6月24日（水） AFCチャンピオンズリーグ
Ｇ大阪 2 - 3 川崎Ｆ　（19:00／万博／14,128人）
得点者：27' レアンドロ（Ｇ大阪）、33' 中村憲剛（川崎Ｆ）、39' レアンドロ（Ｇ大阪）、76' レナチーニョ（川崎Ｆ）、85' 黒津勝（川崎Ｆ）
☆決勝戦は11月7日(土）に国立競技場で開催！
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　直近の新潟戦で今季の『開幕』を迎えたDF加地亮、MF二川孝広に加え、エースFWレアンドロやMF遠藤保仁、MF明神智和の戦列復帰。その中で展開された、今季最高の出来と言ってもいいほどの、人もボールも動いたエレガントな攻撃サッカー。
DF寺田周平をボランチに据えてキックオフを迎えたものの、「予想以上にガンバの中盤の出入りに対してマークが仕切れなかった（関塚監督）」こともあってだろう。中盤が全く機能しない川崎Fを尻目に、G大阪は立ち上がりからアジアチャンピオンにふさわしい、圧倒的な力の差を示して試合を進めていく。

　しかも、27分には既に今季のACLで８ゴールを挙げているFWレアンドロが自らの復帰を祝うべく先制弾。33分にMF中村憲剛の個人で同点にされた後も、39分に再び右サイドのクロスにヘッドで合わせたFWレアンドロの逆転弾が決まって2-1と突き放す。攻守に連動しながらミスの殆どないパーフェクトと言ってもいい内容。しかもリードして終わった結果からも、前半は明らかにG大阪が『最高の結果』をもたらすに違いない、と信じられる内容だった。

　だが、結果は最悪の結末を迎える。
　後半、FWの枚数を減らして中盤に厚みをもたせ前半のウィークポイントに修正をかけてきた川崎Fに対し、G大阪は前半のメンバーと同じ顔ぶれで立ち上がりを迎える。先にペースを掴んだのはG大阪。立ち上がりから積極的に川崎Fゴールを攻めてていく。川崎Fの『修正』により前半ほどMF遠藤保仁、MF二川孝広が自由にプレーできる時間は減ったものの相変わらずゲームは支配。前半から効いていた前線からのプレスも怠ることなく集中力の感じられる中で試合を運んで行く。ただ、ケガからの復帰明けの選手が多く、実戦をこなさずに試合を迎えた選手が多かったこともあってだろう。徐々に運動量は低下。攻守の切り替えに遅れが見え始め、川崎Fにスペースを突かれてヒヤリとさせられるシーンが増える。特に久しぶりに左サイドバックで先発出場を果たしたMF安田理大や、前半からフル稼働で攻守に『効いて』いたMF明神智和、MF二川孝広らの消耗は明らか。だが、西野監督は交代のカードを切ろうとはしない。一方、川崎Fは疲れの見えたFWジュニーニョを65分で見切り、FW黒津勝を投入し、疲れの見えるG大阪を揺さぶりながらチャンスを伺う。

　そんな状況の中、76分にはそのMF安田のサイドを、MF中村憲剛のスルーパスに反応したFWレナチーニョが制し、同点弾。これで西野監督が動き、81分にMF二川孝広に代えてFWチョジェジンを投入するも、流れは変わることなく、85分には途中出場のFW黒津勝に逆転弾を決められてしまう。

　2-3。となれば当然、前がかりにならざるを得ないG大阪は、89分、90分とFW播戸竜二、MF佐々木勇人といった攻撃的な選手を投入するも、彼らが持ち味を発揮し、川崎Fを脅かすにはあまりにも時間が短かった。G大阪サポーターが陣取る側のゴールに向かって懸命に攻め立てるものの、ゴールは奪えないまま、試合終了。昨年のアジアチャンピオンが、ホームでの川崎F戦で、まさかの敗退となった。

　試合後、「チョジェジン、佐々木あたりをどこかで使えるタイミングを探っていて…後半勝負かなと思っていたのですが、リードしている状況で動けなかった。運動量が落ちている中で少し引っ張り過ぎた。全てはそのポイントだった」とは西野監督。内容の良さを思えばこそ『サッカーの怖さ』を学んだとしか言いようはないが、それにしても、G大阪にとってはあまりにも代償が大きすぎる試合だった。

以上

2009.06.25 Reported by 高村美砂