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【J2:第18節 熊本 vs 鳥栖】熊本側レポート:スコアは1点差ながら、内容は屈辱的な完敗。ホームでの九州ダービーに敗れ、7戦勝ち無しの熊本は16位に後退。(09.05.31)

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5月30日(土) 2009 J2リーグ戦 第18節
熊本 1 - 2 鳥栖 (13:03/水前寺/3,732人)
得点者:11' 島田裕介(鳥栖)、49' ハーフナーマイク(鳥栖)、64' 木島良輔(熊本)
スカパー!再放送 Ch182 5/31(日)15:00〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
勝敗予想ゲーム
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4本というシュート数は今シーズンはもちろん、昨シーズンを含めても最低の数字。そもそも、この試合では「撃てる場面」そのものが少なかった。イージーなパスミス、寄せの甘さ、受ける準備や出した後のサポート、ゴールへの意識…。どれをとっても敗れるべくして敗れた試合。タイムアップの笛が鳴った後、がっくりと両腕を膝についていたのは、スタンドから見た印象では勝った鳥栖の選手の方が多かった。それだけ高い意識でこの試合に臨み、それだけ走って得た結果だったということだろう。

鳥栖は、期限付き移籍が発表されたばかりのFWハーフナー・マイクを早速先発に起用。確かに高さは脅威だったが、序盤は熊本のDF陣も競り合いで負けている印象はなかったし、6分のフリーキックで鳥栖・島田裕介が蹴ったボールに頭から飛び込んだが合わなかったことで、一度は胸をなで下ろした。だが鳥栖にとっては、戦い方がひとつハッキリする。つまり、つなげなければハーフナーめがけて長いボールを入れ、中盤での数的優位からセカンドボールを拾って高い所から早く仕掛ける。その狙いがハマらなくても、イメージを刷り込ませて、ラインを下げさせてスペースを作ることはできる。そうして、実際に立ち上がりの数分で、熊本は最初にアプローチをかけるポイントがぼやけ、「相手のボランチが前向きで持つシーンが多くて、なかなかプレスのかけどころがなかった」(市村篤司)。8分には、GK吉田智志の正面に飛んだが島田にドリブルからのシュートを撃たせ、10分には武岡優斗のドリブルに対して一発で飛び込んでかわされ、あわやというシーンも。そして11分、高地系治から武岡とつながれて、ヒールで落としたボールを受けた山瀬幸宏が迷わずシュート。一度はブロックして跳ね返したものの、そのこぼれを拾ったのは島田。約20mの位置、左足から放たれたシュートがネットを揺らした。

“九州ダービーにおけるホーム初”という冠もかかった7試合ぶりの勝利が欲しい熊本は、そのためにも先制して優位にゲームを進めたかったのだが、先に失点してしまった事で、残り80分もあるのに気持ちが前にかかってバランスを崩す。岐阜戦の反省から、攻めている時の守備の準備をしておくこと、リスクマネジメントの重要性は沁みていたにも関わらず、失点直後の15分、さらに29分にも、「ここを使って下さい」と言わんばかりに大きなスペースを空けてしまい、ゴール前まで持ち込まれる場面を作ってしまう。

17分に木島良輔がドリブルで持ち込んだが、サポートがなくてボックスに入る前に囲まれて潰され、25分には右サイドで木島から藤田俊哉とつないで深い位置までえぐってマイナスのクロスを入れるが、誰も入っていなくて合わず、約3,000人の嘆息が漏れた。ここ数試合の課題だったゴールへの意識だが、これくらいしかなかった前半の2度のチャンスもシュートに至っていないし、公式記録にある前半のシュートは26分の市村篤司の右足と37分の原田拓の左足の2本だけ。ハーフタイムの指示で北野誠監督は「もっとシュートを撃とう」と言っているが、そういうことを言わなくてはいけないということ自体もそうだし、そう送り出されているのに後半のシュートも木島の2本だけというのは淋しすぎる。

逆に後半立ち上がりの49分には、島田から高地へボールが出て左へ揺さぶられ、きれいにクロスをあげられて、再び中央でハーフナーにフリーでシュートを許した。これで0−2。隣で見ていた鳥栖担当のS氏が「おー、足で決めた!」と無邪気に喜んでいたが、「あのボールだったら僕でも決められる」と岸野靖之監督が言ったように、クロスを入れさせているところと、そこにつながるパスを出した島田への対応、そして入り込んできたハーフナーをフリーにしたのが鍵だった。結局のところ、主導権を握るためのポゼッションができなかった事で必然的に守備の時間が増え、出どころにしっかりとアプローチをかけられないなど、後手を踏んでしまったのが問題。奪われてからの切り替えも遅く、内容的には今季ワーストと言われても仕方ないゲーム。

ハーフナーの高さ対策としてチョ・ソンジンをCBに入れて矢野大輔を左サイドに出し、原田拓を中盤に上げて「ボールを落ち着かせたかった」(北野誠監督)が、「中盤の3人がボールを動かす力があるのでそこを消そう」(岸野監督)というスカウティングにハマって、「鳥栖に合わせ過ぎ」(石井俊也)てしまい、「我々らしくない、普段では考えられないようなところ」(北野監督)でのミスも頻発し、やろうとしているサッカーを完全に見失った。交代のカードを立て続けに切って若干ペースは掴みかけたものの、反撃は64分の木島の1発に留まった。
 
北野監督は「持って行き方も含めて、うまくコントロールできなかった僕の責任」と唇を噛み、「選手はよくやってくれたと思う」と話したが、「勝つためには何をやらなきゃいけないかっていう部分を思い起こして、もっと意識を上げないと、今やっているサッカーも生きて来ない」と、次節出場停止となる河端和哉が言うように、ピッチの中での状況判断と意思統一も重要だ。3連敗は今季初で、これで7試合続けて勝っていないことになり、引分けを1つ挟んで5連敗と症状は重い。だが、3日でシュートの精度やスピードを上げたり身長を高くしたりするのは無理でも、少なくとも気持ちの持ち方は変えられる。鳥栖の選手達が証明してくれたが、それが結果を左右するエネルギーになることを肝に銘じて、次節は首位にぶつからなくてはいけない。

以上

2009.05.31 Reported by 井芹貴志
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