6月28日(日) 2009 J1リーグ戦 第15節
山形 0 - 1 川崎F (13:04/NDスタ/10,367人)
得点者:87' 鄭大世(川崎F)
スカパー!再放送 Ch181 6/30(火)13:00〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
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キックオフ時の気温は33度、湿度49%。炎熱の一戦は、その暑さをほんの少しやわらげる微風とともに始まった。山形は古橋達弥が5月16日以来の先発復帰を果たし、出場停止明けの宮本卓也が右サイドバックに戻っていた。小規模な入れ替えにとどめた山形に対し、川崎Fは3日前のACL・G大阪戦で先発した中村憲剛をベンチから外すなど、先発4人を入れ替えて臨んだ。FW矢島卓郎、MF養父雄仁、DF横山知伸は2−0と勝利した前節・大分戦以来の先発。伊藤宏樹を左サイドバックにスライドさせた。ディフェンスラインの中央には菊地光将が入り、さらにベンチには鄭大世と、G大阪戦で決勝ゴールを決めた黒津勝が控えていた。
「3トップなので、どうしてもディフェンスとディフェンスの間にいた。特に、うちの渡辺匠の背後と、章吾(小原)と石川(竜也)の間でターンされていくつかシュートを打たれた」(小林伸二監督)
その3人の意識のコミュニケーションのズレをキレのあるプレーで突いたのが大分戦、G大阪戦ともにゴールを挙げているレナチーニョ。前半15分までに3本の強烈なミドルシュートを放ったが、1本目はGK清水健太の好セーブに、2本目はクロスバーに、3本目はポストに阻まれた。川崎Fは6分には矢島卓郎がカウンターでレオナルドを振り切ってのシュートや、26分には押し込んだ状態からコースを見つけた森勇介のミドルシュート、37分には中央から伊藤宏樹の強烈なミドルシュートもあったが、いずれもGK清水の好セーブでゴールを割るまでには至らなかった。
この試合をおもしろくしたのは、45分で10本のシュートを浴びた山形も防戦一方ではなかったこと。ディフェンスラインではほぼノープレッシャーでボールを回し、足元のボールへのアタックがそれほど強くはない川崎Fの守備をかいくぐり、パスをつなぎながら徐々に押し込む形もできた。前半5分、ボールを受けに下りてきた古橋がターンして放ったミドルが、カウントされた前半唯一のシュートとなったが、石川がサイドのスペースを突いてクロスを上げ、廣瀬智靖が右サイドの1対1から仕掛けた。川崎Fがゴール前に人数がそろった状態では、それを破るための精度や工夫が足りない印象はある。しかし、山形としてはある程度、押し込む形がつくれ、しかも運も味方して無失点で折り返せたことで、後半に期待を抱かせることとなった。
後半は、中央を閉じて構える山形に対し、川崎Fは両サイドのスペースを前半以上に速く、シンプルに突いて立ち上がりの時間を制する。50分には伊藤が左スペースまで駆け上がりクロス。これはコントロールできずにゴールラインを割ったが、57分にはレナチーニョのスルーパスを谷口博之が追った。しかし、前半の修正で中央を閉じた山形がそこからシュートに持ち込ませず、61分、石川のフィードで秋葉勝が裏へ飛び込むプレーから徐々にペースを握り始める。それを加速させたのは、渡辺から佐藤健太郎への交代だった。佐藤健のサイドチェンジから廣瀬がドリブルで仕掛けシュートまで持ち込んだのが65分。さらにFKのこぼれ球を秋葉がダイレクトで打ち込み、長谷川悠とのパス交換から古橋が中央に潜り込んでシュートを打ち込んだ。
「前半は暑かったですけど、後半は少し風が出てきて涼しくなってきました」(廣瀬)と動きやすくなった気象条件も味方にさらに攻め込む山形に対し、川崎Fは連戦の疲れもあり、守勢に回ることが多くなった。矢島→黒津、横山→寺田周平と交代のカードを切っていた関塚隆監督は、残り10分でレナチーニョに代えて鄭大世を投入。しかし、山形の勢いは続く。直後の81分には途中出場の北村知隆と古橋のパス交換で川崎Fの選手3人を置き去りにして北村がタッチライン際を突破。中にドリブルしながら最後は中央の長谷川のシュートを引き出した。82分には中央から回り込みながらフリーになった長谷川が絶妙なループシュートを放ち、83分には廣瀬のマイナスクロスを古橋がダイレクトでシュートに換えた。しかし、川崎Fの中盤からディフェンスラインを完全に翻弄した決定機の数々も、GK川島の渾身のセーブによりゴールには結びつかなかった。
そして迎えたのは、川崎F起死回生のショートカウンター。さらにボールを保持する山形は、石川が北村の足元に付けようとしたパスのズレを見逃さず、井川祐輔がカット。そのまま縦にドリブルしながらジュニーニョに預けると、前方にスペースを見つけたジュニーニョもそのまま縦にグラウンダーを転がした。飛び込んできたのが鄭大世。山形のディフェンダーの間をダイアゴナルに抜けると、ダイレクトにニアを撃ち抜いた。これが決勝点となり、J1初対戦は川崎Fに軍配が上がった。
「選手たちのコンディションは難しかったと思うんですけれども、よく90分集中してサッカーを展開してくれたなと思います」
関塚監督は、日程的なハンディを抱えながら戦い抜いた選手の労をねぎらい、「みんなで勝ち取った勝点3をよろこんだ。大分戦に続き、主力数人を欠いたなかでの無失点勝利は、チームにとって大きな前進を意味する。川崎Fはこれでリーグ戦で5連勝。中2日で1週間ぶりの再選となる第10節・G大阪戦はさらに厳しい戦いとなるが、今度はホームのサポーターとともに試練を乗り越える。
前半の川崎Fの猛攻を無失点にしのいだことで、勝ちゲームが転がり込む可能性もあった山形。後半は決定機が続いたが仕留めることができず、逆に痛い失点を喫した形だ。これでリーグ戦では7試合勝利なし。6月はヤマザキナビスコカップを併せた5試合で1分け4敗と、公式戦勝利なしに終わっている。順位は15位と変わらず、勝って中位グループに潜り込む目的は果たせなかったが、守備をベースにしながら、川崎Fを追いつめるところまでいくことはできた。小林監督は「前節のゲームに比べると随分やれてきているので、めげずに次のレッズ戦に照準を合わせて頑張っていきたい」と前を向いた。
以上
2009.06.29 Reported by 佐藤円
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第15節 山形 vs 川崎F】レポート:チームを救った川島永嗣のセーブと鄭大世の一撃!川崎Fが「晴れ のち 嵐 のち 快晴」の展開で山形を下す。(09.06.29)
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