■チケットの情報はこちらから！
■試合のスケジュールはこちらから！
■決勝戦は11月7日(土）に国立競技場で開催！

韓国の首都を本拠地とするＦＣソウル。前身は1983年に産声をあげ、ソウル近郊の安養（アニャン）市を本拠地にしていた安養ＬＧ。03年には元日本代表・前園真聖も在籍して日本でも話題になったクラブだが、2002年ワールドカップの開幕戦が行なわれたソウル・ワールドカップ・スタジアム有効活用を名目に、04年から本拠地をソウルに移転。親会社もＬＧグループから分離抱独立したＧＳグループへと代わり、現在のクラブ名となった。移転当初は強引な本拠地移転への反発から観客動員に苦戦するが、現在はフランスのＡＳモナコで活躍する朴主永（パク・ジュヨン）の加入で人気上昇。Ｊリーグに携わる博報堂にクラブ運営のコンサンルティングを依頼するなど、ファン獲得のためのマーケティング活動にも積極的で、水原三星（スウォン・サムスン）と並ぶ国内屈指のビッグクラブへと成長した。ちなみに、もともと水原とは、親会社が競合企業で本拠地も近いことから安養時代からライバル関係にあったが、ソウルに本拠地を移し、ともに人気クラブとなっていからはライバル関係がさらに熾烈に。その対決は “コリア・ダービー”と称され、2007年4月のソウル対決にはＫリーグ1試合史上最多記録となる5万5397人の観客動員に成功し、大きな話題を集めた。

そんなＦＣソウルのシンボルとなっているのが、07年からチームの指揮を振るうトルコ人監督セノール・ギュネスだ。2002年ワールドカップで母国を３位に導いた指揮官は、就任１年目こそリーグ戦7位に甘んじたが、２年目となる昨季はリーグ戦２位の大躍進。得失点差で１位の座を水原に譲り、プレーオフを勝ち抜いて挑んだチャンピオンシップでも水原に敗れたが、そのサッカーは「もっとも魅力的だった」と評価された。

その最大の要因は、ギュネス監督が標榜するサッカースタイルにある。来韓時から「テンポの速い攻撃サッカーを展開する」と語ってきたギュネス監督は4-4-２をベースにしたポゼッション・サッカーをしつつ、敵陣に入ると速いパス回しや個人のドリブル突破で一気にゴールに襲い掛かる攻撃サッカーを展開。リードをしていても、積極的な選手交代でさらにゴールを奪おうとするスタイルで、昨季はリーグ最多の50得点を挙げた。

しかも、その攻撃サッカーを展開するために若い力を積極起用。フレッシュでエネルギッシュなチームへと変身させた。その象徴的存在が、“ヨン（＝龍）”の字をとって“ダブル・ドラゴン”と称されている李青龍（イ・チョンヨン）と奇誠庸（キ・ソンヨン）の20歳コンビだ。李青龍（イ・チョンヨン）は天才的なドリブル・テクニックで左サイドをえぐり、ラストパスもシュートも放てるので「韓国のダヴィッド・シルヴァ」とも言われている。一方、広い視野と精度の高いパスワークでゲームをコントロールする奇誠庸（キ・ソンヨン）は、スティーブン・ジェラードを彷彿させるとして“キラード”とも呼ばれている。ともに北京五輪に出場し、韓国代表でもレギュラーの座を掴んだこの二人だけではなく、ＤＦの金致坤（キム・チゴン＝25歳）、左サイドの金致佑（キム・チウ＝25歳）、ＦＷの鄭（チョン）・ジョグッ（＝24歳）などＦＣソウルには現役韓国代表も多く、昨季Ｋリーグ新人王にも耀いたＦＷ李昇烈（イ・スンヨル＝19歳）など、若い力が次々と頭角を合わしている。

しかも、外国人選手が強力だ。昨季14得点6アシストをマークしたモンテネグロ代表ＦＷデヤンのスピードは鋭く、ブラジル出身の左ＳＢアディは２年連続Ｋリーグ・ベストイレブンに輝いた。そんなＦＣソウルと対戦するG大阪には、Ｋリーグのことを知り尽くしたチョ・ジェジンと朴東赫（パク・ドンヒョク）がいるが、ＦＣソウルにもジュビロ磐田で活躍した金珍圭(キム・ジンギュ)（24歳）、ベガルダ仙台に在籍したキム・ウンジュンなど、Ｊリーグ経験者がいる。コーチを務めるのは市原、京都、磐田などで活躍した崔龍洙(チェ・ヨンス)だ。トルコ仕込みの攻撃サッカーと成長著しい若い力、さらにはＪリーグ経験者の知恵も加わってG大阪の前に立ちはだかることになるＦＣソウル。若さゆえにチーム全体の経験値が低いことがウィークポイントとされているが、その実力は決して侮ることはできないだろう。

Reported by 慎武宏

■チケットの情報はこちらから！
■試合のスケジュールはこちらから！
■決勝戦は11月7日(土）に国立競技場で開催！