5月30日(土) 2009 ヤマザキナビスコカップ
山形 0 - 1 千葉 (14:00/NDスタ/4,271人)
得点者:68' 深井正樹(千葉)
★ヤマザキナビスコカップ特集|チケット情報
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2勝でBグループ首位に立つ山形が、ホームに千葉を迎えたヤマザキナビスコカップ第4節。両チームの布陣には、中断前最後のリーグ戦から変化があった。山形は宮本卓也をセンターバックに起用した、リーグ戦の前節・京都戦の後半スタートと同じ形。対する千葉は、巻誠一郎と谷澤達也を2トップにした4−4−2。出場停止のボスナーに代わり、移籍後初先発の福元洋平がセンターバックに入った。また、青木良太を休ませて坂本將貴を左サイドバックに回し、右サイドバックにはナビスコカップ今季初登場となる和田拓三を起用。さらに、アレックスの位置には深井正樹が戻った。
「前半、非常にいい滑り出しで入れた」とアレックス ミラー監督も満足する序盤は、千葉が主導権を握る。「ポゼッションではうちが多くの時間キープすることができましたし、特に中盤の真ん中の選手2人が非常によくボールを持てていた」(ミラー監督)とボランチの位置に入った工藤浩平と下村東美を経由し、押し上げたサイドへボールが渡るシーンが見られた。
ただ、坂本は言う。「横にはボールがつながってボールを持つ時間は長かったけど、なかなかボールを前に、(相手にとって)危ない場面というのはそんなに多いわけではなかった」。この時間、ボールの動きに遅れる形での守備を強いられていた山形だったが、相手ボランチに持たれていたことも、秋葉勝は「低い位置なのでそんなに怖くはない。いつもそのあたりでは持たれているので」と意に介さなかった。
さらに千葉が徹底していたのは、奪ったボールを裏のスペースへシンプルに送ること。ディフェンスラインからだけではなく、工藤からも何度か縦にボールが送られたが、ほとんどは受け手とのタイミングが合わずゴールラインを割った。そうした縦パスの質の低さも、山形を怖がらせることができない要因となっていた。巻が潰れ役となり、その背後に谷澤が飛び出すようなコンビネーションも見られたが、シュートはミドルレンジだったり、こぼれ球に反応する形が多く、崩して決定機まで持ち込むシーンは稀だった。
攻撃が機能していないのは、山形も同じだった。立ち上がりから守備に追われていたが、14分に最初のコーナーキックを得たあと、左サイドを中心に攻撃を組み立て始める。しかし、財前が中へ切り返して打ったシュートはアタックが弱く、GK岡本昌弘が難なくキャッチ。宮沢克行も何度かクロスを上げたが、素直に長谷川悠の頭を狙えば千葉のセンターバックに跳ね返され、ファーサイドを狙えば誰も詰めていないなど、ゴールに近づくほどプレー精度は反比例していった。23分にはラインを割った長谷川が石川竜也からのフィードをピタリと足で止めたが、これはオフサイド。財前宣之がペナルティーエリアに侵入するたびに池田昇平に食い付かれ、山形の前半のシュート数は3本に終わった。
しかし、ハーフタイムを終えると一転。「0−0でいくと、どちらかというと山形のペースというふうに自分たちでは思っていた」(宮沢)という山形が11本のシュートを放つ後半が始まった。きっかけは、55分の宮崎光平の投入。登場してすぐ、宮崎のドリブルでコーナーキックを獲得すると、これを宮沢が一発でファーサイドまで飛ばし、トラップした石川がミドルシュート。60分のコーナーキックでもこぼれ球を宮崎が拾い、長谷川の折り返しから石井秀典が飛び込む形をつくった。65分には、途中出場したばかりの中後雅喜の右クロスのこぼれ球をペナルティーエリア右から谷澤が狙い、シュートがゴールマウスの遠い角をかすめるシーンもあったが、大勢を見れば山形の攻撃は加速していた。財前のヒールパスに飛び込んだ長谷川の鋭いミドルシュートがわずかに左に外れた1分後、石川の縦のフィードにタイミングよく飛び出した長谷川が完全にフリーの状態。徐々にGK岡本との間合いを詰めていくが、気合いを込めて振り抜いた左足は思った以上にボールをアウトに乗せてしまい、枠を外した。
長谷川は思わず仰向けになり顔を覆ったが、ここが山形の勢いのピークだっただけでなく、次なる悪夢を引き起こすきっかけにもなった。68分、カウンターのボールが左サイドの谷澤に渡り、オフサイドラインを見極めながら飛び出す深井の足元へ。そのままフリーで持ち込んだ深井が、冷静にGK清水の右横を射抜いてゴールネットを揺らした。
リードしたが、1週間前のリーグ戦・横浜FM戦でも終了間際に被弾し、逃げ切りに失敗している千葉はまだ気が抜けない。いつものようにラインが下がる時間があったためにしばらくは攻め込まれたが、82分には巻に代えて斎藤大輔を投入。谷澤を1トップに、斎藤を1ボランチにしたコンパクトな4−1−4−1にシステムを変えると、中央では山形に自由を許さない、堅い守備に変わった。85分のカウンターでは2対3の数的不利ということもあったが、今度は谷澤も無理に攻め込まず、そのままコーナーに流れて時間をやり過ごした。千葉にとっては長い長いロスタイムが間もなく終わった。
予選グループ突破が依然として厳しい状況に変わりはなく、この1試合でアタッキングサードでの攻撃の種類も質も上がったわけではない。シュート数でも相手を下回り、特に後半は11本のシュートを浴びるなど、守備の課題も残されたままだ。それでも、リーグ戦で4度、カップ戦で2度失敗している「先行逃げ切り」に今季初めて成功したことは、千葉にとって大きなブレイクスルーと言える。ボスナーに代わりチャンスをつかんだ福元洋平も1対1での強さを発揮し無失点に貢献できたことも、大きな自信となるだろう。
ヤマザキナビスコカップで初の黒星を喫した山形は、清水と並んで2位タイに後退した。「ある程度押すんですけど、そこから個で裂いたり、個の技量というところでいくと、そこには乏しさはあると思うし、それは一遍に解決できない問題もある」。小林伸二監督のこの指摘は、今に始まった話ではない。開幕からの2カ月間を好調に推移していたことで見えづらかったものが、ようやく見えてきただけのことだ。問題は、それを一遍にではなくとも、着実に解決へ向かわせる道筋が見えてこないこと。この試合に関しても、そうした「一歩前進」は感じられなかった。「点を取られてエンジンがかかったりする選手もいる」(小林監督)という戦い方は、戦力的に劣るチームであれば、なおさらふさわしくない。
この日の観客は4,271人。スタンドが埋まった状態であれば、もしかしたら、ホームチームのこうした内容を許さない雰囲気がつくれたかもしれない。山形にとって、ピッチの内外で課題を突きつけられる一戦となった。もちろん、正面から向き合わなければならない課題だ。
以上
2009.05.31 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 山形 vs 千葉】レポート:「7度目の正直」千葉が今季初の先制逃げ切りに成功し、ナビスコ初勝利!ゴール前の迫力を欠いた山形は課題の多い初黒星。(09.05.31)
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