6月7日(日) 2009 J2リーグ戦 第20節
札幌 1 - 2 鳥栖 (16:04/札幌ド/9,899人)
得点者:52' キリノ(札幌)、74' 高地系治(鳥栖)、79' ハーフナーマイク(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch185 6/8(月)15:00〜(解説:木島敦、実況:岡崎和久、プレーヤー解説:大森健作、リポーター:岡本博憲)
☆勝敗予想ゲーム
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「やはり決めるところを決めていかないと、こういう形になってしまう」。試合後、札幌の石崎信弘監督はこのように試合を振り返った。言い換えれば、勝てるだけの内容の試合を展開しながらも敗れてしまった。そんなところだろう。
確かに札幌はしっかりとボールが動く、いい内容の試合を終始展開していた。普段はトップ下の位置でプレーし、その存在こそが札幌の攻撃戦術のひとつであるクライトンが家庭の事情によりブラジルへ一時帰国しており不在。そのためこの日の札幌は普段の4−2−3−1のシステムではなく、トップ下を置かない4−4−2でスタートした。2トップはキリノと、今季は守備的MFにコンバートされていた宮澤裕樹だ。
そしてこのシステムがしっかりと機能した。トップ下が不在であるため、いつもは右サイドからクロス上げる仕事が多い藤田征也がそのスペースを利用してスルーパスを受けたり、キリノ、宮澤が下がってクサビのボールを受けるなど空席となったトップ下のスペースを有効利用してスピードのある攻撃を繰り返していた。
一方、アウェイに乗り込んできた鳥栖は、今季途中に加入した身長194センチのFWハーフナー・マイクが攻撃戦術の生命線。序盤からとにかくこの選手にロングボールを徹底して送り続け、そのこぼれをフィニッシュに持ち込む狙いだ。
しかし、そのプレーには札幌のDF陣が見事に対応した。CBの趙晟桓と吉弘充志が的確なポジショニングで、時には激しいボディコンタクトでハーフナーと戦い、自由なヘディングをさせる場面はほとんどなかった。そしてハーフナーへのロングボールが有効に機能しない鳥栖は後方から攻撃を組み立てようと試みる場面もあったが、スムーズにパスが動く回数が少なく、やはり、ハーフナーへのロングボールが生命線だった。
押し気味に試合を進めながらも前半は無得点に終わった札幌だが、後半立ち上がりの52分に、藤田からの低いクロスをキリノが左足で上手く合わせて先制点を挙げる。この得点により札幌のゴールラッシュが始まっても不思議ではない。そのくらい、内容としては札幌が優勢だった。
ただし、マイナス要素もあった。クライトン不在により、その空席を利用したスピードのある攻撃が繰り返されたことは前述したが、その攻撃は勢いにまかせてのプレーが多く、ペースチェンジに乏しかったのだ。突出したキープ力のあるクライトンがいれば、この選手の感性により攻撃に緩急をつけることができる。だが、若い選手たちが繰り出す攻撃はアグレッシブでスピードも十分だったが、リズムが単調で、攻撃を繰り返すごとに鳥栖の守備陣がその速度に慣れてしまったのだ。
そしてクライトンの不在によりボールの落ち着き場所もなくなり、スピードのある攻撃を何度も繰り返し続けた札幌イレブンは徐々に“攻め疲れ”のような状態になってしまう。冒頭に記した石崎監督のコメントにあるように、決めるところを決められなかった要因は、皮肉にも何度も攻撃を仕掛け続けてしまったところにあったように感じる。ただし、攻撃を仕掛けること自体は決して悪いことではないので、ここも言い換えるならば、試合の流れを読んで上手く時間を使える選手がいなかったということなのだろう。そして、逆転負けを喫してしまった。
ただし、忘れてならないのは、サッカーというのは相手のある競技。鳥栖が札幌を上回ったからこそ、勝点3は鳥栖のものとなったのだ。そうしたなかで特筆すべきはハーフナーの奮闘だろう。繰り返し送り込まれるロングボールに飛び込み続け、前述したように札幌DFのハードなチェックに身体を痛めてグラウンドに倒れるシーンは何度もあった。それでも逃げることなくヘディングで戦い続けたことが、鳥栖に勝利呼び込んだ。逆転弾となったシュートもゴール前のこぼれ球に対して全く恐れることなく頭から飛び込んだものである。この日のハーフナーは大半のプレーを相手守備陣に封じられたし、イージーなミスもあった。だが、最終的にはチームを勝利に導く得点を挙げてみせたのだ。
リーグ戦のというのは勝点の多さを競うものである。そこで行なわれるひとつひとつの試合というのは、言うまでもなく勝点を得るために戦うもの。つまり、勝点につながるプレーこそが「良いプレー」であり、そのプレーを実行したプレーヤーが「最も良いプレーヤー」だ。そしてこの試合でのそれが、鳥栖のハーフナーだった。札幌も組織としての見事なサッカーを演じたが、勝負を決められなければその大部分は徒労となってしまう。内容的には終始劣勢だった鳥栖だが、結果を得た以上、その戦いぶりは岸野監督の言葉通り「素晴らしい」。
以上
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次回撮影予定は、6月13(土)の福岡&14(日)の札幌、栃木、C大阪です。
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2009.06.08 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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