主導権を握り続けたが、ゲームはスコアレスドローで終了した。
横浜FCは、草津戦に引き続き、狙い通りのサッカーを90分間展開し、バランスの取れた攻守をコンスタントに発揮できることを示した。特に、草津、甲府と中盤のコンビネーションに長けたチームに対して、シュートも相手の倍以上打てるようになっており、「シーズン当初は耐えた引き分け。今は主導権を握れていて、進歩している」(中田洋介)というように、チームは大きな成長を遂げたと言って良い。ただ、今は勝点3だけが重要、成長の再確認はこの試合を最後にしなければいけない。
ここまでアンデルソンがマークされると、得点王と言えどもゴールを挙げるのは難しい。他の選手をうまく使いながらの展開も見せてはいるが、ゴールという結果までは結びついていない。チームとしてどのようにアンデルソンの負担感を共有するかが課題と言える。「チームとしてはトレーニングを積んでおり、場面の中でタイミングが合っていくのは、これから」(都並監督)というように、この点の成熟がチーム強化の大詰めと言える。
甲府は連勝を意気込んで乗り込んだが、その目論見を果たすことはできなかった。フリーランニングを多用しポゼッションを高めていくスタイルを出すことができなかった。中3日という日程が影響していることも否定できないが、横浜FCは過去、甲府のそういうスタイルに苦しめられてきただけに、一歩前に出る積極性が不足したことが、主導権を握れなかった一因と言えるだろう。藤田をはじめとした中盤の選手に対するプレスをいかにはがしていくのか、前節の福岡戦で見せた戦いを、常に出せるような意思統一が重要になってくる。
ともに相手の長所を消すことには成功した、典型的なJ2後半戦の試合。しかし、昇格を狙うチームは、その狙いを打ち破るプラスαを持っている。ポテンシャルは両チームとも持っているだけに、どのように解き放っていくか。両チームともに、産みの苦しみが続く。
以上
2008.07.10 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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