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【北京五輪 なでしこジャパン総括】最後の一瞬まで走り続けたなでしこジャパン、ベスト4を手にオリンピックを終える(08.08.24)

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 北京オリンピック・日本選手団の初陣を務めたなでしこジャパン。メダルには一歩及ばなかったが、日本女子サッカー史上初のベスト4にまで上り詰めた。「動けなくなるまで走り続ける」――準決勝以降、選手たちは度々この言葉を口にした。その言葉通り、最後の笛がなったとき、多くの選手はピッチに倒れ込んだ。宮間あやにいたってはしばらく、頭を起こすことも出来なかったほどだ。力のすべてを注ぎ込んだ、そんな試合をなでしこジャパンは見せてくれた。

 なでしこジャパンの北京オリンピックは、大誤算から始まった。ニュージーランドとの初戦。ここで勝点3を計算していた日本は、後半も折り返しを迎えた頃まで2点を追うビハインドゲームを展開していた。選手の表情からは「こんなはずじゃない、もっとやれる」。そんな声が聞こえて来そうだった。72分、宮間あやのPKで1点を返した日本。残り4分のところで、CKから澤穂希のオリンピック初得点となった技ありシュートで同点に追いついた。
“負けなかったこと”でかろうじて予選突破の可能性をつないだ日本の第2戦は女王・アメリカ。初戦を落とし、後がないもの同士の対決は一進一退の攻防が続いた。日本は受けに回るばかりでなく、短いパスワークを駆使してアメリカゴールを脅かし、ゴールの気配を漂わせていた。しかし27分に一瞬の隙を突かれて失点。これが最後まで響いて日本は惜敗した。

ノルウェーとの最終戦で勝点3を挙げなければここで、なでしこジャパンの戦いは終わる。アテネオリンピックでは決勝トーナメントに進出している。それ以上の成績を目標にしてきたプレッシャーが選手たちを襲う。控えメンバーや日本に残っている選手たちのために、そしてこれまで支えてくれた全ての人のために。様々な思いとともにピッチに立ったなでしこジャパンは、これまでの鬱憤を晴らすかのように、ピッチを駆け回った。27分にノルウェーに先制され、嫌なムードになりかけるが、その4分後、近賀ゆかりのゴールですぐさま同点に追いつく。後半に入って日本のゴールラッシュ開始。安藤梢のプレーが相手のオウンゴールを誘い、その直後に大野忍のゴールが生まれた。連続ゴールで気を良くした日本は流れのままにその後も澤、原歩と追加点を上げ、5-1で大勝。3位通過を決めた。

「決勝トーナメント進出は最低ラインの目標だった。集大成のオリンピック、ここで負けて帰るわけにはいかなかった」とは池田浩美だ。プレッシャーを力に変えて、絶体絶命のピンチを切り抜けたなでしこジャパン。このグループリーグでの苦しい経験が、チーム力を増す大きな要因となった。チームワークは集団スポーツにとって欠かせないファクターだ。特に女子サッカーにとっては、この数字に表すことの出来ないチームワークの影響を大いに受けると感じることが多々ある。想像以上の波乱に見舞われたグループリーグでの戦いを通じて、なでしこジャパンのチーム力は一気にピークに達していた。

中国との準々決勝ではアウェイの逆風をものともせず、2-0で勝利。ついに未知の領域であるベスト4へ駒を進めることとなった。
ここからは日本女子サッカーが初めて経験する新たな挑戦となる。選手たちには気負いもなく、トレーニングとオフを見事に切り替えて、自分たちのサッカーに自信を持って楽しんでプレーしているように見えた。
メダルをかけて準決勝で再び対戦したアメリカに2-4。スコアでは大味に見えるかもしれないが、その中身は選手に自信を与えるに十分な内容だった。ロスタイムに若手が中心となってアメリカからもぎ取った2点目も大きかった。ファイナルへの進出はならなかったが、次につながる貴重なゴールだったと言える。

最後の試合は銅メダルをかけた争い。準決勝でブラジルに大敗を喫したドイツが相手だ。このワールドカップの覇者に対しても日本は臆することなくぶつかっていった。跳ね返されても転がされても、すぐさま起きあがってボールに食らいつく。初めての前半無失点試合は、このドイツ戦でようやく達成することが出来た。
69分まで無失点できた日本も、ここで先制点を奪われる。その後、取り返すために前がかりになったところをドイツに突かれて2失点目を喫するも、今できる日本の全てをかけて反撃に出た結果だ。悔しさはもちろん残るだろうが、すべきことを残す後悔だけはなかった戦いだった。
   
日本のサッカーは攻守にわたって連動した動きが身上。90分間、ボールのない所でも選手は常に動き続けている。休みどころなどないに等しい。2週間で6試合――初めて体験する世界トップクラスとの真剣勝負の連戦に、疲労はとっくにピークを通り越していた。それでも最後まで走り続けた。最後まで諦めなかった。「諦めずに最後まで力を出し切る」そんな思いは最後の一瞬まで失われることはなかった。これぞ、なでしこジャパンというサッカーを、心意気を、生き方を見せてもらったような気がする。
メダルがあるのとないのとではきっと大きな違いがあるのだろう。けれど、このオリンピックでなでしこたちはかけがえのない絆と自分たちのサッカーへの自信を手に入れた。どの色のメダルでもないけれど、北京オリンピック第4位――誇りに思う。

以上
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