5月23日(土) 2009 J1リーグ戦 第13節
山形 0 - 0 京都 (16:04/NDスタ/6,554人)
スカパー!再放送 Ch183 5/25(月)11:00〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
☆勝敗予想ゲーム
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山形のキックオフ直前、京都の布陣を見ると安藤淳が中央でセット。では佐藤勇人を右に張り出すのかと見れば、佐藤勇も中央付近にいる。キックオフと同時に、やはり中央付近にいたシジクレイがスルスルと最終ラインに吸収されていき、GK水谷雄一にもっとも近い位置でプレーを始め、1分に山形・ 廣瀬智靖のミドルシュートがそれ、ゴールキックに移ったときも、水本裕貴、李正秀と歩調を合わせるようにゆっくりとラインを上げていく。立ち上がりこそ右・渡邉大剛、左・角田誠の両サイドのポジションが低く、見分けがつきにくかったが、それは確かに3バックだった。
リーグ戦では最近3試合で2勝1分け。それだけであれば手を入れる必要はなかったが、3日前のヤマザキナビスコカップ神戸戦では0−1と敗れ、さらに 右サイドバックでプレーする染谷悠太が一発退場で今節は出場停止という状況に、加藤久監督が下した決断だった。しかし加藤監督は、3バックが対山形用の奇襲であることをやんわりと否定する。「水本と李正秀に2トップへのボールを潰しやすいような形をまずつくろうと思いましたので、シジクレイをセンターバックのポジションまで下げた。それによって、両サイドのサイドバックを高い位置に持っていって、サイドからえぐって崩そうという狙いも同時にありました」
「ディフェンスラインでのプレーは久しぶりだった」(シジクレイ)という慣れない3バックは序盤、確立していない連携の脆さを突かれる。6分にはギャップを突いて左スペースへ長谷川悠が飛び出した。ここは秋葉勝からのパスが通らなかったが、13分の石川竜也の左クロスでは完全に抜け出され、長谷川に右足で合わされる。GK水谷雄一の好セーブがなければ、あわやという場面だった。ただ、時間とともにそうした綻びは修正されていく。10分過ぎには山形がいったんラインを落とし、ブロックを形成する守備に移ったが、1トップ気味に前線に残る長谷川に対し、3バックが対応して起点をつくらせなかった。
リーグ戦で3連敗中の山形は、ナビスコカップ清水戦で大幅に選手を入れ替えるとともに、チームとしてプレーする原点に立ち返り、1−0と勝利。堅守・復活の兆しを見せていた。この試合でもFW財前宣之、MF廣瀬智靖、DF小原章吾が清水戦に続いて先発メンバーに名を連ね、集中力の高い入りを実現していた。ボールには厳しくアプローチしてコースを限定し、パスを受けようとスペースへ走る相手にも人数を不足させることなく付いていく。そうして奪ったボールに対し、京都の3トップは前線からプレッシャーをかけてきていたが、引き気味の中盤との連動性は感じられなかったため、山形がハーフウェイラインを越えてボールを運ぶことはそう難しいことではなかった。ただ、そこからトップへ当てる段階では「ボールの質やコントロールが合わず、なかなか機能しないところもある」(小林伸二監督)と、高い位置で起点がつくれずにいた。
前半のシュート数は山形4本、京都2本。京都は前半早々に佐藤勇人が怪我で退いたアクシデントもあったが、中盤からトップへの、あるいはトップ同士でのラストパスが寸断されているという根本的な問題があった。その勢力図が一変したのが後半。54分、パウリーニョに変えて豊田陽平を投入。豊田がギャップを突いて裏で起点をつくろうとする動きに呼応し、左サイドでプレーしていた林丈統が広くなったバイタルを使い始めた。66分には、林の縦パスを中央でディエゴが落とし、そこへ絡んだ豊田がシュートを放つなど、前線での連携も見られるようになってきた。
また、山形は前半に負傷した小原章吾に代わり、身長165cmの宮本卓也が右サイドバックからスライドしてセンターバックに入ったことも、拮抗した試合の行方をおもしろくしていた。宮本は豊田をファウルで止める危ない場面がありながらもなんとか体を当てて対応していたが、セットプレーでは180cm以上のフィールドプレーヤーが京都7人に対して山形は2人。宮本が187cmのシジクレイをマークする信じられないようなミスマッチも起きていたが、高さでアドバンテージのある京都も山形の粘り腰に遭い、後半だけで得たCK7本、直接FK7本を得点に結びつけるまでには至らなかった。終盤には、佐藤健太郎のインターセプトから山形が攻め込んだが、ロスタイムの石川のフリーキックもGK水谷に阻まれ、両チームとも無得点のまま、中断前最後のリーグ戦を終えた。
山形は3連敗が響き、5月の5試合で獲得した勝点はわずか2にとどまった。しかし、チームは回復基調に乗っている。攻撃に関しては物足りない部分もあるが、小林監督は「失点0で、今はしっかりと耐える時期」とあえて目をつぶり、今後の成長を促していく。一方、シュート18本で無得点というこの試合について、「最後までストレスが解消しないゲームだった」と話す京都・加藤監督も、リーグ戦4試合負け無し、その間の失点1というチーム状況については、「ゲームの運びとか、やってるサッカーの中身に関しては、だいぶチームのやろうとしていることが徐々に表現できるようにはなった」と一定の手ごたえを得ている様子だ。まだ安全圏に逃れていない両チームにとって、ヤマザキナビスコカップが行われる中断期間は大事な時期になる。
以上
2009.05.24 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第13節 山形 vs 京都】レポート:互いに相手の守備を崩せず、スコアレスドロー。山形は連敗を3でストップし、京都は負け無しを4に伸ばす。(09.05.24)
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