8月27日(水) 2008 J1リーグ戦 第23節
磐田 0 - 0 千葉 (19:03/ヤマハ/8,555人)
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両チームとも強い危機感を背景に90分間死力を尽くしたうえでのスコアレス・ドロー。ただ、そこで得た勝点1の意味は、ホームチームとアウェーチームでは大きく異なっていた。
磐田のスタメンは、敗れはしたものの内容は悪くなかった前節・浦和戦とまったく同じ。対する千葉は、大黒柱の巻誠一郎を先発から外し、レイナウドを1トップ気味にして、その下に新居辰基をシャドーとして置く4-4-1-1のような形でスタート。
暑さもそれほど厳しくなく、どちらも初めからエンジン全開といきたかった中で、立ち上がりを制したのはアウェーの千葉のほうだった。前線から厳しいプレスを仕掛け、攻守の切り替えでも運動量でも磐田を上回り、セカンドボールもよく拾って押し気味に試合を進める。その千葉がとくに狙っていたのは、磐田の左サイド。まだ左アウトサイドのポジションに不慣れな磐田・山本脩斗の裏を、右MFで先発起用された20歳の千葉・松本憲が貪欲に狙い、「あいつ(松本)は攻撃に専念させて、自分は後ろでサポート」と右サイドバック・坂本將貴が思い切りプレーできる状況を作った。レイナウドが前線でボールを受け、左MFの工藤浩平が左から右へ斜めに飛び出す動きも冴えて、右サイド(磐田の左サイド)から何度かチャンスを作った。
しかし、千葉の流動的な動きによって多少マークがあいまいになる面があった磐田の守備陣も、最後のところでは身体を張って突破を許さず、本当に決定的と言えるほどのチャンスは与えない。90分を通してみても、この試合では磐田の守備面での集中力は、最後まで高く保たれていた。
ただ、攻撃に関しては前半はもうひとつ。駒野友一が工藤のマークで下がり気味になる中、代わりにジウシーニョが右に流れるのは良いのだが、少し右に開きすぎになり、山本も外に引っ張られて中に入ることがあまりできなかったため、2トップの下に誰もいないという状況が多くなってしまう。2トップとボランチの距離も遠く、前田遼一やカレン・ロバートに良いクサビのボールが入っても、サポートが遅れてボールを奪われてしまうという状況が目立った。
そうした要因もあって攻撃になかなかリズムが出てこなかったが、それでもチャンスはいくつか作った。8分に前田のスルーパスでカレンが裏に飛び出し、37分には駒野の右クロスから前田が空中戦の強さを発揮して決定的なヘッドを放つが、これはわずかに左に外れ、どちらもゴールは奪えないまま後半に折り返した。
後半は、立ち上がりから磐田が攻勢に出て機先を制したが、セカンドボールは相変わらず千葉が拾う場面が多く、一進一退の展開が続く。
やがて「60分ぐらいまでは非常にタフなゲームになると予想していたし、そこから勝負をかけようというのが頭の中にあった」と内山監督が考えていた通り、最後の30分で磐田が攻勢を強めていく。松浦拓弥(後半17分)、名波浩(後半31分)、中山雅史(後半40分)と投入した交代策も的確で、とくに名波が入った後は、彼が良いポジションをとることによって2トップのサポートの問題もなくなり、そこで時間を作って両サイドに展開という形で、攻撃のリズムは一気に良くなっていった。それにより松浦の積極性もさらに生かされ、効果的なサイドチェンジから駒野が上がる回数も増えた。
逆に千葉のほうは、「中盤で相手に時間を作られたときにズルズル下がってしまい、なかなか攻められなかった」(工藤)という状況に陥り、日曜日の川崎Fから中2日の連戦による疲労も表われ始めて、流れを奪い返すことができない。25分に巻誠一郎が投入され、29分には左クロスから巻がニアに飛び込んで決定的なシュートを放つが、左ポストをかすめてゴールならず。その他にも左右からクロスを入れる場面は何度か作ったが、それらはチャンスに結びつかず、最後の15分間は専ら耐える戦いとなった。
つまり後半は、磐田にとって思惑通りの展開となり、1点を取りさえすれば勝てる形になったわけだが、肝心の最後のところが決まらない。とくに惜しかったのは、23分の駒野の右クロスから放ったカレンのヘッドと、ロスタイムでの中山の右クロスからの前田のシュート。どちらも決めなければいけない場面だったが、2トップが試合を決める仕事ができず、0-0のままタイムアップの笛を迎えた。
アウェーの千葉としても、勝点3を狙ったゲームだっただけに引き分けという結果は満足できるものではない。だが、「アウェーでは負けないこと、無失点に抑えることが重要なので、その意味では大きなプラス」とミラー監督が振り返ったように、最後まで辛抱強く耐えきる守りができたことは収穫と言えるだろう。ただ、終盤で磐田における名波のようなプレーができる選手がいないことは、ひとつの課題として見えた部分でもあった。それに対して、これで6試合勝利なしとなった磐田のほうは、サポーターの激しいブーイングが示すように、何としてもホームで勝たなければいけないゲームだった。
最近の試合では、先制点は取れるが守備が耐えきれないという展開が多かったが、この試合では逆に、守備は危なげなかったものの、今度は点が取れないという状況になって勝ちきることができなかった。つくづくサッカーは難しいと感じさせられるが、チームが置かれている状況としては、難しいと言っているだけでは済まないところまで来てしまっているのではないだろうか。
以上
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