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【J2日記】福岡:ボールと一緒に歩く旅 栃木編(@国立)(09.03.27)

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ネットを通じて、「国立ゴール裏をネイビーに染めようぜ」と呼びかけた仲間たち。その思いは多くの人たちに伝わった。

上尾市から駆け付けた尾山台イレブンスポーツ少年団のちびっ子たちも、精一杯の声援をチームに送った。

「えっ?平日の国立?集客は大丈夫かなあ」。
 今シーズンの試合日程が発表されたとき、まず、そう思った。栃木のホームゲームで戦う第4節が水曜日のナイトゲームで国立で開催されるとあったからだ。福岡サポーターにとって平日のナイトゲームに駆けつけるのは気軽に出来ることではない。いくら福岡空港が都心部から近いとはいえ、最低でも1日は仕事の都合をつけなければならず、格安ツアーを使っても飛行機利用なら宿泊費を含めて約4万円。より安いルートを使えば、さらに仕事の都合をつけなければならない。

 しかも、J1昇格への待ったなしのシーズンとしてスタートしたものの、第3節を終えて1分2敗とチームは最悪とも言えるスタート。この試合で勝利を得なければ一気に流れは悪くなる。とはいえ、対戦相手の栃木の守備は堅牢そのもの。総力戦で戦わなければ簡単に勝点は手に入らない。チームは1人でも多くの人たちの力を必要としていた。閑散としたスタジアムでの試合は、福岡にとっては決して望ましい状況ではない。

 しかし、その心配をサポーターが払拭してくれた。キックオフ1時間前、福岡サポーターが陣取るバックスタンド自由席に足を運ぶ。目に入ってきたのはいつもと同じ光景。いつものレベルファイブスタジアムの仲間がいる。いつもアウェイゲームに足を運ぶ関東圏在住の仲間がいる。雁の巣球技場に通ってくるいつもの仲間がいる。そして故郷を代表して戦うチームを応援するために初めてスタジアムに来た仲間もいる。その数はキックオフ前に200人を超えた。厳しいチーム状況にも誰もがポジティブ。表情に浮かぶのは、仲間と選手とともに聖地・国立で戦える喜び、来られない仲間の思いを背負う責任、おらが町を誰よりも大事に思う気持ち、そして絶対に勝って福岡に帰るという強い意志だ。

 上尾市(埼玉県)から電車に乗ってやってきたのは、この春に5年生になる尾山台イレブンスポーツ少年団のちびっ子たち。コーチを務める中野さんが田中佑昌の親戚にあたることから応援に駆け付けた。「こんなにたくさんのサポーターが来てくれって良かった」と笑顔を見せるのは、関東在住の仲間たち。ネットを通じて「国立ゴール裏をネイビーに染めようぜ」と呼びかけて、この日を迎えた。そして、応援をリードするのは、いつものレベルファイブスタジアムの仲間たち。コールリーダーが合図を送ると、国立の夜空に福岡への熱い思いがこだまする。

 チームをサポートしたのはバックスタンドだけではない。記者席に戻るコンコースの途中で「昨日中洲川端駅で…」と博多弁の会話が聞こえてきた。記者席裏の喫煙所へ行くと、いつもスタジアムで会うサポーターと一緒になった。そしてメインスタンドにはネイビーのタオルマフラーを巻いた多くの人たちの姿が。後半76分、黒部光昭がピッチに登場すると「黒部!」という掛け声とともに、大きな拍手が湧き上がった。おらが町のチームを支える仲間たちの思いは、ホーム・レベルファイブスタジアムと同じ空気を作り出した。

 そんな思いを背中に受けて戦う福岡は強かった。高い位置からプレスを仕掛け、奪ったボールをポゼッションし、人も、ボールも動かして攻撃を仕掛け続けた。先制点が生まれたのは66分。鈴木惇のロングフィードを高橋泰がつなげて、最後は大久保哲哉が頭で押し込む。そしてその1分後、岡本英也が勝負を決める2点目をゴールネットに突き刺した。「相手の特長を消し、自分たちの特長であるポゼッションサッカーができた」。かつての恩師であり、尊敬する人物である松田浩監督(栃木)と、国立に敬意を表し、初めてスーツ姿で指揮を執った篠田善之監督は胸を張った。

 福岡の町を愛し、福岡のチームを愛し、故郷への思いと誇りを胸に戦った試合。この日の試合は、チームにとって、サポーターにとって、特別な試合になった。

以上

2009.03.27 Reported by 中倉一志
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