雁の巣球技場の緑の芝生の上に子どもたちの声が響く。時にラグビーボールを追い、時にティーバッティングにチャレンジし、時にサッカーボールを奪い合う。「スポーツを楽しもう!サマーキャンプ2009 in 雁の巣」の光景だ。
このキャンプは、財団法人公園緑地管理財団が各スポーツ団体に呼び掛けて主催し、福岡市スポーツ振興事業団が共催、福岡リゾート&スポーツ専門学校の協力のもとで行われたもの。その目的を財団法人公園緑地管理財団・古村洋一さんは次のように話してくれた。
「今の子どもたちはゲーム機で遊ぶことが多いけれども、夏休みを利用して、いろんな競技を体験しながら体を動かして遊ぼうということを中心に考えたイベントです。いろいろと体験する中で、それぞれのスポーツの楽しさを分かってもらえたらなと思っています」
参加したのは福岡県内の小学校4年生から6年生までの40人。指導にはラグビートップリーグに所属するコカコーラ・ウェスト レッドスパークス、アビスパ福岡、福岡ソフトバンクホークスのプロコーチが当たった。
福岡市では、3年前から上記3チームに九州電力キューデンヴォルテクス(ラグビートップリーグ)、ライジング福岡(bjリーグ)を加えた5チームが中心になって、スポーツ本来の価値である「遊び」の場所と機会を子どもたちに提供すること、競技の枠を超えた「横の一貫教育」を実現することを目的として、同様のイベントを定期的に開催してきた。今回のキャンプはその流れを汲むもので、一泊二日で実施するのは初めてのことだ。
キャンプが行われたのは8月19、20日の2日間。ラグビー教室、野球教室、サッカー教室のほか、縄跳びや、ラダーやマーカーを使って体を動かす遊び等々、メニューは様々。子どもたちにとっては初めて触れるスポーツもあるが、どの競技の時もコーチの説明に食い入るように耳を傾け、真剣な眼差しで芝生の上を走り回る。挑戦する喜び、工夫する楽しみ、達成感。それらを感じながら、子どもたちの表情が見る見るうちに輝いていく。そして、初対面同士の固さが取れるのに時間はいらない。気がつけば、全員が満面の笑みを浮かべていた。
そんな子供たちの姿を見ながら、コーチとして参加した永井智浩さん(ホークスジュニアアカデミー)は目を細める。
「夏休みを利用して子どもたちが一泊して、スポーツを通した遊びを楽しんだり、みんなでご飯を食べたり、一緒に泊まったりすることで、より深いところで友達づくりが出来るんじゃないかと思っています。大勢で遊ぶのは楽しいし、いろんな遊び方があるんだということを子どもたちが分かってくれて、次は自分たちで友達を誘って、近所で遊んでくれるようになるのが理想です。子どもたちが『テレビゲームをしているよりも楽しい』と言ってくれたのが嬉しいですね」
そして、アビスパ福岡・ホームタウン推進部部長の下田功さんは話す。
「子どもたちが楽しいこと、興味のあることに対して出すエネルギーに大人はかないません。そんな喜びと楽しみの延長線上にスポーツの持つ価値があるのかなと改めて感じましたね。「スポーツ=体育、体を鍛えるもの」という考え方ではたどり着かない部分、それは、本来、スポーツが持つ遊びの部分にあるのだということを再確認させてもらいました」
さて、楽しいキャンプもあっという間。最後のカリキュラムでは、子どもたち全員が2日間の出来事を絵日記に書いて発表し合った。「スポーツキャンプに参加するのは初めてだったけれど、友達も増えたし、みんなと遊べたし、この2日間はすごく楽しかったです。いっぱい友達ができたけれど、これからも、友達をたくさん作りたいと思いました」と話してくれたのは阪本侑心くん(小学校5年生)。2日間のキャンプは夏休みの最高の思い出作りになったことだろう。
ところで、会場となった雁の巣球技場は福岡市の東にある様々な競技場を備えた一大スポーツ施設。アビスパ福岡、福岡ソフトバンクホークスも練習場として利用している。今回のキャンプには、まさにうってつけの場所だった。
「このサマーキャンプで、いろんなスポーツを体験して、将来、どこかのチームに所属して、この雁の巣球技場に戻ってきてくれたら、私たちにとってはベストです」(財団法人公園緑地管理財団・古村さん)。
あと10年もしないうちに、このキャンプに参加していた子どものインタビューをするかも知れないな。そんな思いを描きながら雁の巣球技場を後にする子どもたちを見送った。
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2009.08.21 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】福岡:スポーツを楽しもう!サマーキャンプ2009 in 雁の巣(09.08.21)
ゴールを決めて喜ぶ、ホークスジュニアアカデミーの永井智浩さんと子どもたち。競技の枠を超えて、みんなでスポーツを楽しんだ。
子どもたちがボールを追いかけるときは、いつも真剣で全力。「子どもたちが楽しいこと、興味のあることに対して出すエネルギーに大人はかないません。そんな喜びと楽しみの延長線上にスポーツの持つ価値がある」と下田功さん(アビスパ福岡・ホームタウン推進部部長)は話す。















