4月25日（土）J2 第10節 愛媛 vs 徳島（14:00KICK OFF/愛媛）
スカパー！生中継 Ch179 13:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
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徳島は5節の勝利以降、継続して負けない強さを発揮。現在5試合負けなし（3勝2分）を続けている。さらに前節では強豪・福岡との接戦を途切れない頑張りで制し、チームは勝ち切る強さも見せてくれた。その戦いには普段内容に手厳しいキャプテン倉貫一毅も「福岡に勝ったことは自信に繋がった。素直に喜んでいる」と語ったが、彼の言葉通り福岡戦での勝利によって徳島が大きな自信を得て、もう一段のレベルアップへ向けて一歩を踏み出したのは間違いないだろう。
いずれにしても徳島は今、非常に充実した状態にある。

とは言え、だからこその危険が今節の徳島には潜んでいると言えよう。選手たちが無意識に陥りがちになる、いいイメージの追い掛け過ぎがそれだ。

サッカーのみならずスポーツの世界では得てして好ゲームを演じた後ほど良くない内容が顔を出しやすい。さらに5試合負けなしとなればなおさらで、事実前節対戦した福岡がまさにそうであった（4〜8節まで負け知らずも、徳島戦ではほとんど良さが見られない内容）。理論的に言えば掴んだ勢いを追い風にいっそう前進出来るはずなのだが。
しかしそう簡単にいかないのが勝負の常。そして、選手たちの頭の中に残っているいい戦いのイメージが逆にそうしたマイナスの傾向を引き起こしているように思われる。新しい相手がそれに当てはまらなかった時生じるギャップを修正し切れず、結果バランスを崩すのではないだろうか。そう考えると、今節の徳島はそれを追い掛け過ぎないよう注意すべきだろう。積み上げている積極性や先手を取るプレーなどチームのベースとなるところはＯＫだが、組み立ての形や速度、プレスの掛け方やそのスタート位置など必要な部分については状況に応じてしっかり切り替える柔軟性と努力を見せなくてはならない。今節は今節であり、前節までとは異なる戦いなのだから。

もちろんチームはそのための準備を整えている。緻密に相手を分析し策を練る美濃部直彦監督のもと今節の戦いだけを考えてトレーニングを重ねていることを思えば、前記のような心配はいらないのかも知れない。ただやはり実戦のピッチで起こる事全てを予測するのは不可能。それだけに選手たちは、どのような試合展開になっても対処出来るよう、謙虚な気持ちと全力を尽くす姿勢を改めて持ち直し戦いへ臨まなくては。
倉貫はそれをすでに見据えていたのだろうか。冒頭の言葉の後にこう付け加えた。「全力でやるからこそどのチームにも勝てるチャンスが出てくる。手を抜けば勝てない」。

さて最後になったが、今節は『四国ダービー』である。プライドも懸けた特別な戦いだけに本来ならそれを全面に押し出した熱気溢れるプレビューが適切だったのだろう。ただ敢えてそこに触れずここまで書かせてもらった。なぜなら、控える一戦が他でもないダービーマッチであるからこそ、せめて当日までは冷静に待ちたいと思ったからだ。
その分、明日25日には抑え切れない高ぶりがやってくるに違いないが。

以上

2009.04.24 Reported by 松下英樹