5月17日（日） 2009 J2リーグ戦 第15節
Ｃ大阪 5 - 3 水戸　（16:04／長居／5,116人）
得点者：25' マルチネス（Ｃ大阪）、33' 高崎寛之（水戸）、37' 香川真司（Ｃ大阪）、38' 遠藤敬佑（水戸）、60' 石神直哉（Ｃ大阪）、77' 香川真司（Ｃ大阪）、87' 香川真司（Ｃ大阪）、89' 高崎寛之（水戸）
スカパー！再放送 Ch182 5/18（月）17:30〜（解説：長谷川治久、実況：小澤昭博、リポーター：森田純史）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
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　攻め合いが予想されたＣ大阪と水戸の一戦。前半に主導権を握ったのはホームのＣ大阪。小松塁、香川真司、乾貴士の前線トリオのコンビネーション、マルチネスのキープ力などを活かして、狭い地域でも細かくつなぐなど、序盤からＣ大阪らしさを見せると、25分に先制点を獲得。中央、ペナルティーエリア手前でマルチネスが左足で相手を軽くかわすと、本来利き足でない右足でシュート。これが「DFに当たったというのもあって、運よくGKの反対側にボールが飛び、ゴールにつながった」（マルチネス）。

　しかし、ここから前半はシーソーゲームの展開に。33分、水戸が1本目のCKを起点に、Ｃ大阪のクリアをカットした右MF遠藤敬佑の右クロスからファーサイドの高崎寛之がヘッドで決めて1-1に。その4分後、今度はＣ大阪が香川のスルーパスから小松が一瞬のスピードを活かしてエリア内でボールに触り、GK本間幸司のファウルを誘ってPKを獲得。これを「（PKを蹴るのは）Jリーグでは初めて」という香川が落ち着いて決めて2-1とする。それもつかの間、水戸もキックオフリスタートからすぐさま反撃し、左DF小澤雄希の左クロスフィードを高崎が胸で落とすと、吉原宏太がつなぎ、これを右MFの遠藤が豪快に右足で叩き込み、再び2-2と振り出しに。局地戦でもＣ大阪DFチアゴと水戸FW高崎が激しくぶつかり合うなど、タイトな争いが見られた試合は、予想通り打ち合いの様相を呈して2-2のままハーフタイムを迎える。

　後半になると、Ｃ大阪がホームで勢いを加速。「うまくギャップにパスを通してくるだけの技術が（Ｃ大阪には）あるし、それをやられているうちに後半は徐々に下がっていってしまった」（木山隆之監督）という水戸に、その力を見せ付ける。実を結んだのは60分。香川からボールを受けた右ワイドMF平島崇がグラウンダークロス。中で小松がDFをひきつけると、逆サイドゴール前に入り込んでいた左ワイドMF石神直哉がフリーで押し込み、3-2と勝ち越しに成功する。

　なおも追加点を狙うＣ大阪、レヴィークルピ監督は、足をつらせた小松に代えて74分に今季初ベンチ入りしていたFW西澤明訓を投入。3年ぶりにリーグ戦で長居のピッチに立った20番の登場で、スタジアムのボルテージは最高潮に達する。指揮官も「素晴らしい技術と経験を持っている」と絶賛する西澤は実践のブランクを感じさせないプレーを披露すると、早速交代3分後にはＣ大阪の4点目に貢献。FKのクイックリスタートを受けたマルチネスの縦パスを西澤は絶妙のスルー。このボールを裏で受けた香川が、冷静にGKをかわしてゴールを決めた。

　さらにその香川は87分に石神の左アーリークロスをスライディングシュートで押し込み、この日3点目、自身Jリーグ初のハットトリックを達成。エースの得点ランキングトップに立つゴールで水戸を突き放したＣ大阪は、終了間際に水戸の高崎にゴールを許すも、リードを守り切り、ホームでしっかり勝点3を獲得した。

　同日、湘南が草津と引き分けたこともあり、水戸戦の勝利で首位湘南と勝点で並んだＣ大阪。ただし、「水戸は数少ない決定機をほぼ決められたのに対して、Ｃ大阪はそれよりも遙かに多い決定機を作りながら、5点しか取れなかった。勝つべくして勝ったと言えるが、終了間際の3点目は非常に残念な失点だった」と、レヴィークルピ監督は今後に向けての反省も忘れなかった。

　一方の水戸、木山監督は「結果は3-5も、苦しいチーム事情のなか、選手たちはよくベストを尽くしてくれた」と、負傷者続出や出場停止で選手が足りないような厳しい状況のなか、最後まで奮闘したイレブンの労をねぎらっていた。

以上

2009.05.18 Reported by 前田敏勝