6月27日(土) 2009 J2リーグ戦 第24節
徳島 2 - 1 甲府 (18:34/鳴門大塚/3,492人)
得点者:44' 徳重隆明(徳島)、44' 秋本倫孝(甲府)、73' 柿谷曜一朗(徳島)
スカパー!再放送 Ch180 6/29(月)10:30〜(解説:西谷正也、実況:高松良誠、リポーター:藤原美佳)
☆勝敗予想ゲーム
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この一戦での徳島は全くと言っていいほど攻撃の形を作ることが出来なかった。前線へのロングボールが圧倒的に目立ち、中盤でのリズムを持った組み立てはほぼ皆無だったと言えよう。そのため90分間で迎えた好機と呼べる場面はわずか2回だけ…。
しかしながら徳島はその2回をどちらもモノにした。そして結果として甲府相手に2-1。内容的には「大味な展開(美濃部直彦監督)」ながらも、チームはホームで自らの執念と意地を見せて勝利をもぎ取った。
ゲームを追えば、序盤は徳島だけでなく甲府も長いフィードを主体とした展開。ややお互いが相手の出方も見ながらの堅い展開となる。しかしそんな中でも、時間の経過につれ徐々に甲府が持ち前の組織力を発揮。中盤の石原克哉、井澤惇らが両翼のマラニョンと大西容平へボールを供給し、そこから中央で構える金信泳へ鋭いくさびを打ち込むなど少しずつ攻めのリズムを作っていった。逆に徳島は変わらず羽地登志晃を狙う後方からのフィードを入れ続けるも、如何せんサポートに入る選手が距離を詰められず形にならない。さらにセカンドボールを拾えないことでチームはラインを上げかけては戻りの繰り返しを強いられ、選手たちの体力消耗も相当激しいものであったはずだ。
ただこうした戦況に反し先手を取ったのは徳島。前半終了が目前に迫った44分、この試合初めて羽地が前線で起点となると、三田光からの短い浮き球を自ら再び頭で触って後方へと流す。するとこの一連の繋がりをイメージしていたかのように徳重隆明が走り込み、右足を振り向いて強烈なゴール。チームは劣勢だった前半にガマンを貫き、いい時間で最初に訪れたチャンスを活かした。
が、前節6得点と爆発し波に乗っているだけあって甲府もやはりさすが。その徳島の先制点で終了かと思われた前半をそのまま終わらせず、アディショナルタイムに得たFKから秋本倫孝が体を投げ出したボレーであっという間に同点へと追い付くと、迎えた後半はいっそう攻撃の手を強める。マラニョンが前後左右への動きの幅を広げボールタッチを格段に増やせば、右サイドの杉山新も再三徳島陣内深くまで進入。幾度となくタッチライン際を崩そうと試みた。加えて、徳島の疲労による中盤でのチェック力低下が甲府の勢いを後押ししてしまう。60分過ぎあたりの時間にはルーズボールの争いをことごとく制した甲府が徳島を完全に自陣で釘付けにしていたと言っても過言ではない。
しかし、押し込まれ続ける状況にも必死の守りで耐えていた徳島に勝利の女神が再び微笑みかける。徳島にとってこの試合2度目の好機到来─。73分、自陣右サイド深くでボールを奪った徳重から羽地を経由し素早く中央の菅原康太に繋ぐと、菅原は左サイドを駆け上がる柿谷曜一朗へスライディングしながらのスルーパス。すると完璧に甲府DFライン裏へ抜け出た柿谷は一直線にゴールへ向かい、これをきっちりと沈めた。
そして「自分たちはまだまだ上手くないし、もっと泥臭く一生懸命走って一生懸命ボールを追いかけて、そこから生まれてくる何かを求めてやっていかなければいけない」という指揮官の言葉を実践するかのような粘り強い守りで最後までこの2点目を守り抜いた徳島。前節(岐阜戦)で課題となって現れた決定力・守備の集中・メンタル面をそれぞれ改善したチームは上位にまだまだ食らいつく勝点3を手にした。
対して甲府だが、多くの時間帯を支配し、「あの2つ以外それほど怖いところはなかった(安間貴義監督)」だけにこの敗戦は悔いの残るものとなったに違いない。先手を取られてもすぐに追い付くなど、前節までの勢いも継続して出せていたことを思えばなおさらだ。だが、「個人的な理由(安間監督)」によって大黒柱・藤田健を欠いたことは大きかったと言わざるを得ないだろう。アタッキングサードまでは幾度となくスムーズにボールを運んでも、そこで最後の変化を付けられる選手が今日のピッチにいなかったのは事実。藤田の復帰が待たれるとともに、チーム全体の修正も少なからず必要となる。
最後にひとつ付け加えると、この一戦でのロングボール多用は徳島にとってすればある程度意図的なものであった。「甲府を分析した時に前節のゲームで福岡がつなごうとしては引っ掛けられプレッシャーの餌食になっていたから」と美濃部監督は試合後に明かしたが、それは今節の徳島が勝利という結果にこだわったからこそ取った戦い方。そこには勝点を競うリーグ戦で上を目指すためのリアルな姿勢が強く感じられたと言えるだろう。
以上
2009.06.28 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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