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【AFCチャンピオンズリーグ 川崎F vs 浦項】プレビュー:勝ってグループリーグ1位通過を決めたい川崎F。勝点1差で追いすがる浦項とのホームでの直接対決に臨む。(09.05.19)

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5月19日(火)AFCチャンピオンズリーグ 川崎F vs 浦項(19:00KICK OFF/等々力
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☆ACL1位突破へ!2人3客運動(告知ムービー1告知ムービー2
ホームチケット情報 | 決勝戦は11月7日(土)に国立競技場で開催!
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 順調に勝点を伸ばしてきていた川崎Fにしてみれば痛恨の展開である。

 グループリーグ(GL)1位通過をかけ、アウェイで天津と戦ったその数時間前。浦項と対戦していたセントラルコースト・マリナーズ(CCM)が一度は逆転に成功。そのままのスコアで試合が終われば天津戦を戦わずして目標のGL1位通過が決まっていた。ところが試合はデニウソンがハットトリックの活躍を見せ浦項が再逆転に成功。川崎Fは天津戦での勝利が必要な状況となる。

 その天津戦は「前節の中国での天津戦がサッカーにならなかった」(ジュニーニョ)という荒れた展開となり敗戦。結局GL1位確定は浦項との最終節での直接対決に持ち越される事となった。

 他力(浦項対CCM)と自力(川崎F対天津)の2試合で、この浦項戦は消化試合にできていた可能性があり、その点で川崎Fにとっては難しい試合であるといえる。また、GL敗退の可能性もあった浦項にしてみれば、一気に1位通過が見えてきたという点で、モチベーションを高く保てる状況であるといえる。

 そうした中、川崎Fに対するメリットがあるとすれば、前節の磐田戦に引き続いてホームの等々力で対戦できるという点だろう。というのも今季の川崎FはACLのアウェイマッチ後の国内での試合が3度ともアウェイで行われており、移動の苦労を痛感させられてきたからである。それだけにホームで2試合を連続して戦える事の恩恵の大きさを身にしみてわかっている。

 また等々力のサポーターの後押しも選手たちには力となる。17日時点でチケットは発券ベースで1万5〜6千枚を超えているが、さらなる観客動員を目指しクラブ側は「2人3客運動」というキャンペーンを展開。最終的に1万8千程度の観客を目指している。3月の韓国でのアウェイでの対戦時には、スタンドを埋めるためか、2階席に黒っぽい制服を着た軍隊かもしくは警察を大量に動員していた浦項に、ホンモノの観客のパワーを見せつける試合にしたいところである。

 そうした状況の中、今季Jリーグ初完封を飾った磐田戦の最終ラインから累積警告により森勇介が欠ける事となった。結果を出したディフェンスセットはいじらないというのはサッカーにおけるセオリーだが、【浦和戦での勝利→最終ラインを2枚を入れ替えた磐田戦】という変更に続き、この浦項戦もその磐田戦の最終ラインから1枚を入れ替える必要が出てしまった。

 右サイドバックという重要なポジションをどう手当てするのかは大事な問題だが、磐田戦の終盤に交代した森に代わり右サイドバックに入った久木野聡をそのまま起用するパターンがもっともリスクの低いやり方であろう。もちろん、今季の公式戦出場時間がわずか3分にとどまる久木野の先発はリスク要因になるが、それをも見越した上での磐田戦の交代采配なのであれば関塚監督の洞察の深さに脱帽せざるを得ない。もちろん過去の実績を重視し、菊地光将と共に磐田を完封した井川祐輔を右サイドバックに移し、伊藤宏樹と菊地を組ませるというやり方もありうる。ただ、この場合、左サイドバックの選手選考を含めて完封した磐田戦から菊地を除く3つのポジションで選手の入れ替えが必要となりハイリスクである。磐田戦からの流れを継続させるのか、それとも過去の実績を取るのか。いずれにしても最終ラインの編成については、関塚監督の采配に注目である。

 守備さえ安定すれば、調子の上向いてきたジュニーニョを中心とした攻撃陣がゴールを陥れる可能性は十分に高い。2試合連続得点と結果を出している事もそうだが、スピードを生かしたチャンスメイクにも冴えを見せるジュニーニョが活躍する事で、コンビを組む鄭大世のプレーも生きてくる。川崎Fの攻撃を活性化させる起爆剤としてのジュニーニョの活躍が川崎Fの鍵を握りそうである。

 前述の通り、デニウソンのハットトリックでCCMを下した浦項は、今季のKリーグでは9試合を終えて1勝2敗6分けの9位と低迷。またACLでもここまでのGL5試合で2勝3分けと、引き分けの多さが際立っている。決して強いとは言いがたい浦項ではあるが、彼らはこの試合で勝たなければ、ラウンド16でG大阪とアウェイでの一発勝負に臨まなければならないという事の意味を理解しているはず。その点について関塚監督は「向こうは勝ちに来る。(決戦という決意で)相手もくると思います」と表情を引締めていた。

 勝点で浦項を1点上回る川崎Fは、引き分けでも1位通過が決まる。ただ、そういう状況だからこそ「難しいと思う。引き分けでいいと考えるのはダメだし、ホームだから引き分けでいいという事もないですから」と決意を語る谷口博之や「引き分けのつもりはないが、守ろうとして守れるものでもない。しかも今回はホームですしそんな事はできない」と話す伊藤のように川崎Fの選手たちは例外なく勝利への強い意欲を口にしていた。もちろんだからといって闇雲に攻め込む事はないだろうが、こう着状態もありうるという点では82分まで得点を奪えないながら焦れることなく試合を進めた磐田戦の経験が生きてくるだろう。

 3月の対戦時には4-3-3の布陣を敷いていた浦項のシステムがどうなるのか。メンバー選考を含めて注目したいところだ。また、引き分けを狙って試合を始める事はないという川崎Fと、勝利以外に1位通過の可能性がない浦項との対決は、序盤から激しい打ち合いになるのか。それとも共に守備に気を使う穏やかな展開になるのか。どうやら90分間目の離せない試合になりそうである。

以上

2009.05.18 Reported by 江藤高志
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