前節の徳島戦で、田原豊が決めた。56分、ペナルティエリアのまえでアジエルからパスを受け、相手DFをかわし、強引に右足を振り抜く。ボールはゴール左隅、GKからもっとも遠いゾーンに吸い込まれた。らしく豪快なミドル弾だった。
「シュートを撃とうと思っていた」と振り返る。
「正直、入るかどうかはわからなかった。コースを決めて、とにかく撃ってやろうと思いました。俗に言う“神様コース”にうまく飛んだ」
貴重な同点弾は、田原にとってじつに10試合ぶりのゴールだった。それまでの試合でも決定的なチャンスは幾度かあったが、枠を捉えきれていなかったのである。
「あれだけチャンスがあったのに決められなくて、FWとして、それ以前に、自分にとって悔いが残ると思っていた」と吐露する。「ゴールの予感はいつもあるんだけど」そう言って日ごろ周囲を和ましてはいても、微塵も気にせぬストライカーなどいまい。田原自身、期待を込めたシュートだったのだろう。
「最近ゴールを決めていなかったので、自分にとってはいいクスリになると思う」と語る。ただ、そう言いつつも表情が冴えないその理由は、あとに続く言葉が教えてくれる。
「でも、チームが負けたのでやっぱり残念です」
写真は、京都に在籍していたころから交流のある同い年の書家HILOKI氏が、特別に筆を揮ってくれた作品だという。試合の際にはつねに持ち歩いているそうだ。筆が語るように、勝利へと導く田原らしいゴールを今後、さらに見たい。
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2009.07.31 Reported by 隈元大吾















