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【J2:第34節 横浜FC vs C大阪】レポート:横浜FCの「成長」とC大阪の「地力」のせめぎ合い。両チームともにとどめを刺せない2-2のゲームは、必然のドロー。(09.08.17)

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8月16日(日) 2009 J2リーグ戦 第34節
横浜FC 2 - 2 C大阪 (18:03/ニッパ球/4,453人)
得点者:22' カイオ(C大阪)、51' 八田康介(横浜FC)、65' 難波宏明(横浜FC)、84' 小松塁(C大阪)
スカパー!再放送 Ch182 8/17(月)10:30〜(解説:野々村芳和、実況:田中雄介、リポーター:高木聖佳)
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 第2クール最終戦となり、どのチームも一定の成熟を果たしてストロングポイントが明確になってくると、相手のストロングポイントへの対処が勝敗に影響する大きな要因となってくる。このところ上位に足踏みするチームが増えてきている要因の1つと言ってもよい。この試合では、圧倒的な攻撃力を誇るC大阪に対して、調子を上げつつも受け身になることが予想される横浜FCが警戒していたのは、セレッソの10番マルチネス。樋口靖洋監督が「J1でもトップクラス」と述べるこの選手を巡る駆け引きが、動きの激しいゲームのベースを形作った。

 横浜FCのゲームプランの基本は、カイオ、香川真司、乾貴士の3人を抑えるために、コンパクトな布陣を敷くこと、そして、できれば高い位置でブロックを作ることだった。前半は、立ち上がりからC大阪が個のテクニックが光るパス回しを披露するものの、横浜FCも狙い通りコンパクトで局面を抑えた守備で対抗する。しかし、警戒するマルチネスから効果的なパスが出始めると、ペースはC大阪に傾く。22分、そのマルチネスから石神直哉に出たパスから、石神が精度の高いクロスを上げると、中央でカイオがボレーシュートを決めて、C大阪が鮮やかに先制。この後も、マルチネスを中心にボールを展開され続けると、35分ぐらいに樋口監督は戦い方の変更を決断。フォアチェックが弱まることで守備ブロックが下がるリスクと引き換えに、難波宏明にマルチネスへのケアを命じる。一方のC大阪は、「相手がフラフラであるならば、とどめを刺す部分がチームに欠けていた」(レヴィークルピ監督)というように、先制までの見事な展開から一転、2点目を奪いにいく気迫にはやや欠ける展開となる。そして、横浜FCはC大阪の個の力には手を焼きながらも、なんとか1点差のまましのぐことに成功する。この先制点後の時間の過ごし方が、後半の展開につながっていく。

 樋口監督がマルチネスへのケアを改めて明確に指示して臨んだ後半、このケアが功を奏して横浜FCがペースを握ると、51分、コーナーキックからのこぼれ球を八田康介が躊躇なく蹴り込んで同点。前半の重苦しい雰囲気を振り払うゴールで、ニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気は一変し、横浜FCへの声援で充満する。そして、この声援に後押しされる形で横浜FCは完全に前掛かりになると、65分に片山奨典と小野智吉のワンツーから、最後は片山のスルーパスに難波が反応し冷静にゴールを決める。スタジアムと選手が一体となった今シーズン初めての逆転劇に、スタジアムの雰囲気は最高潮となる。しかし、「チーム全体で守備意識が強くなって、それが相手に有利な形になった」(西田剛)というように追加点を奪う姿勢を強く出せない中、71分、C大阪は小松塁を投入し、前節と同様4バック(2バック)の形で得点をもぎ取りにくると、横浜FCは自陣に釘付けの展開に。そして、84分濱田武のFKから小松が合わせてC大阪が同点に追いつく。横浜FCとしては本来はブロックを高くして流れを与えたくなかったが、マルチネスをケアせざるを得なかった状況では、ある意味必然の展開だったとも言える。その後、両チームとも、3点目を目指して戦うが、決定打を打つことはできず試合は引き分けで終了した。

 横浜FCとしては先制されることで、カウンターを狙っていくゲームプランとは違う形となったが、首位相手に一度は逆転したことは、ここ数試合で身につけた自信がチームに成長を与えていることを証明した。第2クール中盤のように、先制された時点でチームが自信を失い逆転のパワーを失っていたのとは大違い。試合終了後に力を出し切ってピッチに倒れ込んだ選手にスタジアムから湧き起こった拍手が、その変化を証明している。ただ、2失点目への流れはチームとして想定の範囲内の形であり、得点力のある上位に勝ち切るためには、3点目を取りいく意識が必要であることを再認識させられた。自信をもったサッカーが展開できるようになったからこそ起きる新たな課題だが、一層の成長のために乗り越えていきたい。

 一方のC大阪は、前節に引き続き「地力」は試合を通じて見せつけたが、前半のうちに2点目を取れなかったことが大きく響いた結果となった。先制後に余裕を持ったわけではないと思うが、とどめを刺すどん欲さを出すことが、残り17試合の過酷な昇格争いに最も求められるものだろう。攻守のバランスという意味では攻撃に重きを置いた特徴的なチームだけに、ストロングポイントをより効果的に繰り出していくことが、活路に繋がっていくのではないだろうか。

 首位相手に先制されるも、一度は逆転してから同点に追いつかれるダイナミックな展開。選手も100%を戦う姿を見せて見応えのある試合だった。次節から始まる第3クールで、横浜FCは新たな成長を果たし、C大阪は地力を結果に結びつける。この試合をそれぞれの戦いに向かうための出発点にすることが大事となる。

以上

2009.08.17 Reported by 松尾真一郎
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