2月21日(土) Jリーグプレシーズンマッチ SDT CUP 2009
清水 2 - 1 磐田 (13:30/日本平/11,284人)
得点者:64' ジウシーニョ(磐田)、89' 原 一樹(清水)、89' 岡崎 慎司(清水)
----------
静岡ダービーらしく、お互いの意地と技術をぶつけ合い、両者とも多くの手応えや課題をつかんだプレシーズンマッチ。最後は純粋にゲームとしても十分楽しむことができたという意味では、スタジアムに足を運んだサポーターにも収穫の多いゲームとなった。
どちらもキャンプの疲労を残した身体ながらも、立ち上がりから積極的なプレーを見せ、序盤はほぼ互角の展開。ただ、時間を追うごとに清水の攻撃のリズムが良くなり、ペースは清水のほうに傾いていく。
注目のヨンセン、岡崎慎司の2トップは、2人がお互いの動きを意識しながら近い距離を保ち、2人ともボールがよく収まるため、全体の押し上げを引き出していく。時折ヨンセンと周囲との呼吸がわずかに合わない場面もあったが、そこを合わせるにはそれほど多くの時間を要しないだろう。とくに岡崎は、昨年急成長した球際の強さという面で、また一段階グレードアップしたような姿を見せ、攻守に大きく貢献した。
中盤では、ボランチの山本真希がよく前線に絡んで攻撃に厚みをもたらし、伊東輝悦もいつもの確実なリスクマネージメントに加えて、昨年より前に出て行く回数を増やしてチームに刺激を加える。枝村匠馬は相変わらずの神出鬼没の動きでボールを引き出し、2トップによく絡んでチャンスメークに貢献。兵働昭弘は全体のバランスを見ながら、速く攻めるところと落ち着いて組み立て直すところのメリハリをしっかりとコントロールした。
中盤の4人それぞれが自分の持ち味を十分に発揮し、2トップも機能したことで、さまざまなパターンから磐田ゴールに迫り、惜しいチャンスも何度か作ったが「最後のクロス、ラストパスの精度が足りなかった」(長谷川健太監督)ことで、ゲームを支配しながら点を取りきれなかったのは課題のひとつ。
清水の守備面では、4バックの安定感が大きな注目点となったが、この試合ではほぼ問題なし。センターバックの青山直晃も岩下敬輔もハイボールに強さを発揮し、ラインも高く保って裏をとられることもなく、安定感は十分。ミス以外で磐田に慌てさせられる場面は見られなかった。少なくとも前半の内容を見るかぎり、清水のほうは疲労さえ取れれば今すぐに開幕しても大丈夫なほどの仕上がりだった。
ただし、「好事魔多し」というべきか、後半17分に青山が競り合いの中で左足首を捻挫してしまい、負傷退場。もっともケガをされると困る選手が負傷してしまい、これが長引くかどうかは非常に気になるところだ。
そして、試合が動いたのはその直後、青山の代わりに太田宏介が入る前の19分、清水が自陣でのパスミスからボールを奪われ、ジウシーニョに先制ゴールを決められてしまう。磐田のほうは、その他に本当に決定的と言える場面はなかったが、それを確実にゴールに結びつけたジウシーニョは、今季も頼もしい存在になりそうだ。
その後は、両チームとも交代のカードを切りながら清水が反撃モードに出て、磐田が耐える形。だが、ロスタイム直前の44分にロングボールをヨンセンが頭で流し、交代出場の原一樹が裏に抜け出して、清水がついに同点ゴールをゲット。さらに4分のアディショナルタイムが終わる直前には、磐田のセンターバック、那須大亮が攻撃参加したところを奪い返したカウンターから、岡崎が勝負強く左足シュートを決め、清水が劇的な逆転勝利を飾った。
ただ、なかなか主導権を握れなかった磐田としても、柳下正明監督がテーマとしていた部分での収穫は数多くあり、修正すべき課題も明確になったため、大きな価値のあるテストマッチとなった。とくに前田遼一の仕上がりが良く、そこでよくボールが収まるのは頼もしいかぎり。このところ良い状態でシーズンに入れない年が多かっただけに、初めからエースがしっかりと働ければ、攻撃面での不安はかなり解消されるだろう。
またサイドチェンジの意識も高く、その後のサポートもよくできていたため、厚みのあるサイド攻撃ができていた時間もあった。この時期の相手としては相当に強力な清水の攻撃にも、守備陣が最後のところでよく耐えていたし、茶野隆行、駒野友一、鈴木秀人、川口能活らがケガから復帰すれば、守備での安定感もさらに向上するだろう。
もちろん、勝った清水のほうは、それ以上に収穫が多かったゲーム。明日(22日)病院に行って検査するという青山のケガは心配だが、センターバックを岩下と児玉新で組む形にも大きな不安はないように見えた。そして攻撃面では、開幕に向けてまだまだ良くなる余地を残している。
試合後、残り2週間のテーマを「最後の詰めのところ」とした長谷川監督は、年初の記者会見で「開幕から自信を持って戦えるかどうか」がタイトル獲得のために重要だと語っていた。そのためにフィジカル面を早めに仕上げ、早めに試行錯誤の段階を終え、細部の煮詰めに入りたいという狙いを持って、ここまで準備を進めてきた。その意味では、ここまでのチーム作りは本当に順調だと言える。
以上
2009.02.21 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
一覧へ【Jリーグプレシーズンマッチ SDT CUP 2009 清水 vs 磐田】レポート:清水の順調さが目立ったゲームだが、磐田にも収穫。勝負という面でも静岡ダービーらしく盛り上がった最高のテストマッチ(09.02.21)















