5月28日(木) 2009 J2リーグ戦 第18節
徳島 2 - 2 C大阪 (19:04/鳴門大塚/2,782人)
得点者:2' ペスンジン(徳島)、6' 前田和哉(C大阪)、47' 小松塁(C大阪)、89' 石田祐樹(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 5/29(金)20:00〜(解説:西村昭宏、実況:三宅きみひと、リポーター:藤原美佳)
☆勝敗予想ゲーム
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徳島にとって今節はホームでの100試合目。J参戦5年目に迎えた大きな節目のゲームであったと言えよう。そして、そのメモリアルな一戦で、チームは鮮烈な記憶として長らく消えることのないであろう劇的な戦いを演じた。後半もロスタイムに入り、それももうほとんど残っていなかったまさしく土壇場での執念の同点劇─。
6試合ぶりの勝利こそならなかったものの、首位・C大阪相手に徳島がもぎ取ったこの勝点1はクラブにとってもファン・サポーターにとっても特別なものになったと言えるだろう。
プレビューでも挙げたが、この戦いにおける徳島の勝負ポイントは間違いなくサイドの攻略にあった。事実、美濃部直彦監督は3-5-2を採用。両翼を高い位置へ配するシステムで首位チームに戦いを挑んだ。また指揮官は選手起用でもその狙いをハッキリと表す。右に麦田和志、左に筑城和人と、前へ出るスピードとタイミングに長けたこの2人に重要な使命を託したのだ。
ただ、C大阪の両サイド酒本憲幸、石神直哉、カバーに入るボランチ藤本康太の守りに阻まれ、その麦田と筑城はなかなか仕事をさせてもらえない。チームとしてのワイドなボール回しでタッチライン際に張る彼らへボールを渡すが、深い位置まで侵入するには至らなかった。すると開始早々互いがセットプレーで点を取り合った後の試合の流れはゆっくりとC大阪に握られていく。最大限の警戒を払っていた乾貴士にもたびたび前を向かれ、ヒヤリとするシーンを作られた。前半終了直前に、徳島も先制点を挙げたペ スンジンがゴールポストを強襲するミドルシュートを見せたとは言え、リズムはやや追い付いたC大阪にあったと言っていいのではないか。
さらに後半立ち上がりの47分には、逆にサイドを突かれ徳島は逆転を許すことに。濱田武と酒本に右奥エリアを破られ折り返されると、中央へ飛び込んできた小松塁にネットを揺らされてしまった。
しかしながら、「今日の後半は気迫を全面に出して戦えたと思います」とキャプテン倉貫一毅も振り返ったが、徳島は試合をひっくり返されたことにも動じず自らのアグレッシブな戦いを貫く。ボランチの青山隼がセカンドボールに鋭く反応し献身的にそれを拾えば、最終ラインの登尾顕徳もがバイタルエリアでC大阪守備陣をドリブルでかわしてフィニッシュ。チームはゴールへのあくなき意欲を見せ続けると、ついに冒頭のシーンが訪れる。そしてそのチャンスを切り開いたのは重要な使命を託されながらここまで決定機を作り出せていなかった麦田であった。
右サイドでボールを受けた麦田は最後の力を振り絞って勝負を仕掛け、寄せてきたC大阪・石神をこの試合初めて完璧に突破しセンタリング。そのボールをゴール正面で待ち受けた石田祐樹が渾身のジャンプで捕らえ、叩きつけるヘディングで決めた。その瞬間スタジアムを揺らすほど大きなホームサポーターの歓声が響いたのは改めて言うまでもないだろう。
徳島の見せた勝負に対する強い気持ちと姿勢。いずれにしてもそれがこのドラマチックな結末を引き寄せたのは間違いない。消極的になり敗戦を喫してしまった前節・甲府戦の反省をチームがしっかりと活かしたからこその結果であろう。加えて、同点劇の直前に退席処分となってしまったが、美濃部監督の戦う気迫が選手たちに最後のパワーを与えたことも忘れてはならない。この情熱溢れる指揮官のもとなら徳島はまだまだ進歩を遂げられるはずだ。
対してあと一歩のところで追い付かれ6連勝を逃したC大阪だが、やはり突き放す3点目が取れなかったことが何より痛かったと言えるだろう。とは言え、カイオ、香川真司に加えマルチネスも欠きながらしっかりと勝点を持って帰るところはさすが。選手層の厚さと組織としての高い完成度が感じられ、その力から今後も首位戦線を引っ張っていくのは間違いないであろう。まだまだリーグは長丁場だが、その足取りは着々とJ1復帰に向かっているように思われた。
以上
2009.05.29 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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