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【J1:第31節 大宮 vs 川崎F】レポート:勇敢に戦った大宮が、川崎Fを圧倒。残留をたぐり寄せる勝点3を手にする。川崎Fは、タイトルを目前にした痛い敗戦(08.11.08)

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11月8日(土) 2008 J1リーグ戦 第31節
大宮 2 - 1 川崎F (14:04/NACK/10,759人)
得点者:26' 藤本主税(大宮)、35' 森勇介(川崎F)、77' ラフリッチ(大宮)
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 試合開始直後から感じていたことを、試合後の小林慶行が端的に表現していた。「今日くらいの集中力でやれれば、ここではなくもう少し上の順位でやれると思う」。最終ラインを押し上げ、積極的に前線からプレスをかけていく大宮の勇敢な戦いぶりは、降格圏であえぐチームのそれとは思えないものだった。

 大宮の樋口靖洋監督は、この川崎F戦のポイントが、川崎Fの強烈な攻撃力をいかにして抑え込むのかという点にあると見ていたという。であるならば、通常はある程度自陣に下がり、まずは失点を防ぐ戦いを指向するものと考えるところである。しかしそこで樋口監督は「頭の切り替え」を行ったのだと言う。「一番の答えは、受けに回ったらやられるということ。逆にぼくらから仕掛けていこう、と」(樋口監督)。そしてそれは、今季の大宮のチームコンセプトに沿ったものだったのだという。つまり自らアクションを起こし、アグレッシブに戦うというゲームプランである。そして、それがはまった。

 予定外の前からのプレッシャーに川崎Fはたじろぐ。最終ラインでのボール回しにまで積極的にプレスをかけてくる大宮の攻撃的な守備にペースを乱し、思うように自分たちの形を作れなかったのである。

 そもそも川崎Fは前線の4枚の感性を重視して、個の力を生かす形で攻め込もうとするタイプのチームである。そうした戦いの中でポイントになってきたのは、中村憲剛と谷口博之の攻守におけるバランスだった。またここ数試合で復活してきた谷口の前線への飛び出しは、攻撃面で重厚さを生み出していたが、その一方で中村の守備の負担を増やす形になっていた。シャドーストライカー的なポジションを取っていた藤本主税にとって、格好のスペースが生まれていた。
「川崎Fは6枚と4枚とに別れる形になる。その間で受けてショートカウンターを決めたいと思っていた。それは狙い通りでした」(藤本)。藤本が右に流れ、その動きを右サイドバックの塚本泰史がフォローする。中村1人ではカバーしきれない広大なスペースを大宮は的確に突いたのである。
 試合後の樋口監督が「前に4人。後ろに6人という分業制のような形になっていますので、奪った瞬間というのは中盤のサイドが空いている。そこをスムーズに使うのがポイントだったのかなと思っていました」と述べていることからわかるように、事前のスカウティングの正確さと、その意図を選手に浸透させた樋口監督の手腕が光る形となった。
 真っ向勝負を挑んだ大宮は26分に川崎Fのミスパスを内田智也が奪いカウンター。ラフリッチのシュートの跳ね返りを、この試合が300試合出場となった藤本が流し込んだ。両者の順位を考えれば意外な、しかし試合内容を見れば順当な先制点を大宮が手にした。

 タイトルを掴むためには負けられない川崎Fも、35分に森勇介の見事なダイレクトボレーで同点に追いつき、意地を見せる。そしてここから川崎Fがその底力を見せ始めた。ペースを握れていなかったチームにとって、得点が持つ重要性を改めて感じさせられる1点だった。

 後半に入ると、多少ペースダウンした大宮の戦いぶりもあって、川崎Fがチャンスを作り続ける。もちろん前半の45分間で大宮の出方に慣れたという側面もあるだろう。押し込まれる場面が増えた大宮の動きは早かった。58分に1枚目のカードを切ると、74分には2人目を投入。川崎Fの最初の交代が76分の2人同時だった事と比較しても、樋口監督が攻撃的に、自分たちから試合を作るんだという積極性を見せていたことが伝わる交代采配だった。

 決勝点は、大宮の攻守の切り替え、そしてサイドを突くというゲームプランから生まれる。川崎Fの攻撃をしのいだ大宮は右サイドに人数をかけて攻め込む。樋口監督が言うところの「今ガマンしなければいけないとき、今攻撃しなければならないときという部分をチーム全体が同じ感覚を持ってできている」という状況を体現した攻撃となった。この日何度となく右サイドで起点を作ってきた塚本からのクロスの精度は高いとは言えなかったが、ラフリッチのシュートは、残留を信じ、チームを信じて声を嗄らすサポーターの目の前のゴールネットに突き刺さった。

 タイトルに近づくためには勝点3を手にしなければならない川崎Fは、ここから死にものぐるいで前に出る。しかし、集中した大宮の守備陣に綻びが生まれることはなかった。両極端な軌跡を描いてきた両チームが、シーズン終盤に交わったその一点での攻防は、大宮が残留へ近づく大きな勝点3を手にすることとなった。会見場を後にする樋口監督には報道陣から拍手が送られていたが、藤本が「貴重な勝点3だったと思う。ただ、まだ何も得ていない。サバイバルは続きます」と述べていたように大宮の険しい戦いはまだまだ続いていく。
 一方、必勝態勢で臨んだ川崎Fにとっては、痛すぎる敗戦となってしまった。敗戦に打ちひしがれる選手たちが乗り込んだバスを、大きなコールによって送り出したサポーターの思いを選手たちは感じとるはず。ここからの修正に期待したいと思う。

以上


2008.11.08 Reported by 江藤高志
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