10月11日(日) 第89回天皇杯2回戦
札幌 2 - 1 G鳥取 (13:00/札幌厚別/3,171人)
得点者:7' 冨山 達行(G鳥取)、28' 西嶋 弘之(札幌)、87' キリノ(札幌)
☆天皇杯特集
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札幌市厚別公園競技場で行なわれたJ2札幌とJFL鳥取の試合は、結果こそ札幌が2−1のスコアで勝利したものの、内容的には札幌にとってかなり厳しいものだった。得点もCKから西嶋弘之が決めたものとキリノのPKというリスタートのみ。やはり、トーナメント戦の初戦、それも異なるカテゴリーのチームとの対戦というのは難しい。
札幌の石崎信弘監督が「内容的にほとんど、特に前半は鳥取ペース」と振り返ったように、風上を選択した鳥取が立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛けていた。梅田直哉、阿部祐大朗という長身2トップに加え、林慧、冨山達行という左右MFも高い位置に張り出す。そうして札幌守備陣に圧力をかけた上で後方からのポゼッションで相手のプレスを引きつけ、スピードのある縦へのフィードで高い位置に起点を作っていた。そして7分、阿部が右サイドから持ち上がって折り返したボールがペナルティエリア内で混戦になったところを、走りこんだ冨山が蹴り込んで鳥取が先制する。
札幌が苦戦した要因には強風もあっただろう。厚別競技場は普段から強い風が吹くのだが、この日のそれは一段と強かった。前半途中の鳥取CK時には、あまりの強風でボールがうまくセットできなかったほど。そうしたシチュエーションは、札幌のように人が動きながらパスを回すスタイルのチームには難しい。パスが流れてしまって受け手が届かなかったり、ちょっとしたビルドアップにもズレが生じることしばしば。加えて、鳥取は先制したことでその後はあまりリスクを冒さず、慎重な戦いにシフトしていたため、なかなか効果的な崩しができなくなってしまっていたのだ。
そして札幌にとっては、この試合がホームスタジアムで行なわれたことも、試合をより難しくした要因のひとつだったのかもしれない。J1を経験しているチームがJリーグ入りを目指すチームを相手に苦戦をしているとあっては、その視線は厳しくなる。この試合に限っては、前半のうちに同点にしたものの、札幌にとっては様々な難しさが混在していたようだ。
そうしたなかで札幌はタフに戦ったと言っていい。前半の途中から前線の位置にいた西大伍と守備的MFの位置にいた宮澤裕樹を入れ替える。そして後半立ち上がりにはハファエルを投入し、システムを4−4−2から4−2−3−1へとチェンジして攻撃に変化をつけたのだ。
ハファエルの投入はひとつのポイントだった。この選手は積極的にボールに関わっていくタイプの選手ではなく、プレッシャーの少ないエリアを選んでボールを受けてシンプルにさばくタイプ。そのため消える局面も多いのだが、その一方でダイナミックなミドルシュートや歩幅の広いドリブルを使って攻撃のギアチェンジをすることができる。このハファエル、具体的に決定的なチャンスに絡むことはできなかったが、攻撃のスピードアップというバリエーションが加わったことに鳥取守備陣は警戒を強め、知らず知らずのうちに守備のラインを深くしてしまったのである。
そうして迎えた87分。札幌の古田寛幸がドリブルで相手ペナルティエリアに仕掛けると、相手選手に倒されてPKを獲得。そしてこれをキリノが決めてJ2の札幌が終了間際に何とか決勝点を奪ってみせた。
札幌としては厳しい試合だった。しかし、トーナメントの初戦というのはこういうもの。そして、トーナメントというのはとにかく結果を出すことがすべてである。その意味では、順当に3回戦へと駒を進めたと言えるだろう。
そして、敗れた鳥取の方も手応えを掴んだはず。「それなりに支配できたので自信にはつながるはず。リーグ戦の残り試合もそんなに負けないのでは」と岡野雅行。勝ったほうも負けた方にも、収穫のある試合となったようだ。
以上
2009.10.12 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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