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【J2:第39節 愛媛 vs 草津】レポート:ピッチの状況に順応できなかった草津に対して、やるべきことを徹底した愛媛が危機的状況を脱する勝利をつかむ。(08.10.05)

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10月5日(日) 2008 J2リーグ戦 第39節
愛媛 1 - 0 草津 (14:04/ニンスタ/3,372人)
得点者:62' 内村圭宏(愛媛)
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不器用な愛情表現だったのかもしれない。アウェイ連戦が続いたあと、2週間ぶりのホームゲームで愛媛のゴール裏は沈黙を決めた。唯一、ゴール裏から送ったメッセージは「ひたむきに、一生懸命頑張るオレ達の『愛媛』は、どこにいった?」。

2試合で9失点、四国ダービーでは屈辱の5失点。あるサポーターは試合前日、草津戦で横断幕を張らないこと、応援コールを止めるかもしれないと言うことを直接、敢えてキャプテンの金守智哉に伝えていた。これはただ単に、選手を責めるためではない。そのことを誤解を招かないように選手に伝えたかったのだ。サポーターも一緒になって、直面している悪循環を断ち切る術を考え抜いた結果の行動。これまでにもゴール裏の横断幕で選手たちに喝を入れたことはあった。しかしコールを止めるという選択は、当日のキックオフ前まで悩みぬいた末の苦渋の決断。

愛を込めた沈黙。
結果、愛媛の選手たちは勝利という最高のプレゼントでこの愛に応えた。

試合前日から降り続いた雨。キックオフ前にはピッチ全体に水が浮いている状態で、あちこちにできた水たまりでボールは止まった。必然的に互いにロングボールを蹴りあい、ディフェンスの背後にボールを送ってアクシデントが起こることを狙っていた。それでも、両チームとも前後半を通じて5本、計10本のシュートしか放てなかったように、ゴール前に辿り着くことすら容易ではないピッチコンディション。

前半に関していえば、両チームに訪れたチャンスはそれぞれ1度きり。愛媛は前半22分、右サイドをMF横谷繁が水たまりを避けながら突破し、折り返したクロスにFW内村圭宏がヘディングで合わせた場面。草津は38分、ペナルティエリア左サイドの混戦から逆サイドに折り返し、MF鳥居塚伸人が飛び込んだ場面だ。しかし内村のシュートはバーを叩き、鳥居塚のボレーもゴールネットを揺らすことはできなかった。

後半の立ち上りにも、愛媛はMF赤井秀一のシュートがバーに弾かれた。その直後、草津のFW後藤涼は愛媛のディフェンス陣がもたつくところを抜け出し、GKと1対1の場面を迎えたが、水たまりにボールが止まって打ち切れない。両者の我慢比べが続く中、試合が動いたのはセットプレーだった。62分、愛媛の右サイドからゴール前に放り込まれたボールは、一度は草津のディフェンスが跳ね返したものの、再び愛媛が跳ね返すとフリーになった内村の足元へ。内村が思い切り振り抜いた右足から、待望の先制点が愛媛にもたらされた。

結局、そのまま逃げ切った愛媛が連敗を3でストップ、5試合ぶりの勝利をつかんだ。「今日はグランドの状況もあって最初から最後までディフェンスの背後に入れながら前向きに守備をしたり、仕掛けたりすることができた」と愛媛の望月監督が振り返れば、一方で「こういうところでゲームをしたことがなかった」と敗因を語った草津の植木繁晴監督。やるべきことがハッキリしたことで迷うことなく戦えた愛媛に対して、失点を許したことで戸惑いが焦りに変わり、ファールを繰り返して自らを見失った草津には昇格が遠のく結果が待っていた。

試合終了後、ゴール裏へ挨拶に行った選手たちに「愛媛FC」コールで応えたサポーター。90分間、溜めてきたエネルギーが爆発した瞬間だった。これでシーズンは残り6試合。来週から始まる天皇杯を含めホームゲームは3試合となり、選手とサポーターが再び信頼関係を深めていく時間は残り少ない。それでも、新しい第1歩を踏み出せたことはこの日の愛媛にとって最大の収穫。シーズンを振り返ったときに、これが危機を乗り越えたチームの転機となっていて欲しい。

以上

2008.10.05 Reported by 近藤義博
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