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【AFCチャンピオンズリーグ 水原 vs 鹿島】レポート:鹿島まさかの4失点。徹底してDFラインの裏を突く水原三星の攻撃を防ぎきれず、守備が崩壊する。(09.03.12)

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3月11日(水) AFCチャンピオンズリーグ
水原 4 - 1 鹿島 (20:00/水原/14,126人)
得点者:44' LI WEI FENG(水原)、45+1' EDUARDO GONCALVES DE OLIVEIRA(水原)、82' HONG SOON HAK(水原)、90+1' PARK HYUN BEM(水原)、90+2' マルキーニョス(鹿島)
チケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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ACL制覇を目指す鹿島アントラーズにとって厳しいスタートとなってしまった。韓国Kリーグチャンピオンの水原三星に対して1−4の敗戦。Jリーグ勢を相手に無失点で来ていた守備陣が崩れさった。

試合開始後にペースを握ったのは鹿島だった。
3ー5−2の布陣できた水原三星に対し、3バックのサイドのスペースを攻め立てた。特に左サイドでダニーロが躍動する。10分、鹿島の前線に飛んだボールをダニーロが競り勝ち、左に開いたマルキーニョスへ落とす。マルキーニョスに水原三星のディフェンダーが引きつけられ、ダニーロの前方にはぽっかりとスペースが空いた。そこへマルキーニョスがパスを出し、ダニーロが走り込みながらシュートを放つも、GKイ・ウンジェの正面に飛んでしまった。
さらに12分。新井場徹から左サイドに開いたダニーロにパスが通る。ダニーロはペナルティラインの角あたりにいたマルキーニョスにパス。シュートモーションでDFのタイミングを外しながら、マルキーニョスが右足でシュートを放つも、またもやイ・ウンジェの正面だった。
14分には、中央でボールを受けた本山雅志が右にいたマルキーニョスにパス。これをスルーし、さらに右外にいた野沢拓也がダイレクトでDFの裏に浮き球のパスを出す。そこに本山が走り込んだものの、ボールは少し長すぎて、触ることができなかった。
ただ、この時間帯までは鹿島が良いペースで攻撃を仕掛けていた。

しかし、15分過ぎ、それまで中盤にいたソン・ジョングッを右SBに移し、4−4−2へ布陣を変えると、鹿島がダニーロによって有効に使えていた左サイドのスペースが消えた。ボールを奪えば徹底して、鹿島のDFラインの裏を狙ってきた。執拗なまでの徹底ぶりに、鹿島の選手たちは戸惑ってしまう。ペースは水原三星に移っていった。
国内の試合では、相手のパス回しを封じる抜群の働きを示した青木剛の頭上をボールが行き交う。
「うちがプレスをかけると徹底してロングボールを狙ってきた。その分、DFラインを下げさせられた。相手はノーリスクでも蹴ってきたので、中盤で奪う形がなかった」
さらにDFラインの裏に出た相手のパスに対し、GKの曽ヶ端準が判断を誤る場面が何度か続いてしまう。当の曽ヶ端も「スルーパスや長いパスへの距離感が悪かった。後半は修正できたけど、チームに落ち着きをもたらすことができなかった」と悔やんだ。
何度も何度もDFラインの裏に向かってボールを蹴られるため、中盤は下がりながらセカンドボールや玉際の争いに参加することになり、徐々に出足が鈍っていった。

そして前半終了間際。
44分に、ゴール右からのFKのこぼれ球を、リー・ウェイフォンに叩き込まれ先制点を許してしまった。さらに前半ロスタイム、前線でボールを奪いに行ったプレスをかわされると左サイドに展開される。ニアサイドにFWのイ・サンホが走り込むと、ボールはファーサイドへ。そこにはエドゥーが走り込んでおり、あっという間に2点目を奪われてしまった。
「先に水原の方にゴールを決められてしまったことが痛かったです。先にゴールを決めた水原の方が主導権をもっていたのは当たり前かと思います」
試合後の会見でオリヴェイラ監督が振りかえったように、この2失点が鹿島に重くのしかかった。

後半も、左MFのキム・デイに決定的なシュートで始まり、水原三星が主導権を握る。
鹿島がようやく反撃に移ったのは69分。本山に代わって小笠原満男がピッチに入ってから。中央で小笠原がパスを受けることで、相手が引きつけられ、サイドにスペースができた。こうなるとSBが上がることができるようになる。右サイドの内田篤人が仕掛ける場面も増えてきた。
しかし、82分、とロスタイムに追加点を奪われてしまう。いずれもサイドからの崩しを止めることができずに奪われた失点だった。

「特に19番(キム・デイ)と6番(パク・ヒョンボム)とあとブラジル人のエドゥー選手がすごくがんばっていました」とオリヴェイラ監督が話したように、左サイドに入った金大儀の豊富な運動量とキレのある動きを抑えるのが難しかった。また、これまでつねに先を読んでプレーできていた鹿島の選手たちだったが、パスがまわらないことが、選手たちがスペースに走り込む意志を奪い、さらにパスがまわらない悪循環を生んでいた。楔のパスに対しても動き出しが遅いため、相手選手を後ろから倒すことが続き、チャージングのファウルで取られた。

水原三星は、Kリーグチャンピオンながら開幕戦で惨敗し、試合前日の会見ではチャ・ボングン監督に対し厳しい質問も飛んでいた。プレッシャーのかかるなか、全員が闘争心を持ち、ピッチで戦っていた。鹿島としてはその勢いに気圧されてしまった印象だ。「内弁慶」と言われることが多い鹿島だが、今回もその風評を吹き飛ばすことができなかった。中盤で激しく当たられると脆さが出た。鹿島にとっては最悪の一日だった。

以上

2009.03.12 Reported by 田中滋
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