5月5日（火）J2 第13節 富山 vs 熊本（13:00KICK OFF/富山）
スカパー！生中継 Ch183 12:50〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
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　初の連勝で勢いに乗る富山がホームで３連勝を狙う。10日間で４試合を行う１年で最も過密なスケジュールを締めくくる一戦。富山、熊本ともに「人もボールも動く」を理想に掲げており、生命線となる運動量をどれだけ持続できるかがポイントになる。精神的、肉体的な強さ、選手層の厚さなどチームの総合力が試される。

富山は前節、同じ新加入の栃木を４−０で下した。４戦負けなしの４勝目で８位に浮上。昨季JFLを戦ったのと変わらぬメンバーが、J２で堂々と渡り合っている。
　栃木の松田浩監督は、敗戦後の会見でこう語った。「富山というチームにディシプリン（規律）を感じた。それが彼らをここまで勝たせている要因だと対戦して分かった。サッカーというのは、すごくレベルが違えば別だが、見かけではなくディシプリンとディテールが勝負を決める。自分もそういうところを理想にしており、手本になるチームと出会った」。
楚輪博監督に感想を求めると「チームづくりをして２年目になるからね。うちでは『規律』より、規則とか、組織力と言っている。まぁ下手くそは走るしかないということです」と笑った。目指しているサッカーがピッチ上で表現され、好結果に結びついている。

勤勉で我慢強い組織ディフェンスと、 GK防御率リーグトップの中川雄二の好セーブによって、失点８はリーグ２番目に少ない。前節の２点目、FW木本敬介はフォアチェックからDFのバックパスを全力で追い、GKのキックをチャージしてそのまま叩き込んだ。「あきらめない」「常に挑戦」というチームのポリシーを象徴するようなゴールだった。
試合を重ねるごとに中盤でのパス回しにミスが少なくなり、攻撃に割ける時間が増えてきた。第６節まで得点２と決定力不足に苦しんだが、その後の６試合では１１点を挙げている。前節でルーキーDF舩津徹也と初出場のFW松下和磨が得点するなど、サブから抜てきされた選手が次々と期待に応えてチームに活気を与えている。
前日の練習場では50人を超すサポーターがトレーニングの様子を見守った。開幕以来の奮闘ぶりは地元ファンに確実に伝わっているようだ。高まる期待に勝利で応えたい。

熊本は、チームリーダー藤田俊哉の初ゴールをきっかけに４−２で逆転勝ちした前々節の東京V戦が好内容。ゆるやかに成熟度を上げているとみてよい。前節の岡山戦はポゼッションしながらもシュートは７本に止まり、１−１のドロー。ゴールへの積極性を高めてくる今節は攻撃にさらに迫力が加わるだろう。既に５得点を挙げているFW木島良輔の存在は心強く、相手にとっては脅威。06、07年のJFL時代、富山の前身２チーム（YKK AP、アローズ北陸）との通算成績は５勝３敗だった。現在12位と順位では富山の下にあるが、Jリーグ２年目の意地をみせて先に５勝目をつかみたいところだ。

以上


2009.05.04 Reported by 赤壁逸朗