青空が広がる「福岡市役所ふれあい広場」のあちこちに人の輪ができる。ホームゲームが開催される週末に、レベルファイブスタジアムで顔を合わせる仲間たち。2008年最終戦から数えて約3か月ぶりの再会に思わず顔がほころぶ。話題はもちろんアビスパ福岡のこと。それぞれが持っている情報を交換しながら、新しいシーズンへ思いを馳せる。思いのすべてを声援に変え、ゴールの瞬間に歓喜の雄たけびを上げる、あの日々がもうすぐ帰ってくる。
3月1日、アビスパ福岡は恒例のキックオフフェスタを開催した。
まずは、今年からクラブのアンバサダーに就任した布部陽功のトークショー。そして、選手とのふれあいイベント、サイン会と進み、会場に設けられた小さなピッチでは、子どもたちがコーチ陣と一緒になってボールを追う。誰もが、待ちわびていた新しいシーズンを迎える喜びを体いっぱいに表現して触れ合っていく。会場に足を運んだファン・サポーターは1700人。子どもたちは憧れの目で選手たちと握手をし、選手たちはピッチの上では見せない柔らかな目で子供たちに接する。そして、足を運んだそれぞれの人たちが、それぞれの言葉で選手たちを激励した。
J2に降格してから2年間。それは決して楽な日々ではなかった。トンネルの出口が見えない日々に、監督も、スタッフも、選手も、そしてファン・サポーターも、失意に包まれた日々は数えきれない。しかし、それはともに戦った日々。満足のいく2年間ではなかったが、いつしか、互いの間には絆が生まれた。そして、2月11日にサポーター有志の手により開催された「ホームタウン福岡 『2009年宣言』 アビスパ福岡・市民のつどい」を経て、改めて市民が支えるクラブとして発展していくことを誓い合った。
この日は、新たな思いで迎えるスタートの日。昨年までは、チームとファン・サポーターの間に越えられない線のようなものが感じられたが、今年の空気はまったく違う。集まったそれぞれの立場は違っても、J1昇格へ向けて大海原に漕ぎだした同じ船に乗っている仲間同士。そんな空気であふれる会場で、みんなの思いはひとつになった。そして、大久保哲哉は会場に集まったすべての人に向かって話した。「今年はホームゲームを全部勝ちたい。そして、レベルファイブスタジアムを満員にしたい。そのためにチームに残った」
ファン・サポーターを代表してエールを送るのは、ちびっこ3人組だ。
「監督、コーチ、選手の皆さん、こんにちは。今日は大好きな監督、コーチ、選手の皆さんと触れ合うことができてすごくうれしかったです。僕たちも将来は、かっこいいお兄さんたちのようにアビスパ福岡の選手になりたいです。そして、誰にも負けない、夢を与えるプレーヤーになって、アビスパ福岡で優勝したいです。レベスタの試合では、僕たちも、私たちも一生懸命応援しますので、J1に昇格してください」
篠田善之監督は、その言葉にJ1昇格の決意を改めて表明することで応えた。
「今シーズン、我々は目標であるJ1昇格に全力で、真剣に取り組んでいきたいと思っています。先ほど挨拶してくれた子どもたちの夢を実現し、胸を張れるように全員で力を合わせて頑張っていきたいと思います。是非、スタジアムに足を運んでいただき、一緒になって51試合を戦ってください。どうかよろしくお願いします」。そして、会場では大きな拍手がわきあがった。
最後にチームを代表して挨拶をしたのは、今シーズンのチームキャプテンに任命された吉田宗弘だ。
「自分たちは多くの人たちに応援してもらっているということ、いろんな人たちの気持ちや思いを背負っているということ、そして、そうした人たちの思いを、自分たちがグラウンドの中で表現しなくてはいけないということを強く感じました。今シーズンの目標であるJ1昇格に向けて、応援してくださる皆さんに気持ちが伝わるプレー、一生懸命さが伝わるプレー、ひたむきさが伝わるプレーをして、ミスや失敗を恐れない姿勢で毎試合頑張りたいと思います。毎試合厳しい試合になると思いますけれども、ぜひ、スタジアムに来ていただいて応援してください」
あっという間に過ぎた2時間の締めは、全員が集まっての記念撮影。市役所の3階からに設置されたカメラに向かって拳を上げた。そして3月7日、「結心」をスローガンに、すべての人たちが心をひとつにして戦うシーズンが始まる。
以上
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2009.03.02 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】福岡:思いをひとつにした日(09.03.02)
会場に足を運んだファン・サポーターは1700人。誰もが、笑顔で新しいシーズンに向けての期待が膨らませている。
ちびっこサポーターからの激励を受けて、笑顔で応える吉田宗弘キャプテン。「いろんな人の思いを背負って戦っていること、その思いを自分たちがグラウンドの中で表現しなくてはいけないということを強く感じた」
選手たちに激励のメッセージを送った3人組の言葉は、監督、スタッフ、選手の心に焼き付いたはず













