5月5日(火) 2009 J2リーグ戦 第13節
湘南 1 - 0 愛媛 (17:03/平塚/5,148人)
得点者:55' トゥット(湘南)
スカパー!再放送 Ch183 5/7(木)12:30〜(解説:川本治、実況:関根信宏、リポーター:安田美香)
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試合が動いたのは後半開始間もなくのことだった。湘南が自陣で奪い、寺川能人からアジエルへと縦に繋ぐ。さらに寺川はアジエルを追い越し、パスを受けるやすかさず相手GKとDFとのあいだに低空クロスを通した。走りこんだのは、前節に次いでスタメンとなったトゥットだった。
寺川の鋭いクロスに、このときトゥットは一歩届いていない。ただ、前半からリスク管理をしっかりと施していた愛媛にとって、DFの背後を突かれた場面はこのシーンまではほぼ見当たらなかった。試合開始が近づくにつれて強まった雨脚も、両者の立ち上がりをいっそう手堅いものにしていたのだろう。
愛媛の望月一仁監督が明かす。
「湘南は攻守の切り替えが速い。だからそこは今日のポイントとして、切り替えをさせないようできるだけ攻撃をやりきるようにした。またカウンターに備えて後ろをしっかり守るようにしていた。守備を一度固めてから後半ギアチェンジしようと思っていた」
その愛媛に対して前半、湘南もプレスをかけて次第に流れを掴んでいった。コーナーキックでは山口貴弘がヘッドを叩きつけ、前節決勝点を挙げた中村祐也もアジエルとトゥットとの連係からゴール前に攻め入る。坂本紘司や寺川もスペースに走りながらリズムをつくった。かたや愛媛も、古巣相手に燃える大山俊輔らサイドを中心に攻め、30分には内村圭宏のスルーパスからその大山を経て、松下幸平がゴール前に飛び込んでいる。だが「真ん中がしっかりしている」と青野大介が評したように、湘南のDF陣は堅く、両サイドバックの絞りを含めて中央を容易には割らせない。
そうした両者の堅い展開を打破したのが、55分の湘南の攻撃だった。瞬時にDFの背後をとられた愛媛には狼狽もあったかもしれない。トゥットが届かなかったクロスを中村がフォローし、ふたたび動き直したトゥットに預ける。「前半は愛媛が真ん中を締めてきたのでパスを選択する場面が多かった。その分、相手がほかの選手に引きつけられたかもしれない。あのゴールは俺がやりたかったプレーさ」試合後、殊勲のストライカーは振り返っている。中村からのボールを足下に収めると、コースを見極め、シュートを刺した。昨季7試合で5得点――それもすべて途中出場で――を挙げた点取り屋の、待望の今季初ゴールだった。
ビハインドを背負った愛媛はジョジマールと千島徹、そして田中俊也を投入して追撃する。大山が強烈なミドルを放てば、ジョジマールとの連係から田中もシュートを狙った。またDF柴小屋雄一もパワープレーに打って出た。しかしジャーンと村松大輔を中心とする守備は堅く、最後は阪田章裕の加入後初出場とともに磐石を期した湘南が勝利の笛を聴いた。
「ある程度狙い通りには進んだが、先手を取らなければ上位との戦いは厳しい」試合後、望月一仁監督は唇をかんだ。愛媛は次節、東京Vをホームに迎える。いまだホームでは未勝利の相手だが、この日の敗戦の悔しさを晴らしたい。
一方、反町康治監督は言う。
「このような天候なので、お互いに難しい部分はあった。ただそうしたなかでも勝点3を取れたことは評価していいと思っています。トゥットがしっかり最後の仕事をしたこともよかった。チーム内の競争があってこそ相手との競争があると私は考えている。つぎのゲームもまた相手の状況を踏まえてベストの選択をし、気持ちよく選手たちを送り出したい」
湘南は次節、水戸のホーム笠松に乗り込む。田原豊の出場停止が解ける代わりに、「いまの湘南の生命線」ともGK野澤洋輔に言わしめた田村雄三を欠く。だが選手の特性を見極め戦略を練る指揮官のことだ。好調を維持する水戸に対していかなる布陣で臨むか、シーズンを見通したうえでも非常に興味深い。
以上
2009.05.06 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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