5月24日(日)J2 第17節 栃木 vs 水戸(13:00KICK OFF/栃木グ)
スカパー!生中継 Ch182 12:50〜(解説:田中真二、実況:篠田和之、リポーター:萬代裕子)
☆顔写真クイズ|勝敗予想ゲーム
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木山隆之監督が神戸ユースの監督をやっていた頃、神戸のトップチームの監督を務めていたのが、栃木の松田浩監督であった。当時、木山監督はトップの練習を見学に行き、よく松田監督からアドバイスをもらったという。「松田さんは人間的に尊敬しています。何事にも誠実で、すごく真剣に仕事をする人。こうして試合ができるのは本当に幸せ」と松田監督に対しての思いを語った。師弟関係とは違うが、2人はそれに似た関係と言えるだろう。しかし、目指すサッカーの方向性は対照的だ。「松田さんは本当に守備の組織を作るのはうまい。あれだけしっかりゾーンを作って守っているのはJ2では栃木だけ」と木山監督が語るように、松田監督は組織的な守備を基盤にチームを作り上げる手腕に長けた監督と言えよう。しかし、木山監督は正反対だ。攻撃からチームを作り上げ、守備に関しても攻撃をするための守備という意識付けを植えつけた。攻撃的なチームを作るスペシャリストである。松田監督の築く「守」のチームを、木山監督が育て上げた「攻」のチームが打ち砕くことができるか。そこが最大の見所だろう。
前節札幌戦は水戸にとって大きなゲームとなった。2戦連続5失点を喫して挑んだゲームで、「勝っていたときの感覚を思い出した」と大和田真史が言うように、前線からの積極的なプレスで札幌の攻撃を封じ込め、強力な攻撃陣を要する札幌を相手に無失点で切り抜け、守備の立て直しに成功することとなった。出場停止でスタンドから見ていた森村昂太は「悔しいけど、前節は今季ベストゲーム。全体として1つとなっていて、連動性があった」と語るように、今季の水戸の強みである前線からの連動した守備を取り戻すことができた試合となった。
ただ、その反面、「相手の攻撃を意識しすぎていい形で前に出れなかった」と木山監督が述懐するように、サイドバックとボランチが守備に追われてしまい、攻撃の厚みを欠くことに。シュートはわずか6本。「シュートが少ないのは水戸のサッカーではない」と吉原宏太が語るように、水戸らしい迫力のある攻撃サッカーを見せることができなかった。「守備に集中しながらも攻撃でパワーを出せるチームにならないといけない」と吉原は言う。今節の相手である栃木は守備力に定評のあるチーム。前節も草津は栃木の守備を崩すことができずに粉砕された。栃木のカウンター攻撃をしっかりとケアしながら、どれだけ攻撃の意識を持って戦うことができるか。ポイントはサイド攻撃だ。中盤でしっかりパスを回して、サイドバックがオーバーラップする時間を作ることが求められる。そのためにも試合の主導権を握らなければならない。小澤雄希、保崎淳の攻め上がりの回数が水戸のリズムのバロメーターとなるだろう。鋭いサイド攻撃から堅固な栃木の守備を切り裂きたい。
栃木との北関東ダービー初戦、スタジアムはサポーターの熱気で燃え上がるであろう。しかし、「正直、ダービーという意識はない」と吉原が言うように、チーム内に栃木に対して“ライバル”として見る目は皆無に近い。それもそのはず、これまで何度もしのぎを削ってきた草津とは違い、栃木とは何の因縁もないからだ。さらにJ2参入10年目を迎える水戸に対し、栃木は今年1年目。ライバルとして肩を並べるのはいささか早すぎるだろう。6位と15位という結果が、その歴然とした差を物語っている。水戸側からあえて意識する必要はないのだ。
とはいえ、チーム内に浮ついた雰囲気があるわけではない。「栃木はこれまで拮抗したゲームが多いし、この試合も難しい試合になる。ウチは上の順位にいるという意識もない。何の油断もない」と吉原は自らに言い聞かせるように語っている。また、けが人が多く、苦しい台所事情が続くが、逆にチーム内の競争意識は強くなり、「いい緊張感が保たれている」(吉原)。さらに、湘南からFW山本孝平の期限付き加入という新たな刺激もあり、第2クールでのさらなる浮上を狙える雰囲気が漂っているのだ。そのためには第1クール最終戦の今節は絶対に勝たないといけない一戦。水戸としてはとにかくただ目の前の敵をぶった切る――その強い気持ちを持って挑む一戦なのである。
「栃木戦は内容にもこだわりたい」と吉原は言う。結果だけでなく、内容でも大きな差を見せ付け、栃木が水戸に対してライバル意識ではなく、尊敬の念を抱くような90分になることに期待したい。草津の轍は踏むわけにはいかない。「北関東」を踏み台に、水戸はさらなる高みへとまい進する。
以上
2009.05.22 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第17節 栃木 vs 水戸】水戸側プレビュー:草津の轍を踏むわけにはいかない。攻守で圧倒し、栃木にライバル意識ではなく、尊敬の念を抱かせる勝利を!(09.05.24)
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