10月4日(土) 2008 J2リーグ戦 第39節
甲府 1 - 1 仙台 (18:33/小瀬/12,132人)
得点者:52' サーレス(甲府)、54' 梁勇基(仙台)
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甲府の選手が自分たちのサッカーを見せる前に、それを見せるべき人が最初に魅せた。
「さあ行こうぜ 俺らの甲府 ともに戦え みんなで歌おう ララララーラララー〜」
ピッチ内のアップ終了後、10月1日に就任した佐久間GMは海野社長に紹介されると、短く挨拶をしてから甲府の応援歌の一つ「インデペ」を歌った。12000人の観客の前で。そして、バックスタンドからは佐久間コール。30秒でサポーターの心に入っていった。昨年16位(第18節終了時点)に低迷していた大宮のロバート・ファーベック監督(オランダ)がシーズン途中で解任され、強化・育成部長の立場から監督に就任して15位でチームをJ1に残留させた佐久間氏。オランダサッカーの信奉者に甲府のエンブレムの青・白・赤が、オランダ国旗のトリコロール(赤・白・青)に見えた訳ではないだろうが、甲府入りには相当な決断したことは想像に難くない。
甲府は素晴らしい立ち上がりだった。相手が甲府のサッカーに慣れるまでの15分間は流動性のあるパスワークで主導権を取り続けた。しかし、主導権を取りながらもゴールを決めることが出来ない。そういうときの甲府は流動性がなくなり、足元パスでボールを回すことが増えてしまう。相手がブロックを作って引いてしまえば空き地がなくなるから当然。どんなチームでも苦戦する。今の力ではパスワークだけで前を向いてゴールエリアからシュートを打てないことは証明済み。しかし、強いチームは苦戦しながらでも打開する。豪腕クロスかゴールに向かってドリブルで勝負してブロックのバランスを崩す。この日はそうなるために後者で勝負する場面はあった。しかし、勝負して欲しい選手が充分に勝負したかと言えば、答えはノー。「マラニョンは狙われていると思って(勝負に)行っていないところあると思う。次の壁が来ている。ワンツーで割って入って仕掛ければドリブルが生きてくる」と安間貴義監督は言う。だが、この日は早い時間に美尾敦を投入しても良かったのかもしれない。後半72分に投入された美尾は素晴らしかった。
甲府の攻撃はサイドからのクロスは入っていたが、精度が足りないのか仙台のブロックが効いていたのか、いまひとつ怖さが足りなかった。しかし、後半52分には石原克哉が奪い取ったPKをサーレスが決めてようやく先制する。流れの中からのゴールではないが、前半の仙台のシュートをゼロにするほど走りに走ってチャレンジしたからこそ取れた価値あるPKだった。だが、前への圧力を増した仙台に2分後には同点ゴールを献上してしまう。サッカーは素晴らしいスポーツだが、素晴らしく人を失望させる。右サイドで輪湖直樹を振り切った関口訓充の気持ちとスピードも素晴らしく、そのチャンスにワンテンポ遅れてゴール前に入ってフリーでヘッドを決めた梁勇基も素晴らしかった。こんなことになるなら、ゴール前でブロックを作って守備をして、守備のリスクの少ないロングボールで攻撃をやった方がいいと誰かが言い出せば賛成したくなる人も出てくるだろう。GKの阿部謙作は「ビデオで確認しないとハッキリしたことは言えないけど、これだけ同じことが起こるのは根深い問題かもしれない」と呟いた。
それでも、この日の甲府のプレーはよかった。充分に戦えていた。安間監督が会見で「今日のゲームに関しては(正しい)選択をした結果、(失点に繋がるクリア)ミスをしたが、その後も凹むことなく見せ場を作ったしバランスを崩すことなくプレーした」と言うように、いい部分は結果に関係なく正当に評価すべき。しかし、「1年でJ1復帰」という言葉を人質にしてここ数試合を見れば正当な評価よりも、足りない何かが大きく見えてしまう。第38節で5枚のイエローを代償にして甲府に勝った湘南は、ボランチの田村と坂本が2試合の出場停止という残念なボーナスをもらい、今節は広島に惨敗した。前節、水戸に敗れた仙台は今節の勝点1の代償に田村直也と平瀬智行がケガを負った。そして、甲府は昇格争いグループに入る最後のチャンスを逃がした。湘南と仙台に連勝していれば、第39節の1日目が終わった段階で湘南の上に行き、仙台とは勝点1差に迫っていた。死んだ勝点を数えるのは悪い癖かもしれないが、2試合でこれだけ変わるのなら――第39節の2日目の結果次第だが――前言を撤回する。最後のチャンスはまだある…かもしれない。
試合終了後、仙台サポーターは希望をこめて「ベガルタセンダイ」とコールし続けた。沈黙した甲府サポーターが100%のブーイングでもなく100%の拍手でもない感情をどう消化したのか分からないが、安間甲府を残り5試合で終わりにして欲しくないという気持ちは残った。タケシ甲府が教えてくれた「いい部分を正当に評価する」サッカー観がそう心の中でそう呟く。甲府は人を育てるクラブなんだから。日本サッカー協会の会長に就任すれば最初の代表戦で君が代を歌いそうな佐久間GMがこの現状をどう判断し、短い間にどうチームをサポートするのか興味深い。甲府対策を立てるのはそう難しくないだろうが、甲府に足りない何かをスタイルを変えずに補うことはいきなり強烈に能力を問われる。それともスタイルを変えるのだろうか…。
以上
2008.10.05 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
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