4月25日（土）J2 第10節 愛媛 vs 徳島（14:00KICK OFF/愛媛）
スカパー！生中継 Ch179 13:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
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JFL時代からのライバル、草津に敗れてから1週間。ただ、草津が「ライバル」だと言っても、最近の愛媛には過去の事情を知らない人も多くなった。草津や今節対戦する徳島(当時・大塚製薬)と、JFLでしのぎを削っていたのは既に5年前のこと。これも致し方のないところなのかもしれない。それでも、5年経っても10年経っても徳島が「ライバル」であることは皆が承知している。同じ四国に本拠地を置くクラブ同士、互いを意識しないはずはない。瀬戸内海を越えた「海外」のクラブと戦うこととは訳が違う。それほど、愛媛と徳島には濃密な関係があるのだ。

「1年間愛媛にいると、サポーターも(四国ダービーを)意識しているし、メディアも含め全てにおいて(扱いが)違っている」と、愛媛で2年目を迎える横谷繁は四国ダービーを取り巻く環境について語ってくれた。一昨年、愛媛に所属していたジョジマールも、甲府に所属していた昨季はスカパーを通じて愛媛のことを応援し、3度目(9/27＠鳴門大塚)の対戦では悔しい思いをしたそうだ。愛媛の選手ではないが、4月21日の【J2日記】に登場した熊林親吾もしかり。愛媛や徳島の人間でなくとも、一度体感すれば忘れられないダービーとなる。

その四国ダービーが今週末、またやってくる。今季の徳島は大幅な戦力補強を行い、現時点で4勝3分2敗(6位)と好スタートを切っている。愛媛もこれまで3勝3分3敗(9位)とまずまずの出足を見せているが、過去のJでの対戦では、互いが下位に甘んじた状態での対戦が多かった。しかし今回はこれまでとは違い、勝てばさらに上位を目指すキッカケも得られる。「ダービーはチームとしても勢いをつける鍵となる試合。どんな形でも結果を出したい」と望月一仁監督も語っているが、今節の結果が両チームの今季の成績を左右すると言っても過言ではないだろう。

ここで、改めて冒頭に出た昨季の対戦成績を振り返る。数字の上では2勝1敗と、結果的には愛媛が勝ち越したが、ジョジマールが言った3度目の対戦では0対5の完敗。この敗戦で、先に2勝をあげた優越感はすっかり吹き飛んだ。「去年やられた分は取り返さなければならない」(金守智哉)、「(6試合勝てていないし)ダービーでスカッと勝ちたい」(内村圭宏) と、当然のように強い意気込みを見せる愛媛の選手たち。しかし、今節は最近5試合負け無しの徳島、6試合勝利がない愛媛と現在の両チームは好対照な状況にある。くどいようだが、昨季の3戦目の状況も踏まえれば今回の立場は完全にチャレンジャーとなる。

さらに「どうすれば自分たちの強みを出せるかを考える」と望月監督は語ってくれたが、開幕3連勝のあと行き詰まりを見せた愛媛にとっては自らを見つめ直し、再び勢いを取り戻す重要な一戦。速攻からポゼッションを高め、マイナーチェンジを加えてきたチームが脱皮を果たし一回り大きくなるためにも、今節の四国ダービーは負けられない大一番となる。

余談になるかもしれないが、愛媛は草津・徳島との連戦をJリーグで過去にも何度も繰り返してきた。その連戦だけの勝敗をピックアップすると5勝2分5敗。何の因縁か、昨季は3回とも草津戦と徳島戦がセットになっており、その結果はすべて1勝1敗。これまでの連戦では、連勝もなければ連敗もない。「ライバル」との連戦はそれだけ難しく、白熱した対戦が続いている。その過去も踏まえても、草津に敗れたあと、今節の四国ダービーで敗れるわけにはいかないのだ。

以上

2009.04.24 Reported by 近藤義博