8月16日(土) 2008 J2リーグ戦 第31節
福岡 2 - 2 熊本 (19:03/レベスタ/9,076人)
得点者:8' 布部陽功(福岡)、83' 高橋泰(熊本)、85' 高橋泰(熊本)、86' 田中佑昌(福岡)
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結論から言えば、この試合で勝ちきれないのが、チームとしての弱さなのだろう。展開的には前節と同じ“追いつかれてのドロー”だが、前節以上に“勝点2を失った”という印象が強い。わずか2分間で逆転しながら、ほんの1分で同点弾を浴びる脆さを露呈した格好だが、それでもこの日のゲーム内容を考えれば「負けなくて良かった」と見る方が正解かもしれない。
立ち上がりこそ集中したディフェンスから前へ出る姿勢を見せた熊本。しかし4分、中島崇典のクロスからハーフナー マイクにフリーでヘディングシュートを許すと、6分には処理を誤って再びハーフナーにボールを奪われシュートまで持ち込まれるなど、早い出足から中盤でボールを繋ぎ、テンポよく前線へと送る福岡に徐々に押し込まれていく。いずれも枠を外れて失点は免れたものの、いなされることへの恐れからか少しずつ引いてしまったことで、主導権を完全に福岡に明け渡してしまう。
そして8分、今度は右サイドの浅い位置から黒部光昭が入れたクロスがタレイへと渡り、中央へ走り込んで来た布部陽功が約20mの距離から右足を振り抜くミドル。これがきれいに決まって福岡が先制する。熊本は、中盤からの寄せ、遅れて入って来た布部へのチェックが全くなく、警戒していたはずの“走り込んで来る選手”にフリーでシュートを撃たせてしまった。
「ハーフライン付近で取りに行きたかったが、相手のボランチに出たところからロングボールを入れられていたので、セカンドボールを拾うことを意識していた」(宮崎大志郎)こともあって、熊本は高い位置でのプレスをかけられず、さらに両サイドのタレイ、久藤清一への対応で両サイドバックも思うように前に出て行けない状態。さらにボールを奪ってから前に運ぶまでの距離が長く、守備から攻撃へ転じる段階でのミスが目立ち、前線の3人が流動的に動いても奪ったボールがなかなか納まらず、チャンスらしいチャンスは殆ど作れなかった。前半を0−1で終えることができたのは、DF陣が良く耐えたというより、福岡のフィニッシュの精度の低さに助けられたという方が妥当だ。
「前半は勢いに押されて、うちがやりたかったことをやられた展開」(池谷友良監督)という熊本は、後半から中盤の底に喜名哲裕を投入して少しずつボールが回り始めるが、基本的な流れは福岡ペースで変わらず。68分に動きの落ちた山本翔平に代えて斉藤紀由を入れ、サイドの深い位置まで侵入するシーンが増えたが、右CKに高橋泰が右足で合わせてネットを揺らした73分の場面も直前のファウルでノーゴールとなるなど、なかなか同点に持ち込めない。
一方の福岡も、追加点を奪おうと64分に田中佑昌、74分に大山恭平を前線に送るが、前半同様、幾度となく迎えた決定的なチャンスも枠を捉える事ができず、熊本を引き離せない。お互いにゴール前まで迫るという見応えのある早い展開ながら、つまらないミスでタッチラインを割ったりチャンスを潰したりというシーンがあまりにも多く、スタンドにはフラストレーションが充満していった。
そんな空気を一蹴で変えたのは、ここ2試合で3得点と好調の高橋泰だった。83分、第1クールで見せたのと同じような位置で自ら得たフリーキックは、壁の間を抜けて落ち、福岡GK神山竜一の脇をすり抜けてゴールマウスに吸い込まれた。さらに85分には再び高橋が福岡DF柳楽智和の浮き球の処理ミスから抜け出し、GKとDFをかわし冷静に決めて熊本が一気に逆転。アウェイ側スタンドの熊本サポーターの歓喜だけがレベルファイブスタジアムを包む。
ここで熊本は攻守に渡って献身的な走りを見せていた木島良輔を下げ、スピードのある飛び出しが武器の町田多聞を投入。3点目を取って突き放すことよりも、町田の飛び出すシーンを増やして自陣ゴールにボールを近づけさえしなければいいはずだった。しかし、「選手交代のところで上手くオーガナイズできなかったところが反省としてある」と池谷監督も話した通り、ポジションが整わない状態のキックオフから田中のドリブルを許し、あっさりと同点に。結局このままドローに終わり、フラストレーションも解消されたようで解消されない、サポーターにとっては消化不良のような試合となった。
共に勝点を1ずつ加えたとは言え、お互いに不満と課題が残る内容で、両指揮官ともに「勝点2をこぼした」というのが本音だろう。福岡は「前半に2点目を取れていれば問題なかった」と篠田善之監督が話した攻撃の精度、そして2点目のようなイージーなミスからの失点が依然課題としてある。
一方の熊本も、立ち上がりや終了間際の失点、繋ぐ部分でのミスはシーズン序盤からの課題。試合終了までの数分間でリードを守りきるという集中を欠いては、得点ランクで上位を争うストライカーの仕事も水泡に帰してしまう。その前に、上のカテゴリーを目指す以上、押されている展開をどうひっくり返すのか、ピッチ上で判断し修正していく術をチームとして身につける必要がある。2試合連続のドローで失った勝点4に、将来泣かされないためにも。
以上
2008.08.17 Reported by 井芹貴志
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