■チケットの情報はこちらから！
■試合のスケジュールはこちらから！
■決勝戦は11月7日(土）に国立競技場で開催！

■北京国安＝国内タイトル最優先も、ACLに向け戦力充実

　2008年のCSL3位。2年連続でACLに挑むのは、北京を率いて3年目の韓国人監督イ・ジャンソ。選手を徹底的に走らせ、前線からの厳しいチェックに行くことで、主導権を握るサッカーを目指す。ジェフユナイテッド千葉に近いスタイルのチームと言えそう。昨季のACLでは、鹿島アントラーズを苦しめ、直接対決では、1勝1敗だっただけに、今年もくみしやすい相手とはいえない。

　北京は、バックに資金力豊富な親会社を持ちながら、緊縮予算で選手獲得に大金を使わないクラブとして知られている。しかし、今季のACLを視野に入れ、例年なら大幅に遅れる外国人選手獲得が2月前半で終了し、チーム戦術を徹底させる時間を十分に確保。クラブとしてのACLへの意気込みを感じさせる動きになっている。しかし、古豪でありながら、リーグ戦タイトルを一度も獲得していないことから、中国メディアによると、「CSLタイトルを最優先し、ACLはグループリーグ突破を目指す」ことが目標のようだ。北京市政府も今年、クラブに投資し、初タイトル獲得を後押ししている。昨季は、ACLとCSLのダブルタイトルを目指し、CSL前半での失速につながり、ACLでもグループリーグ敗退を味わっていることから、昨季の轍は踏まないために、クラブとして優先順位をつけていると思われる。

　上海申花同様、外国人選手の総入れ替えを行い、チーム力の向上を図った。昨季は、全体のバランスから、ワントップによる4-2-3-1を使うことが多かったが、今季は4-4-2の多用が予想されている。FWには、2008年オーストラリアリーグの得点王で、ニューカッスルから10ヶ月の期限付き移籍したJoel GRIFFITHS（ジョエル・グリフィス）と、昨季までCSL遼寧クラブでプレーしたRyan GRIFFITHS（ライアン・グリフィス）の兄弟が並ぶことになりそうだ。兄のJ・GRIFFITHSは、同グループの北京対ニューカッスルのアウエー戦には出場しない条件で北京入りが実現したといい、それだけイ監督の評価が高いと思われる。短期間ながらアビスパ福岡にも在籍した経歴がある。攻撃の起点は、コーチ兼任となった陶偉（TAO Wei）と、この1年で一気に北京の中心選手となった黄博文（HUANG BoWen）。陶は、中村俊輔や遠藤保仁のように、タメを作ってゲームを落ち着かせる能力に長けるが、年齢的な衰えと慢性的な怪我に悩まされている。黄はこれまで、ボランチでの起用が多かったが、陶不在の際には、トップ下を任される可能性もある。

　中盤には、天津泰達からクロアチアのDarko MATICも加入。天津での2年間で、CSLナンバーワンのインターセプト数を誇るが、中国メディアからは、「中国とはまったく違う日韓豪の攻撃陣に通用するかどうか」との声も聞こえてくる。DFの中央には、元中国代表の徐雲龍（XU YunLong）、William Paul MODIBO（カメルーン）が並び、左に周挺（ZHOU Ting）、右に楊璞（YANG Pu）が入ることになるだろう。ただ、中国メディアは、「MODIBOはフィジカルは問題ないが、実力は未知数」と評価を控えている状況。周は毎年のようにレッドをもらっている選手のため、怪我が癒えず、3月のACL第１戦には間に合わないと言われる元中国代表の張永海（ZHANG YongHai）が戦列に復帰するまでは、バックラインに穴が開く可能性があるだろう。

　とはいえ、昨季、1年を通して主力数名を怪我で欠きながら、シーズン終盤まで優勝戦線に踏みとどまり、ACL出場権を獲得したイ監督への中国メディアと北京サポーターの評価は高い。CSLタイトル獲得を最優先することがクラブの方針のようではあるが、闘志を剥き出しにしてゲームに臨むイ監督だけに、ACLでも、選手のモチベーションを最高に高めて挑んでくると思われる。

Reported by OCEANS Marketing

※選手名のカタカナ表記については公式記録が出次第、今後の記事内にて反映していきます。