9月14日(日) 2008 J2リーグ戦 第35節
湘南 1 - 0 横浜FC (19:03/平塚/8,857人)
得点者:63' トゥット(湘南)
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試合に出られない時期だった。山口貴弘が語った言葉が印象に残っている。
「自分の出場どうこうよりも、チームが勝つことが本当に大事。望さんの姿を見ていて、特にそう思います」
厳しかった今節の試合のなかにも、そんなふうに培ってきた湘南の芯が随所に表れる。
「ゲームを支配することがなかなかできなかった」と菅野将晃監督が振り返ったように、ホームの湘南にとって、特に序盤は難しい展開となった。横浜FCは湘南の前からのプレスに対し、相手DFの裏へと放り込む。コンパクトに連動する相手の前後のラインを間延びさせ、セカンドボールも狙って主導権を握った。10分を過ぎると、この日J通算400試合出場を迎えた三浦知良の右クロスからチャンスをつくり、またコーナーキックから八田康介がシュートを放ってもいる。
流れが傾き始めるのは、15分を過ぎるあたりだった。ボランチとして横浜FCの攻撃のリズムをつくっていた根占真伍は、「前に出たいタイミングでミスが重なり、引かざるをえない状況になった」と振り返る。対して湘南は、田村雄三が中盤で敵の攻撃を塞ぎ、しきりに裏を狙いサイドに流れてくるアンデルソンに対しては、山口が常に目を光らせていた。35分付近には横浜FCが流動的に動きながらパスを回すも、長いポゼッションの末に田村が奪っている。
39分のカウンターの場面も湘南は堅い。2対2となりながら、山口が前を向いたアンデルソンをしっかりとマークした。「1対1は絶対に負けたくない。絶対抜かせないという気持ちを出せば抑えられると思っている」と語ったとおり、サイドへ追いやりマイボールにしている。そして湘南は43分、加藤望のサイドチェンジから臼井幸平がクロスを送り、鈴木伸貴がヘディングシュートを放った。だがこれにはGK小山健二が反応し、難を逃れている。ちなみに湘南は、27分にも加藤のサイドチェンジからチャンスをつくっていた。
アクシデントが起きたのはロスタイムのことだ。セットプレーの競り合いでジャーンが負傷し、交代を余儀なくされる。代わった永田亮太はボランチに入り、田村がセンターバックのポジションに移る。接触した一方のエリゼウも傷を負ったが、頭に包帯を巻いてプレーを続行した。
迎えた後半、湘南は開始からFWにトゥットを投入する。対する横浜FCは立ち上がりに根占が強烈なミドルを放つが、前半から安定した守備を見せていたGK金永基が反応し、コーナーキックに逃れた。一進一退の攻防はさらに続く。加藤のクロスを原竜太がヘッドで叩けば、横浜FCも再びポゼッションを高めシュートに持ち込む。だがいずれも両GKの好守に遭い、ゴールには至らない。
そんななか得点機を掴むのは、辛抱強く、かつ落ち着いたディフェンスを続けていた湘南だった。62分、坂本紘司からパスを受けた加藤が、トゥットとのワンツーでペナルティエリアに侵入し、相手のファウルを誘う。手にしたPKをトゥットが左隅へ豪快に突き刺し、湘南が待望のゴールを奪ったのだった。
残された25分あまり、横浜FCは失点直後に投入された池元友樹を中心に、攻勢を強めていく。池元は得意のスピードに乗ったドリブル突破からミドルを放ち、クロスに合わせてボレーも狙った。根占も前半に引き続き、強烈なミドルを撃つ。かたや湘南はトゥットまでもが負傷に見舞われたものの、田村と山口の両センターバックと金を中心に、全員で最後まで粘り強く守り抜いた。
敗れた都並敏史監督は、「非常に残念な結果」と悔しさを滲ませた。ただ一方で、「ほとんどの時間帯でリズムをつくり、キープしながら相手陣内に攻め込む形ができていた。勢いのある湘南さんに対し、我々のペースでプレーできたことを前向きに捉えていきたい」と一定の手応えも見出しており、一週間後のホームでさらに突き詰めたサッカーが期待される。首位を独走する広島に一矢報いたいところだ。
対する湘南はホーム5連勝、そして10試合負けなしという記録を刻んだ。相次ぐ負傷は心配だが、しかし菅野監督は、「あってほしくないこと」と前置きした上で、こう語る。
「誰が出てもやれるように準備はしてきているつもり。昨年もそうだったが、今年のチームは厳しい状況にもひとつになり、全員で闘えるチームだと思っている。またつぎのゲームでいい結果を出したい」
次節、湘南は徳島に乗り込む。今季、あるいは昨季まで紐解いてみても、苦杯を舐めさせられた印象は拭いきれない。これまで同様、挑戦者としての変わらぬ姿勢で、再び難敵に挑む。
以上
2008.09.15 Reported by 隈元大吾
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