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【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 大宮】プレビュー:蓄積疲労を抱える現実と決勝トーナメント進出への希求。二つの側面を抱える両チームの指揮官が打つ戦略に注目。 (09.05.29)

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5月30日(土)ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 大宮(14:00KICK OFF/広島
★ヤマザキナビスコカップ特集チケット情報
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 週末の大宮戦にもっとも出場したかった選手は、広島・槙野智章かもしれない。
 3月15日、J1第2節。得意とする「後ろ向きPK」を自らのミスから失敗し、その後は自分のプレーを見失い、大宮ボールのCKではマトのマークを外して失点の要因をつくってしまった。「失敗を引きずらないようには、していたんですが」と陽気なストッパーは試合後、唇を噛んだ。広島が開幕2連勝を賭けたこの試合で逆転負けを喫し、今季初の連勝を記録するには第12〜13節の山形・大分戦まで待たねばならなかった。

 その後、事あるごとに「大宮戦で学んだことを活かしたい」と語っていた槙野は日本代表に招集。大宮戦への強い想いをチームメイトに託し、彼はチームを離れた。その気持ちをブルガリア代表のストヤノフが、代弁する。
 「確かにリーグ戦では、大宮に敗れた。あの試合は自分たちのプレーも悪かったし、運もなかった。だが、試合内容は我々が上回っていたと思う。リベンジを果たしたい?もちろんだ」
 強い語気を込めて、バルカンの闘う魂=ストヤノフは語る。確かに2ヶ月前の試合では、チャンスの数では広島が上回っていたし、失点もミスからやられたもの。PKが決まっていれば、試合の流れが大宮に傾くこともなかったかもしれない。

 だが、大宮というチームは、厳しい試合でもしっかりと我慢し、数少ないチャンスをゴールに結びつけて勝利することが、自分たちのスタイル。浦和戦でも、相手の細かなパス回しにもしっかりと対応し、後半の浦和の猛攻にも全員が身体を張って耐えた。リーグ全体でも、一時は4連敗と苦境に陥った後に1勝2分1敗と状況を立て直す。そういう「我慢ができる」チームだからこそ、ナビスコカップでは2勝1分でAグループ首位の座を守ることができている。

 その大宮を相手にして、ペトロヴィッチ監督はどんなプランを描いているのか。
 槙野不在だけが問題ではない。ピッチの中での指揮官と言っていい森崎和幸も、体調不良が続いて今節も欠場が濃厚。他の主力選手の疲労も蓄積している。そのため指揮官は、大分戦後に連休を選手に与え、1日の練習を入れてさらに休日を組んだ。「疲れた状態で練習しても意味はない。休息は練習と同じくらい重要だ。それも全ては、大宮戦をベストの布陣で闘うためだ」とペトロヴィッチ監督は示唆した。

 ただ、その「ベスト布陣」がどういうメンバーなのか、それはまだわからない。例えば川崎F戦で負傷し、その後はずっと別メニュー調整が続いていた高柳一誠が今週からチーム練習に戻り、抜群のキレを見せつけている。他にも清水航平や平繁龍一といったアタッカーたちのコンディションもあがってきた。「大宮戦に勝利すれば、決勝トーナメント進出の可能性も広がる。リーグと同じ重要なこのカップ戦を勝利するために、選手のコンディションを見ながら起用は考えたい」とペトロヴィッチ監督は語っており、大宮戦でのメンバーも太軸の部分は決まっているものの、何人かの選手については最後までコンディションを見極める予定だ。

 疲労が蓄積しているのは、大宮も同じだ。リーグ戦での出場時間が1000分を超えているのは4人と広島の6人よりは少ないが、前線のプレスの起点となる藤田祥史と石原直樹の運動量は半端なく、稼働領域の広い各選手たちの疲労は色濃い。ハードワークが生命線となる大宮だけに、疲労は何よりも大敵だ。一方で現在首位と決勝トーナメント進出の絶好機が訪れていることもあり、大宮・張外龍監督も悩ましいところだろう。
 例えば、名古屋戦から左サイドハーフで起用しているデニス・マルケスが持つ破壊力と引き換えにチームに与える守備負担を天秤にかけた場合、どちらが重いか。彼をサポートすべき他の選手たちのコンディションを考えた時、背番号10の起用には考察が必要だろう。前節、デニス・マルケスに交代してプレーした土岐田洸平や青木拓矢といったチーム期待の若手を起用し、今後の闘いに向けての底上げを図りたい思いもあるはずだ。

 両チームの監督が、カップ戦の勝利と約3週間後に訪れるリーグ戦再開と、その双方をにらんでどんな采配をふるってくるのか。その戦略も楽しみな一戦ではあるが、そんなことはもちろん、広島の選手たちは考えていない。
 「リベンジ」
 2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ 最終予選参戦のため、この試合を最後に一時広島を離れるストヤノフが吐いたこの言葉こそ、彼らの想いの全てである。


以上

2009.05.29 Reported by 中野和也
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