5月30日(土) 2009 ヤマザキナビスコカップ
広島 7 - 0 大宮 (14:00/広島ビ/6,921人)
得点者:4' 佐藤寿人(広島)、12' ストヤノフ(広島)、35' 柏木陽介(広島)、53' オウンゴ−ル(広島)、56' 柏木陽介(広島)、67' 青山敏弘(広島)、89' 横竹翔(広島)
★ヤマザキナビスコカップ特集|チケット情報
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ストヤノフの縦パスが、大宮の浅い守備ラインの裏をつく。飛び込んだのは高萩洋次郎だ。しかしそこは、大宮DFが身体を張りシュートを打たせない。しかし、こぼれたボールを支配したのは広島だ。
ミキッチがキープする。マトがニアに引き出され、さらに片岡洋介もニアに動いた高萩の動きに引きつけられる。その瞬間、フリーとなった広島のエースの頭上に、ミキッチのクロスが正確無比に落ちてきた。垂直ジャンプした佐藤寿人は、そのボールをヘッドで叩き込んだ。試合開始4分に生まれた先制点の8分後、今度はストヤノフが左サイドから放ったボールが、クリアしようと足を出したDFに当たってコースが変わり、ネットを揺らした。
12分で2得点。しかし2点差の試合は、その後でもつれることが少なくない。実際、この日行われた横浜FM対大分戦では、2-0と横浜FMがリードした時からドラマが始まった。
そしてその「ドラマ」は、実は広島ビッグアーチでも起こりかけていた。
23分、マトと競り合ったストヤノフが腹を抑えて倒れ込む。治療スタッフが呼ばれ、ストヤノフは回復。しかしルール上、彼はピッチの外に出る必要がある。
その直後、内田智也が蹴ったCKを広島がクリアし、そのこぼれを拾った青山敏弘のパスが炸裂。精度・芸術性、共に満点のボールに飛び出したのは、青山とのホットラインを形成している紫の11番だ。
大きくバウンドしたボール。佐藤寿人はそのインパクトの瞬間にボールを見ず、相手GKとゴールの位置を確認し、イメージを膨らませた。羽毛のようなタッチで左足を合わせたボールは、緩やかな放物線を描いてゆっくりと、ゴールネットに吸い込まれていく。ビッグアーチはエースが描いた芸術の余韻に包まれた。しかし、その余韻はどよめきにかき消される。
広島陣内で内田が倒れている。ストヤノフが駆け寄り、身体を起こそうとするも立てない。そこに佐藤隆治国際主審が駆け寄り、ストヤノフにイエローカードを提示して、ボールを内田が倒れていた場所にセットする。
ゴール取り消し。大宮ボールのFKで試合再開である。
CKをクリアした瞬間、主審はストヤノフがピッチに入ることを許可した。その時、守備に戻ろうとした内田とストヤノフが接触。そこで反則があった、と佐藤主審は判断したのだ。
この時、自分を見失いそうになったストヤノフをなだめ、彼に冷静さを求めたのが中島浩司だった。
「3点目は取り消されたけれど、まだ2-0でリードしているんだ。とにかく集中しよう」
千葉でも共にストヤノフと闘ってきた中島は、このリベロの激しい気性や強い想いもわかっている。だからこそ彼はストヤノフの肩に手をやり、落ち着くように何度も語りかけた。
実際、内田のFKも、そのこぼれを狙った金澤慎のミドルも、悪くなかった。しかし、中島の機転で冷静さを取り戻したストヤノフを中心に落ち着いて対処し、広島守備陣は大宮にゴールを許さなかった。
広島は再び試合を支配、35分、高萩の鋭い縦パスにマトが必死に足を伸ばすも、ボールはそのままゴール方向へ。走り込んだ柏木陽介が冷静に決めて3-0。試合の大勢は決まった。
3月15日、広島のホーム開幕戦では内容で圧倒しているにも関わらずチームは自律を失い、自滅から大宮に敗れた。それから2ヶ月半。同じような危機を広島は回避、成長を見せつけたのである。
後半開始前、大宮のサポーターは「とにかく1点、取りに行こう!」と選手に檄を飛ばす。51分、ミキッチのPKをGK高木貴弘が弾き、こぼれを押し込んだミキッチのゴールも、オフサイド。勢いは大宮に傾きかけた。しかしその2分後、マトと高木とのコンビが合わずにオウンゴールで失点してしまうと、選手たちの足はパタリと止まった。56分に柏木、67分には青山。さらにロスタイムには横竹翔にプロ初得点を献上し、クラブ史上ワーストの7失点。シュートもわずか4本で、決定機すら生み出すことができず、大宮は最後まで声をからして声援を続けたサポーターに応えることはできなかった。
ナビスコカップ史上2位タイとなる大量得点(7点差は史上最多タイ)で、広島は大宮を粉砕した。広島側にもう少し運があれば、二桁得点も視野に入ったほどの圧勝劇だ。
こういう試合の後は、監督の手綱捌きが重要になる。広島・ペトロヴィッチ監督は、大勝劇に浮かれがちになるチームを引き締める必要があり、大宮・張外龍監督はショックを受けた選手たちのメンタルケアに精力を注がねばならない。
シーズンはまだまだ、続いていく。大勝した側も惨敗した側も、この記録的な試合にいつまでも引きずられるわけにはいかない。
以上
2009.05.31 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 広島 vs 大宮】レポート:自滅を防いだ中島浩司の冷静さ。広島、記録的な大量得点で大宮を撃破。(09.05.31)
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