3月7日(土) 2009 J1リーグ戦 第1節
鹿島 2 - 0 浦和 (16:04/カシマ/37,878人)
得点者:22' 野沢拓也(鹿島)、51' マルキーニョス(鹿島)
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満員のスタジアムで凱歌をあげたのは王者・鹿島アントラーズ。チームの完成度に違いを見せ、新たなシステムに移行中の浦和レッズを2−0で退けた。
待ちに待った開幕戦ということで、両チームのサポーターは試合前からヒートアップ。鹿島のゴール裏が巨大フラッグを3度入れ替えれば、浦和のゴール裏は赤・白・黒の3色に染め上げた。ライバルチームを相手に、どんなサッカーを披露してくれるのか、期待に胸をふくらませるサポーターの気持ちが見て取れた。
前半、キックオフから飛び出したのは浦和。ラインを高く保ち、中盤の素早いチェックでボールを奪った。特に、左サイドの原口元気がルーキーとは思えない落ち着きで、中盤でタメをつくる。平川忠亮や田中達也のサポートもあり、左サイドからの攻撃が活性化した。
4分、浦和の見事なパス回しから、原口が左サイドで岩政大樹に1対1のドリブルを仕掛ける。ペナルティエリア内で岩政の足にかかり、倒れたものの、PKの宣告はなかった。ドリブルの際に、ボールを少し前に出しすぎてしまったため、ファウルは取りづらい状況だった。だが、新生・浦和を印象づける見事な攻撃だった。
ただし、前がかりになる浦和に対し鹿島は慌てなかった。1週間前のFUJI XEROX SUPER CUPの後半に、G大阪の攻撃を慌てることなく弾き返した自信からか、選手たちは相手の様子を見ていた。
そして5分、ビッグチャンスを迎える。中盤でボールを奪った後、左サイド奥深くに展開。サイドで興梠慎三がキープすると、すぐさま野沢拓也がゴール前に飛び込む。浦和の中盤はこれを掴まえ切れない。野沢はゴールに向かって切れ込み、GKの都築龍太をつり出したあと、ゴール前にフリーで待つマルキーニョスへパスを出した。しかし、これをマルキーニョスが痛恨のトラップミス。体勢を整える間に浦和DFが詰めてシュートをブロック。鹿島は絶好機を逸してしまった。
だが、これ以降、人数をかけて攻撃に出る浦和は、ボールを奪われた後、守備への切り替えの遅さが目立つようになる。逆に言うと、ボールを奪った後の鹿島の出足の鋭さは際だっていた。
22分、その出足の速さで鹿島が先制点を奪う。相手のFKを防いだ曽ヶ端準がすぐさま右サイドのマルキーニョスに展開。パスを受けたマルキーニョスは平川を振り切り、中央へ折り返す。全力疾走でゴール前に詰めてきた野沢が左足で流し込み、電光石火の速さでゴールを決めた。ゴール前には、さらに興梠や内田篤人も詰めていた。浦和の選手は付いて行くことが出来なかった。
追加点も同じような形からだった。51分、今度は相手のCKを防ぐと、中央で野沢がパスを受け前を向く。左のスペースに走った内田にパスを出すと、内田は右サイドで並走するマルキーニョスに美しいサイドチェンジのパスを通した。パスを出したあと、中央と左サイドからゴール前に詰める野沢と内田。さらにマルキーニョスの右外を青木剛がオーバーラップ。いくつもの選択肢を迫られた浦和のDFが詰め切れないままズルズルと下がると、マルキーニョスが鋭いシュートをゴール左に突き刺した。
この2点目については、リスタートを気を付けるよう、ハーフタイムにフォルカー フィンケ監督から指示が出ていたこともあり、試合後の記者会見ではフィンケ監督が「後半の失点に関してはとても大きな怒りを感じました」と悔しさを隠さなかった。
2点を奪われた浦和は、エジミウソンや山田暢久、エスクデロ セルヒオを投入するも、鹿島のDF陣を崩すまでには至らない。対する鹿島は、86分に小笠原満男をピッチに送る。これにはスタジアムの鹿島サポーターも万雷の拍手。主将の復帰を喜んだ。
試合はそのまま動かず、2−0で鹿島が勝利を収めた。
長年親しんだ3−5−2から4−4−2にフォーメーションを変更し、パスを回すことによる攻撃サッカーを志向し始めた浦和。
「パスを回すことはすごく出来たわけですけど、しかし得点チャンスにつながる最終的なパスというのはなかなか出すことができませんでした」
フィンケ監督も、目指すサッカーはまだまだ未完成であることを認めた。ただ、何度か狙いどおりのサッカーを見ることができたことも確か。試合数をこなすことにより、連係は深まっていく。あと1〜2ヶ月後には、美しいサッカーが見られる予感がした。
鹿島は、盤石の強さを示した。チームの一体感はすばらしく、狙い所を全員が共有してサッカーができている。G大阪に引き続き、浦和に対しても強さを示すことができたのは、序盤の大きなアドバンテージだ。運動量が必要な鹿島にとって、夏場の苦しさを考えると、この勢いで勝点を積み上げていきたい。ただ、いまがピークかといえば、まだまだ成長過程だ。これまでブロックの強さは発揮してきたものの、ラインコントロールはいまひとつだった最終ラインがオフサイドを奪い「オプションがひとつ増えた」(伊野波雅彦)という手応えを感じているなど、さらにレベルを上げている。
3年目を迎えるオリヴェイラ体制に、マンネリや停滞感は無縁だ。
以上
2009.03.07 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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